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過去を振り返っている暇はないので任務こなします。
ルラら
〜博人side〜
啓達と別れた僕は、2階のフロアに今いる。
この2回は、取引が行われる場所。
「……ら!……い…よ!」
「……あ?………も……い……ら。」
遠くで話し声が聞こえる。
しかも2人。
念のため、ということで銃を取り出す。
弾は…きれてない。
声のする方に静かに近づく。
「だーかーら!聡太も手伝って!」
「俺はいやだっつーの!」
まさか…な。
この人達が例の5人ではないことでは既に分かっているが、何らかの関わりがあるかもしれないから銃を構えて前に出る。
「その場で立ち止まれ!」
「ヒッ…!」
「んだよ…。」
1人、生意気がいるか…。
身長的に…小4ぐらいか。
「…名は。」
「江森…空デス…。」
「河本聡太。」
「何者だ。」
銃口を向けたまま訪ねる。
「エット、わたs…「俺らは商品だ。」…。」
2人が、か…………。
「お前ら…………
逃げる気はあるか?」
2人とも目を見開いている。
まぁ、そうだろうな。
見知らぬ奴が急に言い出したらそりゃあ驚くに決まってる。
しかも、思ってもいなかった「いいこと」を、だ。
「…ッ…。何のつもり?」
「別に。君たちを助けようと思う善意だよ。」
「そう言って、売ったり、殺したりするんだろ?」
「いいや。そんなことはしない。というか…むしろ助けなくてはならないんだ。任務だからね。」
「誰…ですか…。」
そうだ。自己紹介がまだだった。
「僕は、大田博人。小6。グループランキングは1位。個人は4位だよ。」
「「………?」」
あぁ。
なるほど。
2人とも、菖蒲クラスを知らないのか。
「まぁ、今知ってほしいのは僕の名前だ。
…さぁ。もう一度問おう。
君たちは逃げたい?YES or NO?」
「に、逃げたいです…!」
「お前が危害を加えないならな。」
え、まって。聡太くん、めっちゃ口悪い(((
そっか。反抗期か!(納得)
「OK。じゃあ、逃げようか。」
そのとき。
タッタッタッタッタ
足音がした。
「ちょっと待ってて。」
音のする方に行く。
タッタッタッタタ…
「立ち止まれ!」/「博人さん!いるにだ!?」
……なんだ…華菜か…。
銃口を下ろして華菜に言う。
「僕はいる。華菜、頼みたいことがある。」
「何にだ…?」
「こっちが空、で、その隣が聡太という人なんだが、この2人、商品のようなんだ。
僕は上に行くから、この2人を連れて来てくれないか?」
「いいにだ!でも…気をつけるにだ…。なんか、嫌な予感がするにだ…。」
「わかった。………空、聡太。彼女は柏原華菜。
語尾が特徴的な小5だ。華菜について行ってくれ。
じゃ、僕はここで。」
手につけたリングのボタンを押してワイヤーを出し、上の階の階段の手すりにひっかける。
ここが、螺旋階段じゃなければできなかっただろうな…。
ワイヤーが引っかかったのを確認して軽く前に飛ぶ。
「華菜、頼んだぞ!」
「博人さんも気をつけるにだー!」
シュッ!という効果音が似合いそうな速度で上に上がる。
「ドワっ!?」
「啓さん!?」
目の前には、ナイフを構えた啓さんが立っていた。
続く。