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6話「自称英雄 ナツキ・スバル」
「__は?」
スバルの口から出たのは、驚きの声ではなく__
困惑の声だった。
「誰だって…俺は…スバル。ナツキ・スバルだぞ…?英雄…ナツキ・スバルだぞ…?」
ピンとこないように、他の人たちは
「スバル?」
「英雄?あなたが?」
と口を揃えて言うのであった
「…あ?なんで?なんで…?なんで覚えてない…!?」
今すぐスバルは調理場へ行き、包丁を手に取り
自分の首の肉を__
切り取った。
時間が戻る。
「あなたは…誰ですか?」
「__あ」
戻った場所はみんなに忘れ去られた直後だ。
死んだ意味がなかった。
「…あ?なんで…ここ…?まさか……セーブポイントが……更新された…のか?」
スバルはその事実を噛み締めるようにゆっくりとしゃべった。
次にスバルの頭に浮かぶ疑問はどうしてみんなに忘れ去られたのだろうと言う話だ。
まさか__
名前が…
失われたのか…?
だったとしたら…
どうしてなくなった…?
「さっきから何なんだ…?ベア子が知らない人がいるって急いでこっちに来たけどさ。一体何があったんだ?**兄弟**」
「アル…お前は…」
アルの言葉を聞いたエミリアが少し不思議そうに
「ねぇアル?」
「あ?」
「兄弟って…誰のことを言ってるの?」
「忘れたのか?スバル。ナツキ・スバルだ」
「じゃあ…アルは…あそこの知らない人の知り合いなの?」
「__は?」
自分の仲間を。
その男を騎士に持つ女は__
その男と契約している女は__
その男と同じ屋敷で働いているメイドは__
その男と屋敷で一緒に暮らしたことがある男女は__
その男と共に戦ったことがある男女は__
男のことを…
完全に忘れ去った。
その忘れ去られた男の名を。
こう言う。
**~~ナツキ・スバル~~**
と。
「……わかっただろ?おそらく俺の名前は失われた」
「兄弟…」
「どうしたもんか」と、言いたげな顔をしながらスバルは少し顎に手を当てて考えた。
名前を思い出す…
名前…
暴食…
記憶…
精神体とかそういうのなら覚えてるんじゃ…?
精神体…
ルイ?
ルイ…
オド・ラグナ…
記憶の回廊…
プレアデス監視塔…?
あ!死者の書!
「よし…プレアデス監視塔に向かう」
「そりゃどういうことだ?兄弟」
「あそこは俺の…死者の書がある」
そうしゃべると、エミリアが即座に
「死者の書って…あの書庫にあったやつ?」
「うん。多分探すのは結構簡単目だ」
なぜなら、スバルは何回も死んでいるため、大量に死者の書がある。
ただし読むなら…
読んだ人は…
死に戻りを体験することとなる。
死に戻りを知ることとなる。
じゃあどうすればいいのか?
それは向かってみないとわからない。
もう彼女がいない__
あの監視塔へと__
7話次回予告
「無事にあいつ(レグルス)は振り切ったわけだけど…今日は誰が来るんだ?」
「……お師様…」
「お師様って…まさ…か…」
「お師様〜!もうもうもうもう!!待ってたッスよ〜!!!!」
「いっっっっっっってぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」
「あ!サーセンッスお師様!久しぶりなんで力入っちゃったッス!」
「力が入ったとか、そんなレベルじゃねぇぞ…おい…」
「反省反省ッス!」
「あ…」
「ん?」
「立てねぇ…」
「テヘペロッス!」
「その言葉を言えば、何でも許されると思うなよ!?」
「次回7話!「砂の塔」!お楽しみにするッスよ〜!」
「無視すんな!?」
「お師様はこのまま骨を折り続けて『今夜は寝かせないぜ』ッス!」
「痛みで寝付けねぇなぁ!?」