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目次
文房具物語。それぞれの文房具生。
いくぞー
ある日、そこで私は生まれた。
「あとはこれを入れたら…」
その声と共に、私は自我を持った。
「ここは…」
私は、エバーレディーシャープペンシル。
私は、このシャー芯?とやらがないと役割を果たせない。
そして、役割を果たせないと、死ぬ。
まあ、寿命みたいなもの。
だから、私達は、シャー芯をかけて戦っている。日々。
戦えない人は処分されて。
ゴミ箱とやらにポイ。
または分解されて、他の文房具の材料にされる。
そんなのごめんだよ。
そして、私が間違ったことをしたら、消しゴムが消してくれる。
---
私は修正テープ。
全部を修正するのが私の夢!
この中のテープが尽きるまで、ずっと修正する。
物にかかれている名前だって、どんな消えないぺンで書かれていたって関係ない。修正して、上書きするから。
パカッとあけてビーッと引くだけで簡単に修正できるの!
修正、させてくれるよね?
---
私はのり!恋のキューピッドなんだよ?
こののりで紙と紙をくっつけることだってできるし…
他のものをくっつけたりもできる!
しかも、どっかのボンドとは違い、剥がそうと思ったらすぐはがせる!
あのボンドは強力すぎて…ね?
そして、私自身も好きな人とくっつけれることができる!
いつもそれを修正テープとかに修正されそうになるのがむかつく!
---
私はえんぴつ。男子のえんぴつもいるけどね。
使えば使うほど、すり減る。
使えばすり減るけど、すごく強くなれるのもある。
自身を削って、強くなれるほどの度胸はないけどね。だから、いつもえんぴつけずりには近寄ってない。
私が間違えたことをすると、すぐ消しゴムが飛んできてくれて。私の行動を消してくれる。
でも、シャープペンシルと違って、役割を果たせなくなったら、無理やりでも削られなきゃいけない。
だからいつも不人気。
正直、嫉妬しているところもある。
でも、シャープペンシルはシャー芯がないと生きていけないしね。
ネタにする文房具くれ。
https://tanpen.net/event/0a559e57-c307-4108-963c-02eb9c09566f/
文房具物語。それぞれの文房具生2
紙に♪ぶっ刺し♪円をぐるっと描く♪
私はコンパス!ノートさんに穴を開けるのは躊躇しちゃうけど…
でもそうしないと、私は役割を果たせないしね。
「…」
なーんか視線感じるな–。
あ、やっぱり定規がこっち見てる。
いつもうっさいなぁ。まあ物静かだからましなんだけどね。
全くもう、私は円を書くことしかできないんだからね。別に曲がってるわけじゃないし!
…根はいいやつだと思うんだけどな–…ちょっと神経質すぎるような…。必要最低限、かかわらないようにしよ。
---
今日もみんな生き生きしてるなぁ。
私はノート。まぁまだ春の終わりかけだから、|寿命《ページ》はまだあるんだけどね。
一回切られそうになったなぁ。あの日からずっとハサミが嫌いになってしまった…。
毎日、少しずつ、少しずつ、削られていくんだ。
でも、その運命は受け入れないと。
最初は遠慮して丁寧に書いていた文房具たちも、大分慣れてきたし。(これがいわゆる新しいノートはきれいに最初書いちゃう現象)
またページ少なくなってきたら、遠慮しちゃうのかな…
---
「あ、そこ線引いといて!重要だから!」
「は、はい!」
僕はマーカーペン。重要なところを目立たせたりする役割だ。
少し引っ込み思案で、自分の意見をはっきり言えないのが悩み。
でも、自分が急にはっきり意見を言うようになったら…。
マーカーペン(女)「あ(やばい、インク切れた!)ふんっ!ふんっ!ジャンプしてインク出す!」
自分もインクが切れたら…処分か。
まだまだ先だと思いたいけどな…。
修正テープ「はいビーッ、ここ、この 。 まで引いちゃってるよ?」
こいつ…。別に 。 まで引いたっていいだろ。っていうか文で覚えるんだったら 。 まで引いたほうがいいだろ。
---
「あっやば!間違えた!消しゴムさーん!」
「はいはーい」
私は消しゴムだよ〜!いつも間違えちゃったりしたのを消すのが役割!
消していくと、私の体が黒く染まっていく。そして、削れていく。
でも、それが役割だもんね。
そして、私の役割は、消しカスで子孫を作ること!まあ、いわばねりけしだね!
ねりけしがあったら次の消しゴムが入ってくるまで持ちこたえられるし!
…でも、私が今作ってるこの子も、どうせ次の消しゴムが入ってきたり、飽きられたりしたら、捨てられちゃうんだろうな…。
頑張って、生き抜いてね。
頑張って…。頑張れ…。
まだ、この子はこんなことわかってないと思うけどね…。
---
私は赤ペン。
最近、悩みが増えてきているの。
昔は大事な言葉は赤ペンで書いていたけど、最近オレンジペンが使われるようになっているの。役割を果たせなかったら死んじゃう…
丸付けの時しか役割を果たせないし、分解されるのも最近増えてきている…
バネがなくなったりしたら、私は一生役割を果たせないまま…
ゴミ箱に…?
…大丈夫、丸付けのときでも大分役割は果たせるはずだし…
大丈夫。
大丈夫。
---
私はオレンジペン!最近暗記ばっかりで忙しいな〜!
「あれ、赤ペンちゃん?元気なくない?どうしたの…?」
知ってるけどね。私のせいで元気ないの。
役割果たせなくて不安になってるんだよね?
「な、なんでもない…」
隠したって知らないフリしたって無駄なんだけどね。
反省なんてしてるわけないじゃん。私悪くないし。
いつか全部、全部ぶちまけてくれたらいいのに。
楽しみにしてるからね。泣きじゃくりながら本音言うの。
どの文房具が好き?
登場させてほしい文房具あったら教えてちょ
投票‼
投票してー‼
というわけで、お願い!
https://tasuketsu.com/vote/PNaxbxvRsG3VpNecI5bv
文房具物語。それぞれの波乱もありの文房具生。
私の出番って本当にあるのかな…。
赤ペン…もはや丸付けしか活躍できない存在…。
あ。
「…あんたさぁ。」
「?どしたの?赤ペンちゃん。」
別の赤ペンがオレンジペンに話しかけてる…。
「役に立ってるとか役割があるとか思わないでね?丸付けはオレンジじゃできないんだから。」
「う〜ん…生意気!気に入らないな〜。」
シャシャシャッ
「赤シート!」
…消えた…?嘘。
シャシャシャッって音の時、オレンジペンが赤ペンにオレンジ色で適当に塗りつぶして…赤シートで見えなくした…?
そして、存在ごと見えなくして、消した…。
実はオレンジペンって、最強なんじゃ…早く逃げなきゃ。
---
なんか誰かいた?
まあいっか。
見られてたとしても、消せばいいだけだし。
私は赤シートをずらす。
「…っ、何するの!?」
「そんな怒んなくていいでしょ?一回消しただけじゃん。」
「…もう怒った…。あんたの存在自体、×にするから!」
「そんな暇もなかったね。」
赤シートをパパッと私は元の位置に戻した。
は〜あ、つまんないな〜。
誰か強い子来ないかな〜。
しかも、私はノートいらないしね。つまり、私が悪くなるシーンは一度もないってこと!
---
「はぁ⁉︎あのさぁ、これ私が丹精込めて書いた字なんだわ。近くで消さないでくれる⁉︎」
「で、でも消すのが私の役割で...。」
なんかまた被害に遭ってる...。
「役割とかしらない!あんたは私の役割を消してまで役割を果たしたいの⁉︎この、自分のことしか優先できないクソが!」
「...は?それ言うならあんたもだろ。役割を消してまでって言うし、自分のことしか優先できないとか言ってるけど、それお前じゃねえの?私が消さなかったらこの文字間違ったままだぞ?それでいい?いいわけないよね?あんたは私の役割を邪魔してまで自分の文字を守りたいの?お前の方がクソじゃん(笑)」
うへぇ...すご。なんであんなはっきりいえるんだ...。
「あとさ、私近くで消してるってだけでお前の文字一ミリも消してないんだわ。消してから言ってくれる?」
すご..いつかわたしもあんな感じでズバッと行って見たいな。
「あ、ごめん滑って消しちゃったw...言う?言ったら?ほら、「あんたは私の役割を消してまで役割を果たしたいの⁉︎この、自分のことしか優先できないクソが!」って。ってか、消されたくないんだったら努力しろよ。筆圧強めに書くとか。自分で何もしないで人のせいにしてんの馬鹿みたい。草生えるわー。」
なんか、見てるだけなのにスッキリしてきた...。消しゴムちゃんに惚れそうになったわー。
はっ、これがギャップ萌えってやつ⁉︎
恋のキューピットのり、出動の予感⁉︎
「消しゴムちゃん、こいつ、修正する?」
「えーいやいやいらんいらん。こんな阿呆に修正テープちゃんが役割する必要ないって〜。こいつの存在自体「ないわ〜」って感じだし?後さ、お前の分のシャー芯、そろそろないよね?しかも、こんなところ目撃されたらさらに減るかもね?頑張って生きてね、クソ間抜け。」
け、け、消しゴムちゃん...惚れた!
あんなズバッと言えるなんてすごすぎるって!セリフとか反論とかも考えずに淡々と言えるのまじすご!
決め台詞も私にもシャープペンシル(クソ)にもちゃんと刺さった...!
いやー、なんか楽しみになってきたw
私の観察対象、消しゴム!
名付けて、消しゴムの論破反論、ズバッと観察日記!
ふふふ...。
ここからどんな日記がスタートするのかな?
文房具物語。それぞれの訓練の様子
シャーペン視点
---
…今日は、あの日だ…。
そう、シャーペントーナメント!
一番優秀なシャープペンシルが決められる日…。
1位はシャープペンシルの芯一ケース分、二位は20本、三位は10本、四位は5本、五位は3本…。
そして、最下位は処分される。下から数えて二番目は、芯を五本取られる。三番目は、三本取られる。
だからせめて最下位にならないように頑張らなきゃ…!
目標は五位!
…ん?
「うっわw今日なんだ〜。」
「醜いよね〜。命の糧にむさぼりつくって…恥ずかしいw私だったら絶対やらないわw」
…え
あ、別のシャーペンが…
「私達だって生きるのに必死なの。お前らだってインクなかったら生きていけないじゃん。」
「何〜?反撃?すみませーん!三角定規さ〜ん!」
「どうかしました?」
「この人が私に暴言を吐いてきて〜。」
「は!?違う、私は言い返しただけで…」
「ペナルティとしてシャープペンシルの芯一本を取らせていただきます。」
「ちょ…」
あ…え…あの人は悪くないし、私が証言しに行かないと…
「私は見てましたよ?」
あ、分度器さん。性格が見た目の通り丸いと有名の。
「そのペンが、シャープペンシルを煽っていたのを。ペン。メモ帳1ページ、丸々塗りつぶしてきなさい。」
「え…!?で、でもそれだとインクが…。」
「他のものを罵倒するペンはいりません。」
「わ、私も見てました!この人が、【醜いよね〜。命の糧にむさぼりつくって…恥ずかしいw私だったら絶対やらないわw】って言ってたの!」
私も証言できた…!
「早く、してきなさい。」
「え…は、はい。」
「謝罪は?このシャープペンシルの方々に。」
「す、すみませんでした!」
「角度がなってない!45度!あなたのは35度になってるわよ!」
さ、さすが分度器さん…。角度には厳しい…。
「…すみませんでした。だ、だから、どうか…。」
今だ!
「醜いよね〜。命の糧にむさぼりつくって…恥ずかしいw私だったら絶対やらないわw」
一言一句、言ってやった!勝ち!✌️
---
そして、試合が始まる。まずは芯の折れやすさについてだ。
思いっきり字を書いて、芯が折れなかったら次のステージに進める、というものである。
今回の書く字は、『く』
「えぇ〜、く!?」
「くのあの折り曲がるところで折れそうで不安だな…。」
…く…一回自分で書いてみよう。
…ふんっ!
ダメだ…。<みたいになる…
やっぱり私は文字を書く時横長になっちゃう癖があるんだな…。
でも、やらなきゃ。やるのが遅かったら、辞退扱いになる。
私は列に並ぶ。
並んでいる間、他の人を見ていた。
失敗する人もいた。
成功して泣き崩れる人もいた。
失敗した人の行方は、私達にもわからない。失敗することでしか、わからない。
…いよいよ次だ…。
どうしよう…並んでいる間は全然緊張してなかったのに、すごく緊張してきた…!失敗したらどうしよう、
え、えー…
…ん?あの人…
「あのー、すみません。あなた、芯4B使ってません?」
審判?の人が、声をかける。
やっぱり…?あの人、芯変えてるよね…?
「えっ?違いますけど…。私のは2Bですよ?」
「念のため、取り替えさせていただきますね」
「ちょ、やめてよ、私のシャー芯が!」
なんであんな焦ってるんだろう…。
「あ、あなた、やっておいていいですよ。」
「あ、はい。」
よ、よーし、やるぞ…!
えいっ!
「ちょ、やめてって!芯取らないで–––––––!」
一番の難所、折り返しゾーン…!
…ガリッ
「…!」
嘘…だ、大丈夫…。
あの人の悲鳴で全然聞こえなかったし…
「で、できました!」
「あ、ありがとうございま〜す。…。」
心臓の鼓動が早くなる。失格だったらどうしよう。失敗してたらどうしよう。どうしようとか考えるんじゃなくて。失敗してませんようにとかを祈ることしかできない。気付かないようにと祈ることしかできない。失敗したら考える間もないんだから。
「よし、合格です。」
よかったぁ…。
天国に行くか地獄に行くかよりも緊張したかもしれない…。合格って言うまで体感時間10分ぐらいあったよ…。
文房具物語。(授業中暇なときに文房具で遊んでて作ったやつ。)
無事合格してよかった…
えーと、次は…。
見やすく、書きやすく消しやすい、そして安いのは誰だ!?勝負か。
・詳細:値段が安い、文字が見やすい、消しゴムで消しやすい、書きやすそう、その内容で勝負します。なにかあれば、審判のハサミまで。
・参加条件:シャープペンシルであること。
・時間:◯:□△〜
・合格条件:安い、書きやすい、消しやすい、見やすい。
・持ち物:シャー芯。
・ルール
①シャー芯は2B限定です。
②消しゴムはすべて同じ消しゴムが審査をします。別の消しゴムに消してもらうことはできません。
③やる順番は先着です。
④審査が終わってから1時間後に結果発表されます。結果発表までは待合室でお待ち下さい。
⑤不合格でも、文句を言ったりしないでください。迷惑になります。
⑥暴力はおやめください。
⑦ドーピングなどの不正が発覚した場合、その時点で失格となります。
…なるほど…。よし、頑張るぞ!
「みなさんこんにちは。審判のハサミと申します。ルール違反の行動を発見した場合、しかるべき対応をとらせていただきます。」
確か、あのハサミさん…昔は『無開のケース』によって封印されてたんだっけ…自分で脱出したのか、誰かに外されたのかは知らないけど…。
ってか、なんで審判がハサミなんだろう?
「工程は2つです。まず、自分の値段を書いてもらいます。そして、その紙を提出してもらいます。失格条件は、ルール違反をした時です。書いている途中に芯が折れたりしても、失格にはなりません。」
あ、芯折れてもいいんだ…。
「それぞれの満点はこちらを御覧ください。」
書きやすさ:7点
見やすいか:7点
消しやすさ:8点
値段の安さ:8点
その合計点:30点
と書かれていた。
「その合計点の、上位10名が生き残りとなります。」
今ここにいるのは50人…。5分の4が落ちる、ってことか…。
審判がハサミってことにも、なにか裏がありそうだし…。
私の値段は、330円。
…微妙…。
「言い忘れていましたが、書いた字が読みにくかったら、その場で失格となります。」
た、多分、読める、はず。
そして、試験がスタートした。
一斉に皆が並ぶ。私も急いで並んだ。前から14番目だ。
ん?これ…前の人が全部合格基準にのってたら、私、不合格になる…?いや、それはない、それはない!
1回目の人は、560円という、少し高い値段だが、書きやすそうだった。消しゴムでは少し消えにくかったようだ。
っていうか、書く紙って、そんな何枚もあるのかな…?
ビーッ
!?え、なにあれ、修正テープ!?
「ほい、修正☆それじゃ、二回目の人どうぞ!」
…これ、後になるにつれて、修正テープが重なって、書きにくくなるってこと!?
節約…ってこと?
それなら私めっちゃ苦戦するじゃん!
ほら、やっぱり書きにくそう!
…三回目、四回目、と、数を重ねるたびに、修正テープが山みたいに盛られていく。
あんなんじゃ、書きやすさだけじゃなくて、見やすさも減点されちゃうよ…!
ついに、私の番がやってきた。
慎重に、慎重に…。
ガリッ
芯が、削れた…でも、芯は削れても問題ない…。
で、できた!
「あぅっ」
安堵感とでこぼこのノートの上による作業で、こけてしまった。
自分の書いた数字を見てみると、339円、となってしまっている。
嘘でしょ…。でこぼこのノートの上だから、感覚が狂ったんだ…!
現実を認めれない。
でも、私は、このノートの上をどかなければいけない。修正もできないし、次の人も待ってるから。
私はふらふらと、前へ進んだ。
後ろで、ビーッ、と。私の書いた字が、修正される音がした。
今日はすごい文房具物語の筆がすすむ
「それでは、この待合室にてお待ち下さい。」
「ありがとうございます…。えっと、オレンジペン、さん。」
「ねぇ、シャーペンちゃん!」
さっきまでの敬語はどこへやら。元気に話しかけてくる。
「こっち向いてくれる?」
私はゆっくりと、オレンジペンさんの方へ体を向ける。
「私、そういう人の絶望した顔が好きなの。もっとよく見せて?」
「…え?」
そう言って、オレンジペンさんは私の顔、いや、目を見てくる。
なにか…怖いものを感じた。無理やり、引きつるような笑顔になった。
「…やっぱり、シャーペンちゃんは作り笑いのほうがいいよね。」
「…?」
「こんな人のために絶望の顔見せるんじゃなくて、色んな人に笑顔見せてあげな。」
「えっと…」
案外、いい人だった、のかな…?
っていうか、今の間に別のエバー・レディー・シャープペンシルが来ててもおかしくないのに…。
---
よし。これで、あの子に私は悪い人じゃないってイメージは少なくともついたはず。
悪い人から成り上がる良い人。これは、初対面での良い人より、良い人っぽさが増すんだよね。
だから、時々助けてあげたりすれば、またいいイメージがつくはず!
あ、でも一個失言しちゃったな〜。
作り笑い、って。聞き逃してくれてるといいけど〜…。
ま、でも…あの子にいいイメージつけたところで無駄だったか。あ、でも、今から悪いイメージ見せれば、また絶望する顔、見れる…?赤ペンちゃんはもう少しかかりそうだし…。
---
そして、私は待合室にノックをして入る。
…あれ?おかしい。ここには私のぞいて9人しかいない。私の前に試験を受けた人は、13人いたはず…
残りの4人はどこに…?
私はとりあえず、空いている席に座った。隣のシャープペンシルと、おしゃべりをした。
残ってるシャー芯はどれぐらいなのかとか、何位狙いなのか、とか。
あっという間に隣のシャープペンシルと仲良くなった。
「そういえば、名前は?」
「え、名前?えーと…強いて言うなら、シャープペンシル?」
「それは総称じゃん!区別がつかなくなるから、自分で名前考えておくといいよ!ちなみに、私はシニ!私は42番目に生まれたっていうのと、シャープペンシルって、シャーペンって、略すじゃん?んで、シャーって西って意味らしいから、それを反対にしてシニ!」
「42番目!?意外に古いんですね…。」
「んで、あんたの名前よ、名前!」
「えーと…。」
「じゃあわたしが決めてあげるよ〜。うーん…チャース?とか?チャンスがよくありそうな感じ!」
「私は、チャース、ですか…。」
そうすると、もう一つ、シャープペンシルが入ってきた。
「なんか二人楽しそうじゃん!名前の話?私はね〜、シチエ!和っぽいでしょ?こんな、仲間同士蹴落とし合うなんて嫌だからさ、和っぽい名前で、私が平和を作れればなって思って!つけた!今!」
「今!?行動はや…。でもまあ、こういう時間も残り僅かかもしれないね。私も、このシャー芯を出すのも、最後かもしれない。シャー芯出しとこ。」
シニさんが、シャー芯を出した、その時。アナウンスが始まった。
「結果発表のお時間となりました。不合格になったのは、待合室Bにいるシャープペンシル、全員となります。このアナウンスが聞こえているシャープペンシル、全員となります。」
…え?
その時、床に真っ直ぐな亀裂が入った。まるで、定規で線を引いたような、丸い、線。そして、床が、開いた。下には紙くず。
この下って、もしかして、ゴミ箱…?
私は無意識に、目をつぶった。
「チャース!」
名前を呼ばれて、やっと目を開けた。
シニさんと、私のクリップが絡まっている。シニさんは、さっき出したシャー芯を壁にさして、それに掴まってぶら下がっていた。
「シチエさんは…?」
「見当たらない…。捨てられた…?」
そんな…。
そこに、誰かの足音が近づいてきた。
文房具物語。シャーペンの行方
ど、どうしよう…。誰かが来たら…どっちみち、処分される…⁉
とりあえず静かにしないと…。
「この待合室bのやつが全員不合格だってw」
「ちょっと見に行こうぜ~」
人が、入ってきた…‼
「ん?うわ、なんだお前!?」
ば、ばれた…‼
すると、シニさんが見に来たシャープペンシルに向かってドロップキックを決めた!壁から!
そうすると、シニさんは、
開いた、ゴミ箱の地面に向かってシャープペンシルの体を投げた。
「ふざけ半分で来たのが間違いだったね。チャース‼逃げるよ!」
「え!?と…。は、はい‼」
私達は、待合室Bを出て、とにかく人目の付かない方に逃げた。
——つもりだった。
「あっれぇ?どこ行くの~?」
そこにはオレンジペンさんがいた。私がオレンジペンさんに一歩近づいた、その瞬間、
上から、オレンジ色のインクが降ってきた。
べとべとする…。
「そこにあった、同じオレンジペンからとってきた!そんじゃ…赤シート‼」
避けようとしても、もう遅かった。オレンジペンさんが放った赤シートは、私の目に装着された。
何も見えない。目の役割、視界というものが消失した。
このままだと、耳、鼻、口…ついには体全体まで、封じられてしまう。
「シニ…さ…この、赤シート…外して…くだ…い…。」
恐怖で、言葉が詰まる。
すると、赤シートがはがれた。
私の目が、空気に触れる。
やった…‼と思う、そんな歓喜に浸る間もなかった。
また赤シートが飛んできた。
だが、私は避けた。
私は自分の体をノックして、シャー芯を出す。
このシャー芯を、盾に、そして、武器に使う!
折れるのは怖いけど…
今、やらなきゃ‼
そうして、私は腕を振り上げた。
だが、いつもより動きが鈍い。
インクのせいで、私の体が固まってしまっているのだ。
振り上げた腕を、おろすことができない。
このままじゃ、オレンジインクの石像になって、赤シートをかぶせられて、この世から消滅させられて…
ダメだ、ダメな方向の想像ばかりするな!
「ぅ…」
シニさんも、私が動けないことに気づいたようだ。
どうしよう。
「チャース‼芯貸して!」
もう、意識もなくなりかけている。
このまま、私は、消え…
---
「チャース‼」
私は叫んだ。でも、チャースが返事をすることはない。
なんで…。
でも今は、こいつをなんとかしなきゃ。
「オレンジペン!」
私はオレンジペンに向かって、走る。
すると、突然訳のわからないことを言い出した。
「不思議だよね。君たちがルール違反をしてるのに、この物語では、みーんな君たちを応援するんだ。でもさ、私が主人公だとしたら…こんな性格じゃなくて、キラキラした性格で、みんなにやさしくて…、応援されて…。私が、この物語の、主人公だったら、こんなことを願わずに済んだのかな?」
「は…?」
頭では理解できなかった。でも、なぜか、言ってる意味がわかった。
でも、私が、私を主人公だと思ったことは、一度もなかった。
「ね…。私が主人公だったら、こんな…こんなこと、しなくてよかったのかな。」
すると、オレンジペンは巨大な赤シートを、取り出した。
「でもさ、君が主人公だから、今からするこんなこと、も、どうせ、生き残るんでしょ?そして、私が倒されて…。主人公って、なんであんな優遇待遇なの…?私も、ただの敵じゃなくて…」
「…オレンジペン…。」
「君は、シニ、そして、チャースっていう名前があるんだよね?それなら、私にも名前つけてよ。そして、最後はその名前で呼んで。」
「じゃあ、あんたはエリーシウ。」
「そう…なら、その名前で私を呼んで。そして、主人公の敵の私を、殺して。」
「そんじゃ、バイバイ、オレンジペン。」
私はあえて、そう呼んだ。
「なんで…。」
「あんたの最後は、今じゃないから。」
この言葉も、あいつの演技かもしれない。
でも、信じたかったのは、主人公の、私だけだろうか。
久しぶりに切ない系かいた。感想教えて。
文房具物語ぃ!
本来の私なら、いつも、主人公を、恨んで、羨んでばかりだった。
みんなが主役とかいう綺麗事、嫌いだった。
いつも真ん中にいるやつが主役なんだ。
私は一生脇役。スポットライトすら当てられない。
一生輝けないんだって、諦めてた。
…でも、違うんだ。
今、主人公になれる方法を見つけた。
それって、主人公が…
いなくなるってことだよね?
まぁでも、今は改心したふりしておこうかな…。
改心しとかないと、主人公にはなれないもんね。
改心してないところは、誰にも見られないようにしないと…。
もちろん、今読んでる、君からも。
---
とりあえず、チャースのインクを取らないと…。消しゴムでこすって消して…
いやダメだ、私達はもう追放された身。べつの文房具の目に写ったら…。消される。
とりあえず、自分の手で少しずつ剥がすしかないか…。
完全に固まってるから、剥がすのは簡単なはず…。
よし、これで顔は剥がせたけど…。
「…ぅ…。シニ、さん…?」
「チャース!目を覚ました?」
「体が…あんまり…動かない…。」
「顔だけ剥がしたからね。これは応急処置のようなものだ。すぐ別の文房具が来るかもしれない。とりあえず、逃げるよ!」
「は、はい…。」
そうして、何分か走った後…。
「突き当り…?」
「シニさん、見てください!上を!」
「上…?」
「ちょっと光が漏れてません…?」
「本当だ、なにあれ…?」
「登ってみましょう!」
「登って…って、まさかあの光に!?」
「今まで気付かなかったってことは、追手の文房具も気付かないはず!」
そうして、私達は光に向かった。
網?のようなものを伝ったり、消しカスを集めて段差を作ったり…
そして、光のもとまでたどり着いたが…
「開かない…。」
「足場もぐらぐらしてるし、早く開けなきゃいけないのに…。」
「はぁ〜課題とか面倒くさすぎる…。」
その時、誰かの声が聞こえてきて、
一気に光が放たれた。
「眩し…」
---
「…?」
目の前には、人がいた。
そう、人。
「…は?え、いやいやなにこれ?マジでなにこれ?ちょ、え?誰!?」
「え、誰って…私は文房具…」
「文房具…?人じゃん。」
「…え?」
「…本当だ、チャース、自分の体よく見なよ。人になってるよ、私達。」
「人になってるってなに???意味わかんないんだけど、なんで筆箱から出てきたの?あ、もしかしてこの世界に順応できるように人間になっちゃったみたいな感じ?マジで意味わかんないけど…。とりあえず寝るわ。」
そして、寝に行った。
「…チャース、どうする?この後…。」
「う、うーん…と、とりあえず、寝てみますか。人の体になったし。」
「いや、その前に、人の体はなにをしないと生きていけないのか、それを見つけないと…。」
「そ、そうですね…。」
そして、私達は朝まで真剣に人間について勉強した。
そして、翌日の朝になると、玄関の前で混乱している人間を見つけた。まあ、とりあえず放っておくか〜って思ってたら、人間が消えてた。
「チャース!?人間消えた!」
「え!?」
「なんか電話した後消えた!」
「…え、怖…。」
「まあ、この家でしばらく暮らす?」
「それしかないですもんね…。」
---
舞台は筆箱の中へと戻る…。
「え、あのシャープペンシル、不合格になったんですか?」
「消しゴムちゃん、そうなのよ〜!でもね、2つ、シャープペンシルが処理されずに逃げ出したみたいなんだって〜」
「へ、へぇ〜…のりさんって、物知りなんですね…?」
「そうでもないけどね。」
「…2つ、ですか…。」
「なんの話してるの?」
「うわっ、修正テープ…。」
「…あれ?のり?ふ〜ん…。消しゴムちゃん、こんなのと話してないで、私と話さない?いっぱい情報持ってるよ?」
「修正テープ、人の話に割り込んでくんな〜!」