このシリーズは、誰もが子供の頃にやった「お馴染みの遊び」をVR空間で最悪の形にアップデートした、【デスゲーム】です。
グロテスクな描写や直接的な暴力は一切ありません。
描かれるのは、VRならではのデータ的なペナルティ、特殊な役職がもたらす極限の疑心暗鬼、そして「さっきまでの味方が敵になる」絶望的な心理戦だけです。
「負ければ消滅(ログアウト)」という極限状態の中、プレイヤーたちが生き残りを賭けて必死に騙し合う、スリリングな物語をお届けします。
続きを読む
閲覧設定
名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
1 /
目次
第一話:悪魔のオリエンテーション
ある日、悪夢は始まった――
「――目を覚ましてください。ログインは完了しています」
頭に響く無機質な電子音声で、僕――ハヤトは意識を取り戻した。
目を開けると、そこは果てしなく広がる真っ白な|仮想現実空間《VR空間》だった。
「ここは……? ログアウトボタンはどこだ!?」
「おい! 現実のスマホも繋がらないぞ!」
周りを見渡すと、僕と同じように困惑し、絶叫するプレイヤーたちが大勢集まっている。
その数、およそ35人。
誰もが自分の意志でVRギアを装着して眠りについた、あるいはいつも通りお気に入りのゲームをプレイしていたはずだった。
西暦204X年、ネットの最深部や特定のバグを踏んだ者だけが強制転送されるという謎の空間――
――都市伝説の『審判の庭(ジャッジメント・ガーデン)』に、僕たちは囚われてしまったのだ。
パチン、と乾いた指パッチンの音が響く。
空間の中央に、黒いシルクハットをかぶった顔のないアバターが忽然と現れた。
「ようこそ、選ばれし迷子たち。これより、VR空間限定の特別イベントを開催いたします。一時間、必死に足掻いてみせなさい。さもなければ、あなたの存在のすべてを|デリート《消滅》します――
申し遅れました、私、今回のゲームの|GM《ゲームマスター》を務めさせていただくものです。」
GMの言葉と同時に、空間の壁面に巨大なホログラムの文字が浮かび上がる。
**『ドロケイ:制限時間 120分』
**
「ルールは簡単、誰もが知る『ドロケイ』です。警察側が泥棒を全員捕まえるか、泥棒側が一人でも一時間逃げ切ればゲームセット。ただし、これは魔改造バージョンです」
GMが杖を振ると、空間に不気味な赤い文字が追加された。
「警察にタッチされた泥棒は、アバターが強制書き換えされ、その場で『警察陣営』へ寝返ります。衣服と瞳が赤く染まった瞬間、システム的に警察となり、泥棒時代の記憶や作戦を持ったまま、今度は元仲間を全力で狩る側に回ってもらうのです」
プレイヤーの間に悲鳴のようなざわめきが広がる。
「そして敗者へのペナルティ。ゲーム終了時に敗北した陣営、および途中で警察に捕まった泥棒は、その場でアバターがポリゴン粒子となって『|消滅《ログアウト》』します。現実のあなたたちがどうなるかは……おっと、これ以上は言えませんね」
「消滅……!? 冗談だろ!」
一人の男が叫び、GMに殴りかかろうとした。
しかし、GMの体に触れる直前、男のアバターはポリゴン粒子となって一瞬でかき消えた。
「ルール説明中の暴言はペナルティ対象です。彼は一足お先に消滅していただきました。
……さて、この必死な泥棒ごっこをさらに盛り上げるため、皆さんには基本陣営とは別に、秘密の【特殊役職】をランダムで一つずつ配布しました。
自分の手元にある端末を確認してください。どんな役職があるか、今から一度だけ説明しますよ」
GMが手をかざすと、空間全体に全9種類の役職ホログラムが展開された。
「まずは逃げる【泥棒陣営】の特殊役職。
最初から警察と繋がっていて泥棒の情報をリークする裏切り者、【スパイ】。
他のプレイヤーにタッチして自分の特殊役職を強制的に押し付ける、【怪盗】。
ミニマップに常に警察の位置が赤点で表示されるナビゲーター、【犬】。
二人一組の運命共同体で、片方が捕まるともう片方も自動的に警察へ寝返る、【不実な恋人】。
ゲーム中一回だけ『〇〇は警察だ』と全体へ嘘の公式アナウンスを流せる、【偽預言者】。
これらが泥棒側に紛れ込んでいます」
プレイヤーたちはお互いの顔を見合わせ、早くも疑心暗鬼の目を向け合う。
誰が味方で、誰が裏切り者か、もう分からない。
「対する【警察陣営】にも特殊な追跡者がいます。
泥棒だけでなく、味方の警察をもフリーズさせて手柄を独り占めしようとする、【サイコ警察】。
開始50分間は完全な泥棒のフリをして仲間を安心させ、残り10分で最強の警察へ強制変身する爆弾、【落とし子】。
そして、エリア中央にある泥棒の逆転要素『リセットボタン』の周囲から動けない代わりに、近づく泥棒を遠距離からフリーズさせる防衛の要、【看守】」
GMの解説が進むたび、空間の空気はどんどん重くなっていく。
「最後に、どちらの陣営でもない孤独な第三陣営、【愉快犯】。
彼らの勝利条件は、一時間の制限時間終了時に『警察と泥棒の人数がぴったり同数』であること。警察が勝っても泥棒が勝っても彼らは消滅するため、裏で必死に人数をコントロールして戦場をかき回すことでしょう」
すべての説明が終わり、僕――ハヤトは震える手で自分の端末を開いた。
そこに浮かんでいた文字は――。
**【基本陣営:泥棒】
【特殊役職:一般泥棒(特殊能力なし)】**
能力なし……!?よりによって一般泥棒だって……!?
なんの武器も持たない一般人の僕は、この化け物じみた特殊役職たちの中で生き残らなければならないのだ。
「それでは、カウントダウンを開始します。裏切りと騙し合いのデスゲームを、どうぞお楽しみください」
GMの嘲笑とともに、真っ白な空間がガラガラと崩れ落ち、不気味なサイバー都市の廃墟へと変貌していく。
空中には、真っ赤なホログラムタイマーが『02:00:00』を刻み、静かに秒読みを始めた。
信じられる味方は、一人もいない。
僕たちの、命がけの1時間が今、幕を開けた。
こんにちは!
S●ratchでデスゲアニメ見るの大好きなKanonLOVEです!
今回はまあ色々書こうと思い、NOVELCAKEでもやったことのないもの――
デスゲームを書いています!
下のURLからキャラ募集しています!
では!
https://tanpen.net/event/14277871-e1e6-4edc-b302-e8b84444485b/
集まらなかったら⋯⋯泣きます(まじ)