昨日までは普通だった
普通だったんだよ?
その普通って一瞬で壊れるね
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目次
僕はみんなと違う、誰も分かりやしない①
僕は中学1年生
名前は茎田 真司(くきだ しんじ)
僕の人生は一瞬で変わった
普通の朝だった
いつも通りお母さんの顔を見て行ってきますって言った
普通に学校に行って友達の顔も見た
先生の顔も見た
みんなの顔を見て
街を見て
空を見て
鳥だって見た
なのに、これが僕にとって最後の景色になるとは思わなかった
「行ってきまーす」
「行ってらしゃい」
はぁ夏休みまでまだまだじゃないか
早く夏休みになって
パーっとしたい
この窮屈な感じから抜け出したいよ
「おい、真司!」
「わぁ、武命(たける)おはよ」
「一緒に行こうぜ」
「うん」
こいつは僕の友達
ゆういつと言ってもいいほど数少ない友達の中の一人だ
すんごい元気なやつだけど
話しかけてくれるからありがたい
じゃないと教室で一人ぼっちになっちゃうからね
飛ばしまして
キーンコーンカーンコーン
「さようなら」
「武命、一緒に帰ろ」
「おう、いいぞ」
そんな他愛のない会話がずっと続くと思ってた
「おい、真司、危ない!!」
「え?」
僕が武命の方を振り返った途端
目の前が真っ暗になった
キキー!
ドガン!
僕はみんなと違う、誰も分かりやしない②
痛い全身が痛い
ここはどこだろう
何も見えない
夢?なのかな
でも、痛いから現実?なのかな
話し声が聞こえる
誰だろ
ん?おか、あ、さん?
泣いてる?
なんでだろ
武命の声も聞こえる
何話してるのかな
よく聞こえない
誰かがこっちに来た
痛い痛い
頭触ってるのは誰だよ
そこで途切れた
「おい、真司、真司」
誰かが泣いてる
武命だ
なんで泣いてるの?
聞いてあげたいけど声が出ない
口を動かそうとするけど動かない
いや、待てよ
動く?
「た、ける?」
「おい、真司、今、今こいつが、話したぞ、おい、真司、生きてんのか?」
泣きながら大声で叫んでる
「た、ける?」
同じことしか言えなかった
「真司、お前、心配したんだぞ」
すごい泣いてる
「おい、医者よべ!!」
ん?医者?
なんでだろ
医者ってことは
ここ病院!?
おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい
待てよ?
僕、何があったんだ?
なんで?
で、なんか医者がなんかダラダラ話してきたけど
ほとんど覚えてない
それで、これがちょうど一週間前の記憶
でも、僕の人生が変わったってことは確かだ
だって僕は
目が見えなくなったんだから