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青色ドレスの透け少女
「ねぇ、お姉さん手伝ってくれない?」
「…はい?」
メーデーメーデー、
足が透けてる女の子に手伝ってと言われた時
あなたはどうしますか?
私の答えは簡単、
逃げます
後ろを振り返らず走り出した私に
女の子は声をかけながら追いかけてくる
「待って待って待ってお姉さん!」
わーおこの子早ーいターボババアの子供ですか?
「待ちたくない待ちたくない!」
必死になって腕と足をフル回転させる
「っわたしの身体!見つけて欲しいの!」
そう叫ばれてピタッと体を止める
「見つける…?」
「そう!わたしの身体、ずっと、探してるの」
「どうゆうこと、地縛霊とかじゃないんでしょ?生き霊とか幽体離脱とかでも無さそうだし…」
「うん、わたしはもう死んでる、でも転生する為には身体をどうにかこの世から浄化してもらえないといけないの」
「浄化って…火葬とかってこと?」
「そう」
「…ちなみに、何年」
「2年、くらい」
つまりこの子は2年の間自分の身体を探してたっこと?2年も経ってればもう白骨化してるんじゃ…
「どんな風になっててもいい…見つけたい」
「…はぁ、いいよ」
「!いいの⁈」
「その代わり、時間は気をつけてね私これでも大学生だから」
「…大学生⁈見えない!」
そう言って口に手を当てた姿を見て少し睨みながら問いかける
「…何歳だと思ってたの」
「社会人、OL」
「お、喧嘩?」
「だってスーツじゃん!」
私は今日就職説明会に行ったばかりで新品のスーツを着ていた
「就活帰りですけどぉ⁈」
「あらま大変ね」
「他人事かい」
「だってもうわたしやることないもの」
「来世で就活苦労しろこの野郎」
「野郎は男だよ」
「このメスガキ」
「もうそれはちょっと違くない?」
「じゃあガキ」
「うん、もういいや…」
この後、そのまま流れで家にいくことになってしまった
「で、名前は?」
「高橋百合音、百合と音でゆりね」
「年齢」
「この状態になったのは12歳」
「その服装のは?」
「…わかんない、多分最期に着てたんだろうね」
百合音が着ていたのは足が見えない程長い明るめの青色のドレス、百合音は綺麗な黒髪と海みたいな青色の目を持っているから似合ってはいる
「…犯人が、着せたかな…まぁで、その状態になる前のこと、教えてよ」
「うん、どこからがいい?」
「えー…思い当たること全部」
「じゃあ、身体があるかもしれない場所っぽい所にきた所から…」
「はい?」
「?」
「いやいやいやいや、候補あるんじゃん!そこいけば見つかりそうじゃん!」
「それがね、わたしこの状態でも壁抜けできる訳じゃないし物触れないの」
「あー鍵かかってるってこと?」
「うん」
「じゃあ案内してくれればわかるくない?」
「…あの人が、生きてるかもしれないから」
「…犯人が?」
「…うん、だから、それも調べてほしくて」
ぎゅっと手を握って俯いた姿を見てつい手を握ってしまう
「…お姉さん?」
「わかった、お姉さんにまかせてよ」
おずおずと顔を上げた顔に対して微笑んで
話をしてもらうことにした
私は11歳の時に
親戚の人のお手伝いに行くことになって
その親戚の人は絵描きさんで
わたしをモデルにしたかったって教えてくれた
アトリエは森の奥
わたしの家の近所にある大きな森の中の奥
ほとんど外の音もしない
なんなら電気もかろうじてしか繋がらないし
携帯も電波がほぼ繋がらない
そんな場所
最初ら辺は椅子に座って
そのままだったりぬいぐるみもったり
果物食べたり本を読んだり
次は窓の近く
そのままで外を眺めたり
光に合わせてポーズを取ったり…色々
そんな風に、たっくさんお手伝いした
それが半年くらい経った頃に変わった
場所がベットになった
服脱がされたり髪を無理矢理切られたり
もっと細くなれって
ご飯抜かれて、外に置いてきぼり
時々のお母さん達が差し入れを持ってきてくれる時はくれた、差し入れのほんと一欠片だけど
それでも嬉しかったし
もう胃が小さくなっててそれだけでお腹いっぱいになれた
最後は何故か大切にされた
わたしの見た目をしたお人形がきて
いつも隣同士だったからちょっとだけ寂しさもなくなったし
綺麗な服ももらえた
この状態になってから知ったけど
それウェディングドレスだったみたい
大切にされた時期の最後は
わたしとお人形が隣同士で寝っ転がった姿
それを書いてる親戚の人の姿しか覚えてない
「だから多分、わたしの身体はそのアトリエの中」
そう話した百合音の顔は悲しさも見えたけど
明確にそうとは言えなかった
「…」
「お姉さん」
「…何?」
「これ聞いても、探してくれる?」
「うん」
「危なくても?」
「探すよ」
「…ほんとに」
「本当に、…そんなに信じれない?」
「ちがう、ただ…」
「そもそも話しかけたのは貴女だけど、了承したのは私、やるよ」
そう話したけど…
「なんでわたしも家にいるの…?」
いま私達は私の家の私の部屋にいます
「あのね、百合音ちゃん」
「うん」
「さすがに深夜に探すのは無理…」
そう、あの話をしていたのは近所の公園のベンチ
しかもその時の時間は夜8時頃
流石に難しい…!
「あー…」
「うん、百合音ちゃんは多分幽霊だから色々大丈夫だったと思うんだけど…私は…」
「捕まっちゃう…」
「そう…」
「でも、お母さんとかは?」
「ママはまだお仕事、夜勤だから」
「お父さんは?」
「バイト〜」
「ご飯とかは」
「お金はあるしちゃんと買ってきたよ…それとも食べる?…あ、というか食べれるの?」
「わかんない」
「うーん、一旦試そうか」
という事でキッチンに行ってレンジでチンしたお弁当を持って部屋に戻る
箸だともしかしたら食べれない時落としてしまったら危ないと思ってスプーンを一緒に持って行く
「はい、ハンバーグ弁当!あーん」
「あ、あー…ん」
差し出したスプーンの上に乗ったハンバーグの一部を百合音ちゃんの口が覆うと退けた時にはスプーンの上から消えていた
「…食べれたね、美味しい?」
「おいしい…」
嬉しそうに微笑んだ姿を見てどこか微笑ましくなる
「というか食べれたって事はさ…風呂とかも…」
「いやいやさすがに着替えれない…」
「いーや願ったらいけるね!ほらバスタオル巻き想像して!」
「えっえっ」
ぎゅっと手を握って願う
するとポンっと気の抜ける音がして目を開けると
百合音ちゃんの衣装がバスタオル巻きの状態になっている、バスタオルになった事で足元が見えるようになって足が透けている事で幽霊な事を再認識してしまう
「えぇ…ほんとにできるんだ」
「…以外とおむねあるね百合音ちゃん」
「え、セクハラ?」
「いやいや健全の目」
「うっそだぁ」
「ほら入ろ」
手には触れられないけれどちゃんと触れているみたいな演技をして引くと百合音ちゃんはついてきてくれてそのまま一緒に洗いっこをする
まぁ…実質フリではあるけど
でもやらないよりはいいかなって思って
お風呂から出たらまた服を変えて
ベットに2人で倒れ込む
「と、言う事で…物さわれましたな?百合音殿」
「まさか意識の問題とは…」
「これで食べれたし触れたし洗えたし着替えれた…あとは寝れるかだね!」
「う、うん…」
ちょっとだけテンションが下がってそうな百合音ちゃんに私は気づかぬまま眠る
「…お姉さん」
わたしは、幽霊
だから眠れない、わかってるよ
食べる事はできた、着替えることも
でもお風呂の時とかお姉さんは本当は無理なのにまるで本当にやってくれているみたいにしてくれて洗えていないはずなのに
物には影響ができる、人には影響がない
つまり物は触れても、人には触れない
たとえ物越しであっても
…本当は小さな望みだけで声かけたらこうなっちゃうなんて
「ありがとう」
わたしが髪を撫でてもお姉さんの髪は風のせいでしか動かなかった
「んー…ゆりねちゃん…?」
起きた時百合音ちゃんは近くにいなかった
今日はたしか…何も予定なかった筈
私が動き始めると百合音ちゃんがキッチンの方から飛んできた
「お姉さん、おはようございます」
「おはよう…どうしたの?」
「少しでもお礼がしたくて」
「何の?」
「色々の」
「…いいんだよ?」
「だって場所はわかってるんですから、あの人の今さえわかればもうすぐ見つけられる筈、ならお礼をするタイミングがないじゃないですか」
「まー…そーね」
百合音ちゃんが持ってきてくれたのはトースト
流石にレシピも何も知らない百合音ちゃんが作れるのはこれくらいだとなんか納得して
トーストを齧る
…あれ
「これ、チョコ挟んでる?」
「あ、うん、パンを半分にして板チョコ挟んでざくざくに焼きました!」
「…ありがとう、美味しい!」
いつも素のトーストにバターを塗ってるだけの私からしたらとっても嬉しくてついすぐ食べてしまう
最後にちょこちょこ飲んで残った牛乳をぐいっと一気飲み
「…っはぁ!」
「すごい飲み方…」
「こんなものこんなもの!」
「へー…」
「いやなんで引いてるのさ〜…ほら、調べるんでしょ?その親戚の人の名前覚えてない?」
「え、えーと…たしか、滝吉じぃさま…」
「…じぃさま…???まってそいつ何歳」
「わたしが覚えてるのは…たしか67…」
「はー…」
「…お、お姉さん…?」
「ジジィロリコンかよくたばれこらぁ!ロリコンショタコンはYESロリショタNoタッチが座右の銘だろ、ふざけんなぁ⁈」
「お姉さん⁈」
「それになんだこら、って事はそいつ幼気な子供に絵のモデルって言って服脱がしたり虐待したりウェディングドレス着せたってこと???は?」
「お姉さん⁈⁈」
「ふー…よし殺すぞ」
「ダメだよ⁈」
「いーやいやいやロリに手を出したロリコンは死すべきこれは世界の当たり前」
「違うよ⁈」
という事でやる気MAXになった私
調べました
…殺意が増しました
それは何故か!
「絵師とかうそじゃねぇかカス野郎…!」
「まさか嘘とは…」
そう、そのじいさん、絵師じゃなくてただの無職、元サラリーマンで自然が好きだっただけのただの無職のくそ!!!しかももう死んでますとか何??
え、地獄で10000000年間反省しろ??拷問でもされてろよこの××××××××野郎…!
「声に出てるよお姉さん…」
「あ、ごめんね」
という事で今私はアトリエの前にいます
え、急展開?
じいさんのクソキモ行動を調べる時間見たい??
いらないよねーはいはいわかってる
「…開けるよ」
「うん」
ぎぃぃと古い木の扉を開くとそこは
埃の匂いと共に腐臭が漂うシンプルな部屋だった
「うっ…」
「お姉さん…」
部屋の真ん中に置かれていた二つの椅子の上には
綺麗なままのウェディングドレスを着た百合音ちゃんの人形と
もう半分腐って白骨化した百合音ちゃんがブルーシートによってドレスを着たような風になっていた
もしこれを死体愛好家とかが見ていたのなら素晴らしいと讃えるのではないか、そう思う程
白骨化しかけながらもまだ整った顔の面影が残っていて髪もボロボロでもまだ少しの艶が残っている、ブルーシートの大きなドレスは今の幽霊体の百合音ちゃんの服ととても似ていた
窓から入る光のせいも相まって美しく見えてしまう
でも私はそれにやっぱり、やっぱり百合音ちゃんは死んでいるんだという確信と長い間放置されたことによる腐臭のせいで気分が悪くなってしまった
百合音ちゃんはゆっくり私に寄り添ってくれた
「…お姉さん、お願い」
そう寂しそうな目をした姿に私は
元々葬儀屋とかを呼ぶ準備はしていた
でもならばこの人形はどうなる?
壊される
それは嫌と思ってしまった
これは百合音ちゃんの最後のお友達だから
ポケットから調べる直前に買っておいたライターを取り出す
カチッと音がなって火がつく
「ごめんね」
せめて一緒に、罪なら私が全てもらうから
たった一日だけでもこんなに情が湧いてしまうなら
もしもっと前から知り合っていたら
もしかしたら一緒に…
2人で燃えていく小屋を見つめる
小屋が崩れたらすぐに周りに被害が行かないように周りの草や木をどうにか火が当たらないようになくす
本当は最初にするべきなのはわかっていたけど
忘れちゃってた…
小屋が燃えた事でできた煙が
お線香のあの煙に見えてそっと手を合わせる
完全に炭になったら残っている火を消していく
「…百合音ちゃん」
「…ごめんなさい、お姉さん」
「謝らないでよ、やったのは私だよ」
「だって、別によかったんですよお姉さんが燃やさなくても…」
「でもあの人形と一緒がよかったでしょ?」
「…、そう、ですけど」
「ならあれが一番いい…ほら、行こ」
「え?」
「あの煙で消防車呼ばれちゃってると思うから、バレないように帰ろ?」
「…はい」
段々と聞こえ始めた消防車の音に掻き消されないような声で百合音ちゃんを呼んで手を引いて走る
家についた、
私達はつくまで手を繋いでお互いに話さなかった
「…お姉さん」
「…なぁに?」
「わたし、もう、成仏、しちゃいます」
「…まぁ、だよね、よかったじゃん」
「だから…最後に名前教えてください」
「…私の?」
「はい、絶対わたし、来世もここに生まれてやります、…だからその時また会いましょ?」
「…ふーん言うねえ、いいよ、約束」
そっと2人で指切りの姿勢をとる
「私、坂井透架、また会いにきてよ百合音ちゃん」
「はい、遠架さん…また会いましょう!」
段々と消え始めた百合音ちゃんが消え終わる前に笑いながら2人で唱える
「指切りげんまん|私《わたし》達はまた会える!会えなかったら針千本!指きった!」
パッと離すと同時に百合音ちゃんの姿が消える
消えた後も私はまだ触れた指を見つめていた
文字数5647文字
【目指している賞】
キャラクター賞ですかね
ガチガチの一万以上文字作品じゃないので少し私にしては浅いキャラしてますが…