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泣いていたあの子は。 ~ 第3話 ~
__路地裏。
煙草と生塵匂いが混じる中、2人の男達が顔を合わせていた。
「、りゅうのすけ…?」
どこか幼さが混じった声が路地裏の響いた。
「りゅうのすけ」と言った青年はフードを被っており、顔がよく見えない。
白髪に赤色の目…今最も騒がれているヴィラン、死柄木弔だった。
そしてその死柄木弔の本名は"志村転弧"である。
「…誰?アンタ」
反対側の男性も死柄木が言ったように龍之介だった。
髪が少し長くなり、悪ガキ感が無くなっていかにも大人というオーラが出まくっている。
口の悪さにも磨きがかかったようだ。
一方死柄木は黙って龍之介を見つめている。
目の前の人間が、あの時の人かどうか見極めるかのように。
「…何もないならもう帰るけど」
去ろうと背を向けると死柄木が口を開いた。
「…アンタ、名前は」
刺すような視線の中に懇願するようななにかが混ざっていた。
少し立ち止まって振り返る。
「…橘龍之介」
死柄木の目が大きく見開かれる。
言葉にならない声が小さく漏れた。
ただ必死に龍之介を見つめている。
龍之介は死柄木が何も発しないのを確認すると再び背を向け歩き出した。
死柄木は止めることをしなかった。
視線だけが龍之介を追い続けている。
その瞳には抑えきれない執着と依存が滲んでいた。
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