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殺し屋ハクの人生
リクエストありがとう!
カツ、カツ、カツ・・・
薄暗い裏路地に、革靴の足音が響く。
男の手には、小型のナイフ。
男が進む先には、スーツ姿の怯える人間がいた。
「た、頼む!見逃してくれ!」
そう言う人間だったが、男は動じない。
「そ、そうだ!金・・・金ならある!どうだ?好きなだけやるよ!」
「・・・・・しが」
男がなにかを呟いた。
「へ・・・?」
「汚い虫が」
「あ・・・ぁあ・・・」
グシャ。
「・・・依頼完了」
そう独り言を言う男のナイフは、赤い液体がべっとりと付いていた。
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「あら、ハクちゃん!もうお仕事終わり?」
「はい。無事依頼完了しました」
「流石ぁ♡カッコイイ~!」
男・・・ハクに話しかけたのは、この裏社会の《《仕事人グループ》》のリーダー、アンナだった。
「じゃあ、依頼人からお駄賃貰ってね!そしたらもう休みなさい♡」
「はい。お疲れ様です」
「お疲れ~」
アンナと別れると、ハクはこのビルの中にある自室へ向かった。
「ふぅ・・・」
ハクの人生は、殺しだけだった。
特に趣味もなく、特技も殺しだけ。好きな物、嫌いな物など存在しない。
ただ、殺した。殺していた。ずっとずっとずっと。
生きるために。
別に死んでもいい。だけど、なんとなく、生きられるのなら生きておこう、そう思った。
親の顔は知らない。捨てられた。捨てられてからは、裏社会にある孤児院にいた。他の子供たちは、泣いていたり、笑っていたりして。
でも、ハクには何もない。なんの感情もない。褒められても、「ウレシイ」という感情はなく、嫌悪もなく、何も感じなかった。
「ウレシイって、なんだろ」
ハクはそう呟いて眠った。
眠くはない。でも、寝ないと明日の仕事に響くからだ。
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ハクの働く会社には、ランキングがあった。殺した人数でランキングが決まる。一位には、多めに収入が入る。だが、ハクには寝床もある。会社の無料の食堂もあるので、買うものは服程度。服は普通の収入で十分買えるので、別に一位でいる理由はなかった。だけど、仕事をしているうちに、気づいたら毎月一位になっていた。ハクには、必要の無い金があまり余った。
そんな時、ハクが仕事を始めてから初めて二位になった。一位になったのは、ずっと二位だった、レオ。いつも明るく話しかけてくれていた。何の感情も湧かないのを知っていながら。
「やっとお前を越せたよ。あーあ、大変だったなぁ」
「抜かせないって思ってたけど、案外頑張れば抜かせるんだな。聞いてる?二位の人♪」
レオはハクに付きまといながらそう煽った。
その時、ハクは体に謎の不快感を覚えた。
「・・・・・?」
「・・・どうしたんだ?」
「・・・なんでもない」
ハクは素っ気なく答えた。
次の月、レオはまた仕事を大量にこなし、ハクを越そうとした。ハクはなんとなく、レオより仕事を請け負った。
今月は、ハクが一位だった。
ハクは、知らない感情を覚えた。
振り向くと、レオが笑っていた。
「お前、そんな顔するんだな」
ハクの心は、少しずつ変わっていった。
うわあああああああああ!!!!!!!ごめんなさい!早めにリクエストの出そうと思ってたんですけど、どうしようかと考えてたり、他の小説考えてる間に時間がどんどん過ぎていきました!
しかも途中でテスト2週間前になるしさぁ・・・・もうやだ!テストなんか燃えちまえ!