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学校一のイケメンがまさか私を好きなんて4
4.親友の悩み ~ side 小雨 ~
椛、莉空、あたし― 小雨の小学校からの仲良しグループで通学路にあるカフェへやってきた。
普通におしゃべりしながら帰るはずだったんだけど。
椛の話は、歩きながら話せることじゃないみたい。
今年、中1になって、椛だけクラスが別れちゃったから、心配はしていたものの、何があったんだろう?
(親友の悩みだもの。いつでも聞くからね!)
「椛、話してくれる?ウチら親友だもん、悩みごとなんていつでも聞くよ!」
あたしの心の声とほとんど変わらないことを莉空が言っていて、思わず吹き出しそうになるのをグッとこらえる。ここで笑うのは、違うものね。
「そうだよ、椛。困ってるなら、言ってよ」
「実は・・・」
椛は、今日あったことをすべて話してくれた。
自己紹介の時、イケメンくんに笑顔を向けられ、女子から睨まれてしまった事。
それが理由でクラスの中で孤立してしまった事。
イケメン ―― 夕霧廉くんと同じ運動委員会になった事。
そんなことがあって、友達作りどころではなかったこと、など・・・・・・。
「初日から、前途多難だね~。イケメンは、女子トラブルの元なんだから!罪なソンザイよね」
少女マンガ好きの莉空はよくわからない感想をこぼし、
「夕霧廉・・・夕霧廉・・・・・・?」
一方のあたしは、そのイケメンくんの名前を繰り返していた。
(どこかで、聞いたことがあるような・・・)
椛のことを知っていたなら、なおさら。どこかで会ったことがあるのかもしれない――・・・。
あたしと椛は幼稚園から一緒の幼なじみ。莉空は小学校からだから、知らないのかも・・・。
「小雨?」
「ん?」
「ううん。何か、つぶやいてたから・・・」
そう言う椛に、「なんでもない!」と笑顔。
「そう?ならいいんだ」
椛はまだどこか納得いっていない様子だった。
あたしだって、モヤモヤしている。
我関せずと、莉空はう~んとうなって、
「夕霧くんは悪意があるわけじゃないから、彼のせいではないよね?でも、相手のイケメンは椛のこと認識してる?それで椛も彼を意識しちゃって・・・きゃ~!おもしろい!!マンガじゃん!!」
一気にテンションが急上昇だ。
「莉空、落ち着いて?椛困っちゃう」
「う・・・ごめん!椛。浮かれちゃって…」
莉空はしゅんとしてすぐに謝っている。
「いいよ、大丈夫。私は別に、夕霧くんを気にはしてないけどね・・・?」
にこっと笑いかけ、「でも」と椛は続ける。
「なんで夕霧くんは私のこと知ってたのかな?全然記憶にないんだよ」
それがまた、少女マンガっぽくて莉空にはいいんだと思う・・・。
苦笑で莉空の口をしっかりふさぐ!
「あんふぇ!?(なんで!?)」
「あんた、またテンション上がっちゃうでしょ」
「うう・・・しょのひょおりかお・・・(その通りかも・・・)」
莉空はうなだれて、黙っている。
「小学校は違うよね?」
「うん。違った」
あたしらの学校は人数が少ないから、全員の顔と名前は知ってる。同小なら分かるはずなんだ。
「幼稚園、保育園?覚えてないよ・・・」
椛が、途方に暮れた顔でつぶやく。
「それは、そうだよ」と、先ほど口を解放した莉空が話にのってきた。
「小学校でさえ危ういのに、それ以上前なんて思い出せん!ウチは幼稚園とか違ったけどさ~気にしないで居よう?」
さすが、明るくてサバサバした莉空。そうだよね。もっと考えてもぐるぐるとループするだけ!
「ね、悩んでも仕方ない!椛、気にしないで!あたしと莉空がいるから!!」
「うんっうちらがいるから怖くない☆」
バチッとウィンクを決めてお冷を飲み干した莉空は椛の腕を取って組むと、
「帰ろ!」
笑顔で言った。
「うん………!莉空、小雨、ありがとう~~」
椛も元気を取りもどし、そこからはいつものおしゃべりだった。
(夕霧廉。一体何者?)
あたしの胸には、魚の小骨がのどに引っかかっているような、ちくちくした痛みが残った。