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青春を探す旅『第五話』
夕食の時間になった。今日はお父様がいらっしゃらないから小さい方の食堂に集まるの。お姉様とお兄様もいらっしゃるはずだわ。
「お姉様!次は何して遊ぶ!?」
「百合奈。そろそろ食堂に行きましょう。」
「えっ?もうそんな時間なの!?はぁーい!」
百合奈は時間を気にしていなかったようだ。百合奈は急いで身嗜みを整えて部屋を出た。
「百合奈お嬢様。そんなにお急ぎになられなくても。」
「あー!星羅!」
星羅は大星の姉だ。私の記憶だと、私が8歳の時には仕えてくれていたと思う。
「あれっ?お母様達まだいないよ?」
「百合奈が走ったからでしょ。ゆっくり待ちましょう。」
「はぁーい!」
わたくしたちはしばらく椅子に座って雑談をした。
「あら、百合奈、牡丹。はやいわね。ゴホッ。」
「うん!ゆり、急いできたのよ!」
「走ったじゃない。」
わたくしが軽くツッコミを入れる。
「百合奈。走るのは良くないわよ。走るなら庭で走りなさい。ゴホゴホッ。」
「椿。大丈夫?」
「お兄様!何かいいことがあったの!?嬉しそうな顔してるよ!」
たしかに、お兄様は嬉しそうな顔をしている。ちょっと前まで期末テストの勉強に必死だったが。
「ああ。実は、麻歩から手紙が来てね。今度、こっちに来るらしい。」
「まあ。よかったじゃないの。ゴホッ。」
麻歩さんは、お兄様の初恋の人だ。とにかく良い人で、わたくしたちにも優しくしてくださっていた。私から見たらお兄様とお似合いなのだけれど。
「あら、遅くなりました。食事にしましょう。加奈子。頼んだわ。」
「承知しました。」
メイド長らしい貫禄があるのだよね。加奈子には。
「わぁ〜!今日はいつもに増して豪華〜!何かあったっけ?」
「……百合奈。忘れているの?今日、執事長の誕生日よ?ゴホッ。」
「あーっ!忘れてたっ!執事長!おめでと〜!」
「お嬢様にお祝いいただけるなど………光栄でございます」
執事長の誕生日はわたくしは覚えていて、もうプレゼントも渡したわ。椿お姉様は今日は調子が悪いみたいね。良い時は一日に一回も咳をしないの。
「いただきまーすっ!」
百合奈がフォークを持ち、食べ始めた。それに続いてわたくしもフォークを持つ。美味しい。加奈子、張り切ったわね。
「ご馳走様。ゴホッ。ゴホゴホッ。」
お姉様早いなぁ。すぐに図書室に行くのだと思う。外に出たら良くなるかもしれないのに。図書室は掃除は毎日しているとはいえ、換気が少ないし、遮光カーテンがついていて日光が入らないから。
「ごちそうさまでした。私は部屋に戻る。麻歩に返事を書きたいからな。」
「えーっ。お兄様。遊んでよー!」
「私は忙しい。牡丹に遊んでもらいなさい。」
押し付けられた………わたくしは百合奈のせいで宿題が出来ていないのだけど…百合奈を放置するのも可哀想よね。
「やったー!牡丹お姉様!遊びましょっ!」
「え、ええ…」
わたくしはそのあと夜8時まで遊びに付き合わされた………
うーん、喉が痛いなー。関係ないですわよね。