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第八話 残された笛
**第八話 残された笛**
翌日。
朝から雨だった。
しとしとと静かな雨。
🐰「雨だねぇ」
窓を眺めながらきなこが呟く。
⛄️「外行けないなぁ」
🦍「暇だ!」
🍌「朝からそれか」
🍆「元気だねぇ」
🐷「うるさい」
いつもの光景。
だけど。
全員の頭の片隅には、
"あの少年"のことが残っていた。
**昼ごろ**
🍆「そういえば」
ぼんさんが本を閉じる。
🍆「橋の落書きの近くに古い小屋があったよね」
🐰「あった」
🍌「昔使われてた見張り小屋か」
🍆「何か残ってるかもしれない」
その一言で、
みんなの視線が集まった。
雨が弱くなった頃。
六人は例の橋へ向かった。
橋の先。
草木に囲まれた小さな小屋。
かなり古い。
今にも崩れそうだ。
🦍「入って大丈夫?」
🐷「大丈夫じゃなくても入るんだろ」
🦍「うん!」
即答だった。
ギィ......
扉を開く。
薄暗い。
埃だらけ。
しばらく人が来た様子はない。
⛄️「なんにもないね」
🍌「そう簡単には見つからん」
六人は手分けして中を探し始めた。
**その時**
🐰「ん?」
棚の奥。
何かが落ちている。
小さな木箱だった。
かなり古びている。
🍆「開けてみる?」
🐰「うん」
蓋を開ける。
中には一本の笛が入っていた。
木で作られた小さな笛。
長い年月を感じる。
🦍「笛?」
⛄️「誰のだろ」
誰も分からない。
そのはずだった。
だが。
🐰「......」
きなこの手が止まる。
見た瞬間。
胸が締め付けられた。
知らない。
でも。
知っている。
そんな感覚。
🐰「これ......」
声が震える。
🍆「きなこ?」
🐰「どこかで......」
頭の奥で、
何かが引っ掛かる。
フラッシュバック。
青空。
草原。
誰かが笑っている。
笛の音。
楽しそうな声。
けれど。
顔だけが見えない。
そこで映像は途切れた。
🐰「っ......!」
思わず笛を落としそうになる。
🍌「大丈夫か」
🐰「うん......」
大丈夫じゃなかった。
確実に何かを思い出しかけていた。
**その時**
🐷「待て」
MENが鋭く声を上げる。
全員が振り返る。
🐷「気配だ」
空気が変わる。
さっきまで誰もいなかった。
なのに。
今はいる。
近くに。
確実に。
🍌「外だ」
おんりーが窓を見る。
森の向こう。
木々の間。
黒いローブが見えた。
ほんの一瞬。
こちらを見ている。
そして。
目が合った。
🦍「あいつ!」
ドズルが飛び出そうとする。
だが。
黒ローブの男は動かなかった。
ただ静かに、
きなこの持つ笛を見つめていた。
まるで。
懐かしいものを見るように。
風が吹く。
雨粒が舞う。
そして。
男は小さく呟いた。
「まだ持っていたのか」
その声は小さく。
誰にも聞こえないはずだった。
なのに。
🐰「......え?」
きなこだけは聞いた気がした。
**次の瞬間**
男の姿は消えていた。
🍌「逃げたか」
🐷「違う」
MENが目を細める。
🐷「最初から戦う気がない」
確かに妙だった。
今まで何度も現れたのに。
一度も本気で襲ってこない。
まるで。
何かを待っているように。
**帰り道**
きなこは笛を見つめていた。
古びた木の笛。
小さくて。
ありふれたもの。
なのに。
胸が痛む。
懐かしい。
そして。
どこか悲しい。
雨の止んだ空を見上げながら、
きなこは分からない記憶の欠片を追い続けていた。