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第二依頼:空白
朝日が肌を優しく撫でる。私は、今までこれほど落ち着いたことはない。昨日は…散々だった。本当に。
いきなり目覚めて、運送会社に入れられて、トラックに乗って、怪物と対峙して、変な老人が出て…意味がわからなかった。しかし、こうもしていられない。今日は、入社2日目にしてやっと本社へ行けるのだ。その前に、食パンをトースターに入れる。
*ガシャン*
昔のアニメとかは、パンが吹き飛んでいたな。そう思いつつ、お前を殺してやるという眼差しでトーストを喰らう。あの引き出しの中には、日記帳があった。
*何も書かれたことのない、空白で満たされたページを開く。シャーペンから芯を出せば、インクで文字を書ける。そんなことさえも、到底あの時の私には基準を遥かに上回っていたのだろう。唯一、当たり前を知らなかったんだから、基準は当たり前を下回る。あのままだったら、私は白い死神達に人生を吸い尽くされていただろう。*勝手に手が動いていた。頭が異常に回った。熱が出そうだった。それでも、止めなかった。
*嗚呼、彼らの被害は還元だとわからぬ愚かな者達は、私をただの*
ゴ
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本社
入ると先に感じたのは、鼻腔に通る凄まじい冷気だった。ちょうど、あの部屋もこんな感じの空気が流れていた。
*おもいだせ*
頭に文字が刻まれる。なんなんだ、一体。私はどうかしてしまったのか?
「元気出せよ、青いぞ。」頭を上げると、陽堕がいた。
キ「ああ、少し考え事をしてしまって。」陽「お前、`上司`に呼ばれてんだろ?早く行きな。」キ「ああはい。」
上司なんていた覚え無いし、そもそも上司の居場所がわからない。それでも、足は止まらない。
止まない。
*つづいてゆく。*
終わらない。
*おまえが*
段々と、
*おまえだけが*
足が
*つくれるもの。*
ふ*る*え*る*
ガチャ。ドアが閉まり、部屋には頭が球体で、真っ黒なモノがいた。私はどこかそれに懐かしみを覚えつつ、話しかける。
キ「あなたが…上司ですか?」黒「オマエ ソウトウ オモイ ナ?」キ「えっと…はい?」
機械のような生気の無い音声が聞こえる。
黒「SiN ジョウダンハ ヒカエタ ヨカッタカ?」キ「sinってなんですか?」黒「[対象を調査しています]」黒い球体の頭と思しき部分に、字が浮く。
黒「起動 ワタシ ハ アナタ ノ ジョウシ カ」キ「えっと…そうです」黒「[メモリー再起動]ワタシ ハ エライ モノ ヨリ オマエ ニ ツタエル コト ガアッタ」キ「そうなんですね、お話しください」黒「アナタ ヒトリ バケモノ?」キ「私はバケモノでは無いです」黒「チガウ アナタ バケモノ ヒトリデ?」キ「えっ…1人でやりましたけど」黒「オマエ ツヨイ ケド シンジン キジュン ノ バアイ ダカラ オマエ テツダウ イル」キ「助っ人が必要っていうことですか?」黒「スケット ノ チ“ケット” オマエ ウマ ガ アウ」
案外…愉快なのかこいつは…
黒「ソイツ イマ キテル ミダシナミ レイギ イラナイ ソイツ シツレイ ヒジョウ ニ ヒ“ジョウ”」
ガン!
扉が大きな音を立てて、壁に叩きつけられる。
「私のことをソイツって言うのやめてくれないか?ヒト。」黒「ワタシ ヒト イウノ カマワナイ キツネ オマエ ナマエ オモシロイナ オマエ モ ワタシ ヒト ヨベ」キ「えっと…この人誰なんですか?ヒトさん」ヒト「ソイツハエゲツナイクソヤロウデセイカクワルイク」キ「ちょっとあなたが説明するのはやめときます。誰かさん教えてください。」「私は|南帯《なんたい》 |具目《めだま》だよ。お前は?」キ「キツネって呼んでください」
メダマは、昨日見たあの若人に酷似していた。
キ「あの…あなた昨日会いました?」メ「そうかもな。会った気がする。」キ「えっと、ヒトさん何すればいいんでしょうか?」ヒト「オマエ フタリ コワクナイ カ?」キ&メ「?」ヒト「キツネ バケモノ フタリ デ コワクナイ カ?」キ「怖くないですね」ヒト「ナラ イイ オマエ ノ トラック ニ ソコ ノ メヤニ ヤロウ ト モドレ アタマ ニ モジ」
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キ「メダマさん…あの人…ヒト…あのヒト何なんですか?」メ「あいつは運送会社の地雷だ。ジョーク披露した時に悪口言ったりしたら殺s」キ「性格とかじゃなくて、ヒトさんはなんであんな喋り方とかなんですか?」メ「…少し、話が長くなる。第二依頼を受注してからだ。」
ハンドルを握る。
*依頼。無いものを満たせ。*
キ&メ「は?」