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君が最後に遺した涙(宝石)は、あまりにも暖かくて美しかった
登場人物
今回は、お話に登場するキャラにインタビューしてきたよ!
ぜひ、みてみてね!
・朝比奈日向(あさひなひなた)
年齢は?→15歳!
誕生日は?→8月2日!
家族構成は?→父さんと妹!母さんは、涙石病で植物状態になっちって、死んじゃった…
みんなのイメージは?→ 一ノ瀬さんは、冷たいけど優しそう!優衣は可愛い系だけど、たまにしつこい。蓮は大事な親友!
・一ノ瀬薫(いちのせかおる)
年齢は?→…15だけど?
誕生日は?→4月24日
家族構成は?→…言わなきゃダメ?どっちも亡くなってるけど?
みんなへのイメージ→ 朝比奈は、しつこくてめんどくさいバカ。浅香はなんか腹黒そうだよね。柊は喋んないもん。
・浅香優衣(あさかゆい)
年齢は?→14歳だよー!
誕生日は?→3月14日なの!ホワイトデーなんだっ!
家族構成は?→お父さん、お母さん、未来の旦那さん♡
みんなへのイメージ→ ひ♡み♡つ
・柊 蓮
年齢は?→15歳です
誕生日は?→5月30日
家族構成は?→お母さん、お父さん、お兄さんです。お兄さんはもう大学生で家を出てるんだ!
みんなへのイメージ→ 日向は、大切な幼馴染。一ノ瀬さんは喋んないなぁ…ゆ、優衣は秘密!
僕の隣の席の、一ノ瀬薫さんは氷のように冷たくて、宝石のように美しい。
中学卒業まであと3ヶ月…
僕、朝比奈日向は如月ヶ丘学園3年5組に所属している。
でも、その所属も残り三ヶ月という短さだ。
肌寒いこの季節、今日から3学期に入る。
3学期の初日、みんなが楽しみにしている一学期に一回の席替えをした。
…卒業までの三ヶ月を隣で共に過ごすのは、学校一の美少女・一ノ瀬薫さんだった。
(…はぁ。話したことないし、気まずいなぁ…でも僕はっ!ぼくならばっ!)
「…よろしく!一ノ瀬さん!」
頑張って明るい声で、元気な笑顔で話しかけた。
けど、帰ってきた返事は
「…よろしく」
それだけ。
(ガーン!僕の完全敗北!さすが、「`氷の棘`」だな)
そう。一ノ瀬さんはとっても美しいし、美少女だけど性格は冷たいんだ。
誰が話しかけても、もちろん先生にだって冷たい。
心なしか、暖かさも感じられない。
まるで、そのまま凍る宝石の彫刻のようだ。
だから、笑ったところも見たことがない。
(席替えガチャは当たりなのでしょうか…)
考え込むけれど、一度やめた。
なんでかって?疲れるから!考えるっていうのは疲れるんだよー!
ちなみに、3年5組は受験前の空気でギスギスしている。
楽しい雰囲気は一つもない。
こういう雰囲気、実は…っていうほどじゃないかもだけど普通に苦手。
(一ノ瀬さん、こういう雰囲気も得意なんだろうなぁ)
僕は、チラッと横を見る。
そこには、みたことないくらい美しい横顔があった。
窓側の席の彼女は、太陽の光が当たってキラキラして見える。
…まるで絵画だ。
うん。売ってても違和感ないや。
(僕、日向って名前なのに僕より`日向`してるじゃん…)
その時、ふとお母さんの言葉を思い出した。
「日向って名前をつけた意味はね、ひなたみたいに暖かい子に育ちますようにって意味なの。…私はダメだったから。」
そう。お母さんは、暖かく生きられなかった。
なぜならば、涙石病になり植物状態に陥った挙句、冷たい宝石のように死んでしまったから。
お母さんの願う、温かい生活は涙を流して願えば願うほど叶わなくなる。
最初は、お母さんだって元気だった。
でも、みるみるうちに体温は下がり、元気もなくなっていき、…まるで磨かれなくなった宝石のようだ。
涙石病って、なる人すごく少ないんだって。
だから、ポジティブなお母さんは「ほかの人がなんなくてよかった」って言ってたけど、大切な人がなるって辛いし、嫌だ。
(…こんなこと考えてる日向さんじゃありませんっ!)
僕は、さっきまでの暗い考えを全力で頭の中から追い出し、一ノ瀬さんの方を向く。
手に持っている本はなんだろうか。太陽の光に反射して見えないが…
多分、分厚いから医者の本とかかな?
その光の反射のおかげで、またまたあんなに冷たくて、「氷の棘」と言われている美少女・一ノ瀬薫さんが太陽のように見えるからまぁ、許してあげようじゃないか。
ジロジロとみていたのが一ノ瀬さんにバレ、不機嫌味に「なに?」と言われてしまった。
(もう、太陽の一ノ瀬さんから氷の棘の一ノ瀬さんになってしまった…)
そう思いながらも、僕は一ノ瀬さんの言葉に答える。
「一ノ瀬さん、何読んでるのかなーって。仲良くなりたいからさ!最後の三ヶ月くらい、楽しもうよ!笑おうよ!そんで卒業式にはたっぷり泣こう!」
勢いに任せてそう言っちゃったけど、ぜーんぶ本心!
あの一ノ瀬さんが泣くところ、笑うところ、ちょっとみてみたいなぁ…
宝石のように美しくて優雅なんだろうな。
見当つくよ!
そう自信満々に一ノ瀬さんを見ると、一ノ瀬さんは顔を顰めていた。
「…え?なんか僕気に触ること言った!?ごめん!」
慌てて謝ると、一ノ瀬さんはため息をついて言った。
「…はぁ。バカらしい。ごめんだけど、笑うつもりも卒業式で泣くつもりもない。」
…ヒューヒューと冷たい風が教室に吹いた気がした。
逆にこんなあっさり言われると傷つくな…
でも、どうしてもあの…あの、一ノ瀬さんの笑ってる顔と泣いてる顔を見たーーーい!
…ならば、僕が笑わせればいいじゃないか!
たっくさん思い出作れば、きっと卒業式でも泣いてくれるよ!
泣いてる姿、宝石みたいに綺麗だって未来が見えてきた…。ふふっ!
「ふっふっふっ!」
思わず、笑いが込み上げてきてしまい声が出る。
「…変な人」
グサァァ…今めっちゃ急所突いてきたでしょ!
自然と哀れみの目がすごいよぉぉ
「…うぅ。一回落ち着こ……よし!聞いて驚け一ノ瀬さん!」
「切り替え早いね。驚かないと思うけど何?」
「そこは気にするな!」
自信満々に、カッコつけて言ったのに、ツッコミで台無しじゃないか!
もぉー!
まぁ、言ってやろう!
この秘伝(ではないけど)の作戦を!!!
「卒業までに一ノ瀬さんを笑わせるっ!」
一ノ瀬さんは、唖然としている。
まぁ、無理もない。こんな天才的な案を言われてしまったら…
「しょーもな」
…やはり、一ノ瀬さんの一言は辛いですね。
でも宣言してやった!本人の目の前で!
あの氷の棘を絶対に溶かして、宝石のように綺麗な笑顔をさらけ出してやるんだ!
一月
ピピピピッピピピピッピピピピッ!
アラーム…ここか。
ふぁ。うーん。と
次の日、空は快晴だった。それを見るだけで、今日はいい日になると確信した!
アラームを止め、カーディガンを着て一階に降りた。
「おにいはぁんおほいー!」
「こらこら。口に食べ物を入れた状態で喋るな。おはよう。日向。」
父さんと、妹の小日向がリビングで朝ごはんを食べている。
「…小日向早いね。」
僕がそう言うと、小日向は口に入ってた食べ物を飲み込み、食器を持ち席から立ち上がる。
「今日振替休日でお友達と遊ぶんだー♪あ、LINEで詳細確認しないとっ!」
小日向は、小6でありもうスマホを持っている。
僕の時は、中2だよ!?
今の小学生怖いよ…もう恋人いんでしょ…
恋人じゃなくて、カレカノとか彼氏、彼女って言うんだよね…
ずるい!いいなぁ…
…待てよ?LINE?
「…今日の目標決めたっ!」
「ご飯食べろー!」
目標決めて、ハイテンションになったから注意されちゃった。
でも、目標決まったからいいんだー!
待ってろ!一ノ瀬さん!
と、その前に!
「 んんー!今日のパンもうまい!」
腹が減っては戦はできぬって言うもんね!
食べて、別に害はないのだ!じゃあ食べろ!食べまくれーーー!
洗面は、久しぶりに小日向に譲ってもらえたからすぐに終わった。
いつも、すぐ貸してくれたら遅刻減るのになぁ…!
前髪一センチがなんだ!男は別に、性格と見た目少しが良ければいいんだ!
僕は、時計を見てスクールバッグを持ち家を出た。
「行ってきまーす!」
「「行ってらっしゃいー!」」
うん!これは毎日ちゃんと言わなくちゃ!
いつ言えなくなるかわかんないしね!
…母さんに最後言ったのいつだっけ
不意に、そう頭によぎったが集合時間に遅れたくはないので忘れることにした。
集合場所に、今日は一番乗りだ!
「蓮も、優衣も、何してんだよー♪」
一番乗り〜!一番乗り〜!僕が1番〜!
いつもは、二、三番目くらい僕と優衣がきてほぼ毎回一番早いのが蓮だから勝てるのめっちゃ嬉しい!
蓮と、優衣は僕の幼馴染だ。
結構仲良く頑張ってるんだけど、多分優衣は…蓮のことが好きなんじゃないか!?と思っている。
蓮も、多分優衣のことが好きだから両思いか!
と勝手に信じている。
僕、お邪魔虫ですかね…と何度思ったことか…
「おはよう。日向」
そのとき、聞き心地の良い声が聞こえた。
蓮だ!
「おっはー!蓮。今日は、蓮に勝っちゃったぜー?」
「早いね。小日向ちゃんが振替休日で洗面が使えたのかな?」
「なんで分かんの!?こわっ!!」
蓮は、推理小説が好きだ。
だからかは知らないけど、度々怖いくらいに当ててくるし、怖いくらいに変なことを言う。
けど、顔自体は良くてイケメン爆発しろぉぉぉぉーーー!って感じだ。
「それにしても、優衣はおせぇな」
僕が周りを見渡しても、優衣の面影さえ見えないしいつもの香水の匂いもしない。
犬みたいに鼻がいい僕でわかんないんだからいないんだろう
「女の子には時間がかかるんだよ。きっと、好きな子のために、髪を作ったりね…」
そう言う蓮の表情は曇り気味だ。こんなにも天気は晴れているのに、蓮の顔が曇ったらもったいない!
「そう!だから、優衣のことが好きなら優衣が好き♡って思えるような男になろう!まずは笑顔をお勧めする!恋愛経験ゼロだけど!」
僕がそう蓮の肩に手を置くと、蓮は戸惑いながらも笑ってくれた。
「…ふふっ。勝ち目はないかもだけど近づくのは確かにいいかもね。」
勝ち目がない…?えっ!?優衣は絶対蓮のこと好きだろ!馬鹿なのか!?でも蓮は頭いいし、バカって言ってごめん!
そんなふうにあたふたしてると、噂のご本人!浅香優衣が登場!
「ごめ〜ん!待った〜?」
モモンガ走りでこちらに向かってきている…
待った〜?とか言う割には前髪を気にして全然走ろうとしてない。
気にしないけど、矛盾してないかな…。
「ゆ、優衣!待ってないよ。ね、日向」
蓮に話題を出され、なんの話題かも知らずに「う、うん!」と答えてしまった。
聞いていなかった僕が悪い。うん。認めるわ。
「ちょっと〜!日向ったら聞きなよっ!じゃあ学校行くよ〜!」
優衣が僕のことをポンポンと優しく叩き、またもやモモンガ走りで学校に向かって行く。
「…優衣可愛い」
蓮がそう言ったのを聞き逃さなかった。
(両思いはいいですね。)
そのまま学校に着くと、蓮と優衣と別れた。
蓮は、美化委員。優衣は、代表委員で朝仕事があるからだ。
僕は、図書委員なので暇人ですっ!
あ、勘違いしないでほしいんだけど忙しい時は忙しいからねっ?
教室に入り、男友達の何人かと挨拶をし自分の席に座る。
隣には、今日も信じられないくらい美しい、一ノ瀬さんがいた。
では、ミッションスタート!
第一関門!挨拶!
「一ノ瀬さん、おはよっ!」
僕が、挨拶をすると一ノ瀬さんはこっちをチラリとみた後に、本にまた目を移し、言った。
「…おはよ」
第一関門突破だーーーー!挨拶、返してくれたっ!
これだけで、結構嬉しい!
第二関門!LINE交換してみよう!
「ねぇねぇ、LINE交換しない?」
…どうだ?どうだ?ドキドキするぅ…!!!!
「…は?なに急に。馬鹿らし。」
そう言い、一ノ瀬さんは冷たい目線を送ってくる。
トゲがグサグサと刺さってきて、僕の心はズタボロだ…
(氷の棘って人にも送ることができんのかよっ!!)
一ノ瀬さんは、スマホを少し触りながらソワソワしているけれど…
(うわぁ…失敗かな。でも、一ノ瀬さんってツンデレっぽい!けどぉお…)
そう、思っていた。
その時、絶望した僕の目の前に、一ノ瀬さんがさっき触っていたスマホを突き出した。
「…ふぇっ?」
僕は、目をぱちくりした。
(ま、まさかぁ…まさかのまさかっ!?)
「…LINE交換くらいならいいよ。早く読み込んで。10、9、8…」
第三関門突破!っと言いたいところだけど…カウントを始めているから早くQRコードを読み込まないとっ!
「3、2、1…0」
「はいっ!交換できたっっ!やったー!」
一ノ瀬さんがカウントを終えたと同時に、僕もライン交換が完了した!
一ノ瀬さんってばやっぱりツンデレ〜!
でも、そう揶揄ったらライン消されそうだから言わないでおこう…
僕の心がお祭り騒ぎで、顔がほころんでいると一ノ瀬さんは
「こんなんで、なんで喜べんの…?」
と困惑していた。
「友達と交換できるって幸せじゃん!」
僕が、笑顔を向けると一ノ瀬さんは少し顔を赤らめた後…
「友達じゃないっ!」
とそっぽを向いてしまった。
「エェー!?」
びっくりして、落ち込んでいる僕には一ノ瀬さんの耳が真っ赤なのを全く気づいてきませんでした。
その頃は、まだ幸せだった。
LINEを交換した日から、僕と一ノ瀬さんの距離はグググっと近づいた。
たまに、ふふッと笑う姿も見れてとっても嬉しいし、ドキドキする。
…なんでだろう。一ノ瀬さんと話していると心がポカポカしてつい顔が赤くなってしまってる気がする。
ゲーセンとか行ったり、カラオケとかも行った。
一ノ瀬さんは、そう言う遊びも友達(じゃないんだっけ…)とやったことがなかったらしくて初めてを僕と過ごしたんだって!
…初めてが僕かぁ。
なんか、嬉しいっ!ふふふっ!
そんなある日。
雨が降っていて、気分はダダ下がり。
「蓮〜!天気予報見たー?僕みてなくてさぁ…晴れるかわかんないから!」
「…見たけど晴れないって。なんなら、明日も雨。明後日に晴れるんだって。」
そう言われて僕はがっかりした。
「晴れがよかったー!晴れろー!晴れろー!」
そう、いつものように茶番をしていた。
でもそこには、優衣の姿がなかった。
今日は優衣が遅れてくるらしい。
雨だからメイク落ちるー!とか、前髪崩れるー!とかだからかな…
でも、
「…優衣最近元気なかったけど、大丈夫かな。」
僕が心配すると、蓮は少しキレ気味に「…分かんない。」と言い、先に行ってしまった。
蓮も最近、ピリピリしている。僕に冷たい。
優衣は度々、僕にお昼ご飯を誘ってきた。
でも、僕は一ノ瀬さんを笑わせるために、楽しませるために一緒に食べたくて断っていた。
それが嫌だったのかなぁ…
学校に着いてからも、気分は上がらなかった。
蓮のこと、優衣のこと。
それをまぎわらせるために、一ノ瀬さんとたくさん話した。
僕が話しかけて、冷たく返される。
いつも通りって言えば、そうなんだろうけど…
僕は、全然話に集中できなくて授業中何度も注意された。
一ノ瀬さんも何回も、「…大丈夫?」と心配してくれた。
その度に、「大丈夫」と言っていたけど流石に疲れた…。
お昼休みの時間になると、僕は少し、机に突っ伏した。
(…眠い。集中できないよ)
それから、数分の眠りに落ちた。
眠りから覚めた後、僕は隣の席の一ノ瀬さんに話しかけた。
「一ノ瀬さーん、お昼ご飯食べよっ!」
でもそこに、一ノ瀬さんの姿がなかった。
「…一ノ瀬さんどこ行ったか知ってる?」
近くの友達に聞くと、友達は言った。
「あぁ…隣のクラスの浅香に呼ばれてどっか行ったぞ。」
…優衣に?と言うか、優衣来たんだ。良かった…
隣のクラスの男子にお礼を言って、すぐに教室を出た。
嫌な胸騒ぎがしたんだ。
今までの、関係が壊れるかのような…
side薫
私はお昼休み、朝比奈の幼馴染の浅香に呼び出されていた。
裏庭に呼び出されたので、雨があたって寒い。
早く帰れないかなぁ…って思ったけど、浅香のあの顔を見て無理だなと確信した。
私を、すごく憎んでいるような目を向けている。
「…なに?」
てか何気に初めて喋るんだけど。
浅香に私が言うと、浅香は少しニッコリして淡々と言った。
「日向から離れて。日向は私の。」
…朝比奈?私、べったりくっついてるかな。
でも、浅香の声からは憎しみ、痛み、殺気が漏れていた。
ちょっと怖いな。
私は浅香に言う。
「別に、私朝比奈のこと好きじゃないよ?」
言ってて、心が痛くなった。
…本当に好きではないけど。
その時、ガンッと頭に衝撃が来た。
「っ!」
浅香に胸ぐらを掴まれて壁に押しつけられた。
「何が好きじゃないよっ!私はずっとっずと好きなのにっ!大好きなのにっ!なんでなんであんたなのよっ!」
その言葉を聞いたとき、胸が苦しくなった。
確かに、ずっと好きな人に何にも知らない奴が入ってきたらイラつく。
…やばい。涙が出そう。
そのときだった。
日向side
「一ノ瀬さんっ!」「優衣っ!」
一ノ瀬さんと優衣との喧嘩に僕と、蓮が間に入る。
…優衣は僕のことが好きだったのか。ずっと蓮だと思ってた。
心が痛い。辛い。
「…朝比奈」「日向っ!」
優衣と一ノ瀬さんが同時に叫ぶ。
優衣の手から一ノ瀬さんの服が離れる。
蓮は、少し顔を歪める。
それは、そうだよね。だって、好きな優衣が自分に反応してくれなかったんだから。
…そうだ!それよりも!
「喧嘩はダメでしょっ!」
僕が、2人を怒鳴る。
こんな雨の中、心配させちゃダメじゃん!
蓮も、一緒に言う。
「そうだよっ!風邪ひいたらどうなるんだ!」
2人は、黙り込む。
けど、優衣はすぐに反論し始めた。
「ッ!だって、こいつはっ!私はずっと日向が好きなのにっ!日向だってそうでしょ!見た目で好きになって!ずっっと努力してきたのにぃぃぃ!!!!」
…僕が、一ノ瀬さんを好き?
??えっっ!?
そうなのっ!?
でも、確かに話してると楽しいし顔が赤くなるし…でもっ!
そう、心の中でびっくりしていると、蓮が言った。
「…違うよ。確かに、見た目はすごく大事だと思う。それを重要にする人だっていると思う。だけど、僕は違う。僕は、優衣が好きだ。」
蓮の目は、とても強い目だった。
告白なんて、全く大丈夫そうな目だ。
優衣は、ビックリしている。
蓮は、そのまま続ける。
今の蓮は、めっちゃかっこいい。正直、イケメンすぎる。
「僕が、優衣を好きになった理由は…性格だよ。僕が、小さい頃いじめられていたとき、助けてくれたじゃん。その頃から、好きだったんだよ。」
その理由に、僕は喉が詰まる。
…僕は、そのころ母さんのことで大変で何もできなかったんだ。
でも、優衣は助けたんだ。すごい。
優衣は、それを聞いて泣き始めてしまった。
「っ。だってぇ、みんな、みんな私に告白してきた人みんなぁ、見た目で好きになったって言ってたもぉん…私が好きになった子も、みんな、みんなぁ見た目が可愛い子にこくはくしてったもぉん…っ!ぐす」
うえーん。と、優衣が泣き、それを包み込むかのように、蓮が抱きしめる。
「…一件落着!かな?」
僕が言うと、みんなが笑って、
「うんっ!」
と答えてくれた。
そのあと、僕たちは保健室に行って、女子軍はベットに横たわり、寝始めた。
「…蓮、かっこよかったよ」
僕が、気まずさにかなわず言うと、蓮は
「…ありがと。ちなみに、これからも関係は変わんないからね。言っとく。」
と言ってくれた。
…っ!いっけメーン!
そのとき、ムクっと優衣が起きた。
「…蓮、いいこと言うじゃん!」
蓮はそう言われて顔が真っ赤になる。
イケメンなのか、可愛いのか。
そのあと優衣は、軽症だったため着替えを教室に取りに行った。
僕は、暇だったため一ノ瀬さんの方に行く。
「…起きてたの?一ノ瀬さん。」
起きて座っていた一ノ瀬さんに僕が言う。
一ノ瀬さんはコクンと頷き、言った。
「寝れなくて。」
一ノ瀬さんっぽいなと僕は思い、一ノ瀬さんのいるベットに座る。
…言いたいことがあるんだった。
「ねえ、一ノ瀬さん。薫って呼んでいい…」
僕はそう言った後に急に恥ずかしくなって顔を下にする。
多分、真っ赤っかだ。
一ノ瀬さんは、少し間を空けて言った。
「…じゃあ、日向。って、呼ぶからね。」
その言葉に、僕は一ノ瀬さん…ううん。薫をみる。
薫は耳から手まで真っ赤っかだ。
それをみたら、もっと恥ずかしくなっちゃった。
これから、もっと仲良くなれたらいいな。
そのとき、僕の手に宝石が落ちた。
「…え?」
薫が泣いていた。でも、目から流れていたのは涙ではなく、宝石だった。
「…っぁ!ごめんっ!…私、涙石病で…」
ぼくは、急いで薫に聞いた。
「あと、残り何カラット!?」
薫は、少し固い笑顔で答える。
「今泣いたから、残り2カラット。」
二月
薫の隣になって、はや一ヶ月。
今日は、2月14日!そう。バレンタインだ!
そういえば、優衣と蓮は付き合ったらしい。
しかも、今度は優衣からの告白!
カレカノって、感じのラブラブさだ。
最近の登校は、少し気まずいけど2人のラブラブ見るのは、楽しいのだ!
僕はと言うと…。薫のことが、好きなのか、分かんない。
だけど、今日はバレンタイン!小日向と一緒に友チョコを作るんだ!
だって、男の子からチョコ渡したっていいじゃん!
作ってる最中、小日向に聞かれた。
「1人は蓮くんでしょ?もう1人は結衣ちゃんでしょ?あと、1人は?本命チョコ?」
そう言われ、僕はボンっ!と音がなるくらい顔が赤くなった。
「か、薫は、別にそう言うのじゃっ!」
そう誤魔化すと、小日向は変な視線を送ってきた。
正直に言えって顔だな…
「…本命ですっ!」
「きゃぁー!いいジャンっ!」
小日向はきゃあきゃあ言いながら、チョコを型に入れる。
…うぅ。薫が好きって認めちゃったよぉ。
まぁ、ずっと前から自覚してたけど否定してた感じだし。
告白、できたらいいな。
そう思い、チョコ作りに励んだ。
登校時間に、2人に友チョコを渡した。
だけど、僕の大本命は…
「おはよ。」
そう薫だ。
薫に挨拶されて、少しウハウハしてしまう。
「…おはよう」
僕は、そう返す。
最近は、受験もみんな終わって(ちなみに僕、蓮、優衣は、中学受験したから受験はいらないよ!)空気が和らいできた。
薫も、受験終わったのかな…
とりあえず、放課後まで待とう!
〜放課後〜
僕たちは、教室に2人きりで残った。
薫は、窓側の席に立っているから太陽が当たって綺麗だ。
初めて会ったときみたいに。
輝いて見える。
僕は、チョコを取り出して、薫に渡した。
「…え」
薫はフリーズする。
僕は、告白しようと息を吸う。
「薫が、好き。薫の1番をたくさん欲しい。ずっと、薫のそばでひなたみたいに明るい存在でいさせてほしい。」
ここまで言って、思わず喉が詰まる。
薫は、顔が真っ赤だ。
その顔がすごく美しくて、勢いで言ってしまった。
「付き合ってくださいっ!」
僕がお辞儀をして言うと、薫は僕の頭を撫で言った。
「…馬鹿。遅いじゃないっ!」
僕が顔をうれしくて上げると、また薫は泣いていた。
宝石がたらりと落ちる。
(今泣いちゃったから、残り一カラット…)
僕は絶望した。
OKもらって付き合ってたのに、残り一カラットにしてしまった。
けど、薫は全然悲しんでなかった。
逆に、僕の手を握ってきた。
…そろそろ卒業なんだな。
三月
今日は卒業式だ。
「卒業式に、薫に泣いてもらいたいって言うのが夢だったんだよな。」
僕が言うと、薫は優しく笑う。
「あの頃の私、冷たかったよね。ごめん」
謝られると思ってなくて、びっくりした。
「別にいいよっ!…この三ヶ月すごく楽しかった。…薫は?」
僕が聞くと、薫は大きく頷く。
「…私も、宝物になった。…ぐすっ」
まさかと、薫を二度見する。薫の目からは大粒の宝石が。
「なにやってんの!薫!泣くなっ!泣くなぁぁ!!!」
僕が叫ぶ。
残り0カラットになったら、植物状態になっちゃうのに…!
でも、薫は泣き止まない。
…薫。
「…グス。ごめんね。ずっと一緒にいられなくて。植物状態になっちゃうんだ。嫌だなぁ…ちょっと近づいてきて!」
薫は泣きながら僕を呼ぶ。
薫は、僕の唇と自分の唇をくっつけた。
いわゆる、キスだ。
「っ!薫っ!」
僕が泣き叫ぶと、薫は言った。
「ばいばい」
10年後
久しぶりに、ここに来たな。
僕は、昔の自分の席を優しく撫でる。
「薫、僕もう大人だよ。」
薫は、病院でずっと眠っている。
もう、その目を開けることはない。
毎日、毎日、通っている。
中学生の頃は、絶望して幼馴染に心配をかけたな。
2人は、今結婚したのか。
凄い。ラブラブだし、結婚式にも呼ばれた気がする。
でも、僕がみたいのは…薫だよ。
「ねぇ…もういいじゃん。目、覚めてよ」
僕の大好きな人は、溶けた氷のように冷たい性格から明るい性格になって宝石のように、美しかった。
なっっっっが!
本当に申し訳ありません!
最後ら辺、面白くないかもです!