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不壊の壁は刃を持たない 第十二話
カマイタチの攻略法!今回長めです。
「見つけましたよ!!! カマイタチの攻略法!!!!」
「今回はなんだ!?」
「今回は**『粉』です。**」
「『粉』!?」
「はい。」
「それでどうするんだ?」
「今からご説明いたしましょう。」
「でも、その間にカマイタチが|突風刃《ウィンドエッジ》を放ってきたら…。」
「その点は大丈夫です。だって今こうしていても攻撃は来ていないでしょう? それに、さっきのはあくまで『威嚇』です。カマイタチ自身もまじで戦闘したいと思っているわけじゃなく、様子見のつもりなんでしょう。」
「…わかった。話してくれ。」
「まず、カマイタチの|突風刃《ウィンドエッジ》は、風…つまり空気でできています。」
「そうだな。」
「空気は目に見えません。だから、超スピードで飛んでくるカマイタチの刃も避けることができないんです。」
「見えたら苦労しねぇよ!!! さっきの(水晶粉々事件)でわかった。速いのは本体だけで|突風刃《ウィンドエッジ》の方はあんま速くないみたいだからな。」
「ふっふっふっ。そこで、空間に『粉』をまき散らしたらどうなるでしょう?」
「んー?」
**「つまり!!! 見えない風の刃が通り抜けた瞬間、空気中に浮遊している微細な粉の粒子が、高速で回転・圧縮された空気の渦に巻き込まれ、『透明な|突風刃《ウィンドエッジ》の形』がシルエットとして浮かび上がるんです!!!!」**
「ん?」
**「そして、この方法は物理学でいう『|可視化技術《ビジュアライゼーション》』の応用なんです!!!!」**
「んん?」
**「目に見えない衝撃波や気流の渦を、粉という|目印《トレーサー》を介すことで網膜で捉えられるようにすることができるんですよ!!!!」**
「ちょ、ちょっと待ってくれ!! 話についていけてねぇ!!!」
「え?」
「いつもより難しくないか!?」
「そうですかね?」
「もう少しわかりやすく説明してくれないか?」
「わかりました。つまり、**不可視な|局所気圧傾度《プレッシャー・グレイディエント》が|劇的推移《トランジション》を完遂するや否や、大気圏内を浮遊する|微小《ミクロ》なエアロゾル|粒子群《パーティクル》が、超高速度で|求心旋回《セントリペタル》・|圧縮《コンプ》を強める|空気渦《ボルテックス》へと包摂され、『不可視の|断層剪断力《シア・ストレス》の輪郭線』が空間のホログラムとして|位相露呈《フェーズ》するのです!!!! そして、この物理現象の顕現メカニズムこそ、流体力学における『|密度場計測《デンシティフィールド》』の|最先端応用領域《アドヴァンスト・フロンティア》にほかならず、知覚不能な|圧縮性衝撃波《ショックウェーブ》や|非定常気流《アンステディ》の乱れを、|微粉粒《ファイン》という|散乱指標体《スキャテリンク》をメディアとして|介在《インター》させることで、人間の|視覚受容器《センソリーレセプター》である網膜のフォトン検知域において|視認可能《リアライズ》へと昇華し得るのですよ!!!!」**
**「もっと難しくしてんじゃねーよ!!!! 興奮しすぎだって!!!!」**
「なるほど…。」
「マルチはなんであの説明でわかるんだよ!!!!」
「ん? だから、**空気中に微細な|粒子《エアロゾル》を混ぜて光を反射させることで、肉眼では見えない気流の乱れを可視化する最先端の流体力学の技術のこと**だろ?」
「その通りです!!!」
「私もわかりましたけどね。」
「オレモ。」
「タートルはともかくアルバトロスはわかってないだろ!!!」
「ナンノコトデスカ?」
「えええ!? わかってないの俺だけ!?」
「要するに**『粉をばら撒けば|突風刃《ウィンドエッジ》に粉が巻き込まれて見えるようになるでしょ』**ってことなんだよ。」
「なーんだ。そんなことだったのかぁ。」
「で、肝心の『粉』はどうするんだ?」
「それは………考えてません。」
「ええええええ!? お前の作戦すごいいいと思ったのに!!! とにもかくにも粉がないと始まらないじゃないか!!!」
「うーん……あ、そうだ。アルバトロスが何か持ってないですかね? 前回もアルバトロスの持ってたポテチに助けられましたし。」
「そうだな。アルバトロス、何か持ってるか?」
「コレ。」
そう言ってアルバトロスが出したのは……。
**・ラムネ ・たまごボーロ ・ビスケット**
**「これでどーしろってんだよ!!!!」**
「…いや、大丈夫です。」
「え?」
「これで材料はそろいました。」
「ええ?」
「ラムネもたまごボーロも、でんぷんをベースに作られています。」
「おお…。」
「つまり、これらがあればそれらしい粉を作ることができるんですよ!!!」
「おお!!!」
「じゃ、ガルフさん、**粉々にぶっ潰してください。**」
「え、いいの?」
「はい。思う存分ぶっ潰しちゃっていいです。」
「わかりました…。」
**ドーン!!!!**
「へ?」
なんと、ラムネとたまごボーロの塊が一撃で粉砕され、一瞬で茶色い粉ができたのだ。
「さすが攻撃力A…。」
「あとはばら撒くだけでOKです!」
「OK!!」
そう言ってガルフさんがあたり一面に粉をばら撒いた。
「シンゴの作戦がうまくいけば、これで|突風刃《ウィンドエッジ》が見えるようになるはず!!!」
そこで、様子見していたカマイタチがついに動き出す!!!
**|突風刃《ウィンドエッジ》!!!!**
シンゴの作戦はうまくいった。なんと、それまで見えなかったはずの|突風刃《ウィンドエッジ》のシルエットが茶色くなって見えたのだ。
「よっしゃ! |突風刃《ウィンドエッジ》が見えれば…!!」
**ズバッ!!!!**
「問題なし!!」
「えええええ!? |突風刃《ウィンドエッジ》を…斬った!?」
「ふふふ。すごいだろう? これが攻撃力Aの本当の力さ。これならカマイタチなんて簡単に攻略できるな!」
「すげぇ!!」
「さすがガルフ…あ、そうだ。」
何かを思い出したようにマルチが言った。
「どうしたんですか?」
「さっき粉々にされた水晶に|復元魔法《リカバリー》をかけようと思って。」
「え!? あんなに粉々にされても治せるんですか!?」
「ふっ。『2特』をなめるなよ。」
「さすがです!!!」
そんなことを話している間にも、カマイタチの体力はどんどん消耗していった。|突風刃《ウィンドエッジ》の連発、ガルフにやられないための超スピードを常に維持していたからだ。ここで、カマイタチはある作戦に出た。ガルフに攻撃することを諦め、|標的《ターゲット》をそれ以外に絞り、そして…。
**|突風刃《ウィンドエッジ》!!!!**
なんと、マルチに向かって突風刃が放たれたのだ。
**「え!?」**
「よけろ!!! マルチ!!!!」
だが、|突風刃《ウィンドエッジ》は速すぎた。よけることもできない。|壁魔法《バリア》も|復元魔法《リカバリー》を使っているため使えない。シンゴも間に合わない。
**「マルチさん!!!!」**
マルチの運命やいかに!?