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代理人
次元板にヒビは入っていない。そしてまだあの胡散臭い声がする。何か言っているが、耳に流れている生暖かい液体が、何故聞こえないのかを察せと囁いている。運転手はまだ何か叫んでいるが、それが言葉にならない叫びなのか私が聞こえないだけなのかは到底わからなかった。しかしそれが愚かなものを連想させるものなのはわかった。そして私は目を瞑り…気を失うのは故意にできるものではない、と。そしてアスファルトの硬いザラザラした表面に摩擦したことにより皮が剥げたり傷の中に小さな石が入ったりしている気色悪い手の甲が見えるが、それでも次元板に手を伸ばした。そして私はただ運転手を見つめた。運転手は同様のあまり露骨に歯を食いしばって汗をかいている。そして必死に口を開いたり閉じたりしていた。そして一方私は…胸ポケットに手を突っ込んだ。スーツの布の質感が傷跡を疼かせるが、それを耐えた。
金属のように冷たい感覚が指先から広がる。鳥肌が立ちそうだったが、昔の感覚がそれを抑えていた。生暖かい液体も混じっているだろうか。そしてそれを取り出す。多少血はついているが、返り血は勲章だろう。一切問題ない、そう判断しリボルバーを片手に構えた。運転手を殺すのではない。
それを。
自らの頭に。
撃った。
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頂点とされるものが、私の関係者を縄で縛る。手首足首が縛られ、一切動けなかった。私の関係者だけではなく、赤の他人も多かった。そしてそれらを人質にし、1人の男に交渉を持ちかける。しかしその男はそれを無視して威嚇射撃をした。その後、男は自らの頭を貫通する。そして倒れるが、その頃にはもう人質は殺された。
私は一切このことを喋らなかったが、何かの話題から逸れてこの話になれば、「私にはわからないけど」「うん、言わないでおく」「怖かったよね」などなど…ふざけたことをほざく。さて、そこで私はどうしただろうか。ナタを振り回して、非戦闘員をも殺しただろうか。嗚呼なんと…愚者だったろうか。
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目が覚める頃には私の血液ではなく知らない誰かの血液…いや、わからないが恐らく返り血で塗れていた。右足の付け根が痛いが、そんなものは関係ない。次元板を拾って路地裏へ向かう。
入る前に、一回だけ振り向いた。
トラックの窓は乾いた感じのあるまさに血と言えるものが大量に付着し、まだ動くワイパーが血で汚れながらそれを擦って引き延ばしていた。運転席は空っぽだったが、干からびても尚動き続けるミミズのように動く手が見えた。それはきっと|現《うつつ》だっただろう。意識ははっきりしている。
周りは血溜まりをまた別の血溜まりが上書きしたり、はたまた別のところに飛び散ったり。そしてイソギンチャクの根元のように膨張した白目から、黒目が浮き彫りのように出ている。黒い革のジャケットに付着しているせいで変に光っているドロドロとした濁った血液が流れ続け、引き裂かれた革から盛り上がっている。それを潰したくなったのに私はそれができない。そして別のところに視線を移すと、誰宛でもなく跪いて胸を抑えて過呼吸になっている者がいた。それはばたりと倒れ、頭をアスファルトに委ねた。額は見えないが、恐らく見ない方がいいだろう。そして私はそれらを何も感じずに見て路地裏へ行く。路地裏には、
壁に寄りかかっているニルがいた。
「よ、久しぶりだな」
「1日ぶりですけどね」
血まみれのスーツ姿で薄い板を持っている中年男性と古傷だらけでタバコを吸っている生命が会話している様子は変だが、この都市ではきっとアナログ時計とデジタル時計で時差がある程度なのだろう。
「んでその血、何があったんだ?」
「ああ…まあ轢かれてしまって…」
「それも『まあ』で済ませられる時点で大丈夫だろ?んで板見てないのか?」
次元板を見ると、大きく明朝体で「来訪」とあった。
路地裏の入り口を見る。
冷たく《《黒い霧》》が虚空から出ていた。その中から全身が真っ黒な2mほどある人型の何かが現れる。それは黒スーツと黒スラックスを着ていて、まさにそっちの世界の人間のようだった。それは常にテレビの砂嵐のような音を立てていた。ニルはそれをあまり気にしていない。遭遇したことがあるのだろうか。そしてそれはノイズだが確かに人語が形成されている音でこう言った。
「私は代理人です」
と。次元板のあの画面に映っていた1人がここにいるのだ。ならば管理者はどんな者なのか、それを想像するだけでも既に頭痛がある頭が更に痛くなりそうだった。
「質問があるのであれば、いつでもお申し付けください」
それはただそこに立っているのみ。それ以外は一切しない。
「あなたは…誰でしょうか」
無意識にそれが私に近づいたように見えた。
「代理人でございます。それ以上は`企業秘密`のためお教えすることは致しません」
「では、企業と仰いましたが企業なのですか?」
「はい、企業でございます。次元板もその企業で研究し生産しているものでございます。」
「企業の名前は。」
「`Link.`でございます。社名の由来は幅広い層でも共通で興味を示せるような商品の提供に自信があるからです。」
「次元板はそもそもどういうものなんですか。」
「様々な世界線に繋がるものです。」
「契約とかは、あるんでしょうか」
「あります。利用規約もございますがそちらを見ますでしょうか。」
「じゃあ、言ってください。」
「1.サービス提供者に対する利用者からの過度な攻撃的な姿勢は規約違反とみなします。
2.執行者には従ってください。
3.執行者を攻撃しないでください。
4.代理人が1人で空を見上げて『いるぐれあいるしゅどらふごす』と言った際は何も反応しないでください」
「そうですか」
「では、ここで去ってもよろしいでしょうか」
「はい」
それはまた黒い霧の中に消えていった。後には何も残らなかった。
そして、また1日が終わった。
初めてだよこんなグロ書いたの
グロ絵は描いたことあるけどさ^_^
ほんでえっつなやつはいつ作るんだ?