何千光年先でも君と
編集者:とろしゃけ
私がこんな感じにしたいなって思って書いてる百合小説です。
多分きもいとこありますがすみません。許して。小説初心者なの。
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目次
第1話 夏と2人の少女
はなこ「…はあ…」
随分暑い夏の日。
もうすぐ夏休みだというのにどういう事だと心の中で愚痴を吐く。
はなこ「あーもーいっその事学校サボってクーラーガンガンの部屋で涼まりたい…」
???「|八川《やつがわ》さん!」
はなこ「あっえっ!?なんでしょうか…っ」
憂鬱なはなこの目の前に現れたのは黒髪ツインテの女の子。
かさね「あっごめん!私『|七浦かさね《ななうら かさね》』って言います!ちょっと用事があるんだけど、付き合ってくれない…?」
はなこ「えぇ…良いですけど…なんの用z」
かさね「ありがとー!!行こ!!」
はなこ「は?えっ!?」
学校の中を二人で駆けて髪がなびく、
風ははなこにとってつらい暑さの中の、ほんの少しの休息だった。
はなこ「…はあ…はあ…な、なんですか…急に…」
かさね「あは!ごめんね!ちょっと一緒に夏休み遊ばない?」
はなこ「…は?」
はなこ(ん?え?私そもそも七浦さんと友達じゃないよね?今日初めて話したよね?)
はなこ「な、なにが目的ですか…」
かさね「いやいや!?!そんな事ではなくって…」
はなこ「じゃ、じゃあそれ以外の理由で友達でもない私と夏休み遊びますかね!?」
かさね「あ……」
はなこ「…はい?」
かさね「あっ…いや!なんでもない!放課後学校から1番近いコンビニに集合ね!内容はそこで話す!!じゃ!」
はなこ「えっ、はっ!?ここ(1階)に来た理由は!?!?」
はなこ「…」
はなこ(何あの人…怖…関わりたくねー…でも陽キャのお願い断ったらやべえ仕打ちに合いそうだし…まあとにかく行くかあ…)
──────授業中───────
はなこ(えっと…ここの公式はこれだから…あれ…なんか違う…?いやでもこれ以外に…)
先生「…じゃあここを、八川!」
はなこ「っえっ!?あっ、は、はい!!」
はなこ「…………え…と……」
はなこ(ど、どうしようどうしよう!?なんも聞いてなかった!!)
かさね「八川さん…!これは教科書のここに書いてあるの読めばいいよ…!(小声)」
はなこ「…あ…?えっと…」
横を見るとお茶目な顔をしたかさね。
すぐに前を向くと、何やらノートに何かを書き出した。
はなこ「…?」
はなこ「─────…です。」
先生「はい!ありがとうございます、次は…」
はなこ(まあ…いいや…)
かさね「…八川さんは…」
キーンコーンカーンコーンッッ
チャイムの音にかさねの声がかき消される。
はなこ「…ん?授業3分ぐらいで終わったぞ??」
ここでもメタいのは、やめよう。
かさね「ぁ…」
かさね「…八川さーん!!おべんと一緒食べよ!」
はなこ「はっはあ…?別にいいですけど…」
はなこ(なんでこの人はこんなに私に近寄るの…?罰ゲームか?)
はなこ「あの…七浦さんはなんで私にこんな積極的に接するんですか…?罰ゲームかなんかですかね…!?」
かさね「いやいや!?なんかー…八川さんに意識がすごい行っちゃってえ…なんでだろ?とは思ってたけど多分分かったからもうそんなんならいっそ友達になっちゃえ!って感じで!」
はなこ「どういうこと…な、なんで意識するんです…??」
かさね「わっかんない!まあいいや!おべんと食べよ!」
はなこ(弁当じゃなくておべんとって言うんだ…)
はなこ「……可愛い…」
思わずはなこの心の声が溢れ出てしまった。
はなこ(あっっ!?!?)
かさね「…え?」
はなこ「あっえっとすみません!違うんです!!ただおべんとって言うのが意外だなって思って!!!」
大急ぎで弁明をする、が、かさねはぽかーんとして動かない。
はなこ「…七浦さん…?」
かさね「…あっ!ご、ごめん…」
はなこ「いや別にいいですけど…大丈夫ですか?体調悪いですか?」
かさね「全然大丈夫!!だけど…ちょっと驚いただけ」
はなこ「?七浦さんなら、いつも可愛いとか言われるんじゃ?」
かさね「いや、…見た目とかでしか可愛いって言われなかったから…その…不意打ち食らわされた…みたいな…」
はなこ(あれ…照れてる…?)
はなこ「…ふふ、可愛いですね」
かさね「あっそっそんな!?や、やめてよ〜…」
かさねは顔を必死に隠すが、そこから漏れ出る可愛い顔にはなこは少し優越感を抱いた。
───────放課後───────
はなこ(…さっそくコンビニ来たけど…七浦さんまだかな…?騙され…いやさすがにあの人は嘘つかない。だって照れ顔まで見せるくらい純粋だもん…)
はなこ「あ"つ"い"…」
太陽がさんさんと輝く。
人が出たり入ったりした時のコンビニの冷房が、唯一の救いだった。
セミが永遠と鳴く中、はなこは暑すぎて気を失いそうになる。
はなこ(あー私暑さで死ぬのかよ…運動不足すぎる…)
ふらふらと立ちくらみがする。
そんな時、大急ぎで来る1人の姿が見えた。
─────七浦さんだ。
かさね「あっごっごめん!!!大丈夫!?待たせちゃったよね…!」
はなこ「全然…待ってませんよー…」
はなこ(あ、やばいかも)
もう限界だ、立てない。はなこは倒れてしまった。
かさね「おっと…っ?!」
耐えられずかさねの腕の中に収まってしまったはなこ。
はなこ(涼しい…)
恥ずかしさとかそんなの今は関係ない。ただ暑さをしのげればいい。
かさねが首に掛けたミニ扇風機が、はなこの暑さを緩和する。
はなこ「……」
かさね「…だ、大丈夫…?」
はなこがハッとする。目を開けて顔をあげると、心配そうにするかさねの顔がありえないほど近くにあった。
はなこ「あっ!?」
バッとはなこがかさねから離れる。
はなこ「あ、え…ごめんなさい…!!」
かさね「いーよいーよ!こんな待たせた私が悪いし!お水いる?すぐ買ってくるよ!」
はなこ「いや…申し訳ないですよ…」
かさね「お詫びとして!ね!」
かさねのとびっきりのニコニコ笑顔に負けたはなこは呆れ顔で言う。
はなこ「じゃあ、一緒に買いましょう…私が七浦さんの分払うので、七浦さんはお水とか何でもいいので、買ってくれませんか?」
かさね「おー良いね!交換的な?面白そう!!」
適当に思い浮かべた提案に、幼い子供のように食いつくかさね。
はなこ(子供みたいだな…この人可愛いところ多すぎないか…ずるいぞ…!!)
次から色々起こります。まずは可愛いふたりを見てくれてありがとう。
第2話 冷めた夏と2人の少女
2話です。庭には二羽ニワトリがいる。すいませんふざけました。
かさね「…ふぅっ!コンビニはやっぱ涼しいなあ…」
幸せそうな顔で一息をつくかさね。
はなこ(横顔も美しき…ずるいぞ!!!)
かさね「あっ!このジュース気になる!!」
はなこ「ん?何ですか?」
せっせとドリンクコーナーから不思議な色のボトルを取り出す。
かさねはラベルを凝視して笑う。
かさね「見て見て!未来の不思議な味だって!」
はなこ「未来の味…?それ気になりますね…ラス1だし、買いますか?」
かさね「うん!お願い!あっでも値段…えっと…」
はなこ「私が自分の分も払うので、七浦さんは外で待っててください。」
かさね「えっ!?そんな悪いよ…!!せめて私の分だけでも…」
はなこ「良いですよ、元々私が払う予定だったんですし。」
かさね「えでも…うーん…じゃ、じゃあお願いしても…いいかなあ…?」
少し上目遣いではなこを見つめる。
はなこ「っ…良いですよ。」
かさね「ありがとー!!」
奥のレジへと足を運び、会計をする。
はなこ(にしても未来味のジュースとか見た事ないけど…最近のかな?)
店員「ん…?あの…」
はなこ「あっはい?」
店員「この未来味のジュース、っていう方の商品、うちで扱ってないんですけど…どこから持ってきました?」
はなこ「…え?」
店員によると、この未来味のジュースはここのコンビニでは取り扱っていないらしい。
はなこ「え…そこのドリンクコーナーから取ってきましたけど…」
店員「あれ…?1回確認してきますね…」
はなこ「あ、はい、お願いします」
少し不安になりながらもチラッとかさねの方を見る。
はなこ(大丈夫かな…)
かさねと目が合う。
はなこ(あっ)
かさねは「ん?どうしたの?」と笑顔ではなこの方を見る。
はなこは焦って視線を店員に移す。
店員がいない。
はなこ「あ…れ…?」
ドリンクコーナーに直接行ってみる。
だが、店員の姿はどこにも見当たらない。
はなこ(トイレに行ったか…ドリンクコーナーの裏側に行ったかな?)
はなこ(ジュース持って店員さんのとこ行った方がいいかな…?)
ジュースを持とうとはなこが前を向く。
はなこ「え?」
ジュースが浮いている。
はなこ「…は?…ん?浮いて、浮いてる??」
どう見てもふよふよとジュースが浮いているのだ。
はなこ「え、まあ…一旦持ってこ…」
ジュースを持とうと手を伸ばす。
はなこ「…!?」
いつの間にいたのか、かさねがその手を止めた。
はなこ「な、七浦…さん…?なんで…」
かさね「あ、その調べてみたけど…出てこないし…危ないかもなって!」
はなこ「そ…そう…ですか…?」
かさねは少し青ざめた顔で手を握りしめている。
はなこ「…でも確認しに行った店員さんがいませんし、ジュースも浮いて…」
かさね「…」
店員「ん?どうされましたか?」
はなこ「あっえっ!?」
かさね「あ!ごめんなさい!このジュース会計して貰えませんか?」
浮いたジュースに指を指そうとする、が、店員が目の前にいた。
さっきの店員だ。
店員「はい、分かりました」
ピッピッ、とバーコードを読み取り、無事会計を終える。
はなこ「…さ、さっきの…なんだったんでしょうか…?」
かさね「時空の狭間にいたんだよ」
はなこ「じ、時空…?あは、そ、そんな…」
かさね「本当だよ?」
はなこ「え…」
空気が張り詰める。
かさね「時空の狭間はね、誰もいないらしくて、来たらもう現代には戻れないらしいよ?」
はなこ「は…?現代でしょう…?ここ…」
かさね「はーっ…!!もう…」
かさねが呆れたようにデカいため息をつく。
はなこ「えっご、ごめんなさい…」
かさね「あーいやいや!八川さんに言った訳じゃないから!」
はなこ「え、じゃあなんで…」
かさね「…さっきのジュース、狭間に行くための道具だったみたい。んで、それに書いてある時代が行き先。」
はなこ「じゃ、じゃあ、ここって…」
かさね「み、未来…だね…」
はなこ「は!!!??」
はなこ「てかなんでそんな事知ってるんですか…」
かさね「昔本で見た!」
はなこ「どんな本よ…」
はなこは困り果てた顔で辺りを見回す。
かさねはスマホで今の現在地を検索する。
はなこ「…確かに、いつもの場所とは少し違いますね。」
かさね「なんかGoogleマップにも出てこないんだけど!?」
はなこ「じゃあマジで来たんですね、未来。」
はなこ「あー、帰るには…さっきみたいに時空の狭間に行くための道具を見つけ出せばいいんですかね?」
かさね「そうじゃないかな?探そ!」
はなこ「またこんな暑い中…あれ?暑く…ない…?」
かさね「ほ、本当だね!寒くも暑くもない…未来すごいね!」
辺りを走り回ってはしゃぐかさね。
はなこ「…はあ…どうしましょう…人居ないんですかね?」
かさね「あーどうだろ?未来だからロボットに侵略されてたり…?!」
はなこ「さすがにないでしょうw」
二人はふふっ、と小さく笑う。
だが、もう二人は疲れ果てている。
かさね「あーもう探すのめんどい!なんか休憩出来るとこないかな?」
はなこ「お、あそこら辺にカフェの看板が…」
???「あー!!いた!!かさねちゃーん!!!」
かさね「__チッ…__」
はなこ「ん…え…?」
かさねが小さく舌打ちをする。
なぜ舌打ちを?あの子を知っているのか?と、はなこが困惑する。
はなこ「お知り合い…でしょうか…?」
かさね「未来に知り合いなんているわけないよ!!」
急いで笑顔ではなこの方を向く。
はなこ(なんか違う…)
短時間過ごしたはなこでも、少し無理した笑顔なことが分かった。
???「かさねちゃん!!なんで…モゴッ」
謎の少女の口を急いでかさねが塞ぐ。
はなこ「あ、え?どうしました?!」
かさね「いいよいいよ!!なんで名前知ってるか分かんなくて怖いし!!カフェ行こ!!」
かさねがはなこの手を繋いで走る。
はなこ「!?」
はなこ(はっ初めて手繋がれた…!!)
はなこは初めて手を繋がれたようで、驚きを隠せなかった。
恥ずかしい!初めての相手がこの人…!?ちょっと意外だな…と頭の中で考えを整理する。
かさね「…つ、付いた!行こう!!」
はなこ「え!?は、はあい…!」
息を切らしながらも、カフェへと入っていく2人。
かさね「ここなら休憩できるよ!」
安心しきった顔で笑顔になるかさね、だったが…
???「あなた…かさね!?なんで…体は大丈夫なの!?」
さっきとは違う大柄な人が出てきた。
はなこ「か…体…?」
はなこ(時空の移動の時なんかあるのかな?)
???「それより…掟を破ったのなら…」
相手は急にカバンからとても大きな銃を取り出した。
はなこ「っえ…?」
はなこは驚き、焦り、不安に包まれ動けなくなる。
一方かさねは、
かさね「…うるさい…」
かさねも同様、銃を取り出す。
はなこ「えっ!?」
かさね「…私に銃を向けないでくださいってば…`殺しますよ`…?」
はなこ(こっ殺す!?やっぱりこの人怖い人だったんだ!!逃げ…)
**バン!**と大きな音が鳴る。
はなこ「あ…え…」
相手は消えていた。
かさね「はあ……あ!!八川さんごめんなさい!!嫌なところ見せちゃったよね!?本当にごめんなさい…!!」
はなこ「え…あ、で、でも…ありがとうございます…助けてくれて…」
かさね「そんなそんな!!礼を言われるほどのことはしてないよ…」
はなこ「い、いやいや!命救ってくれましたし…!!」
はなこは状況も何も飲み込めないまま、礼を言う。
いや、飲み込まない方がいいのかもしれない、と、目を逸らす。
かさね「__…命、ねえ…__ 」
かさねが小さく呟く。
はなこ「…?」
かさね「あ!なんでもない独り言!さ!行こー!!」
はなこ「え…あ、は、はい、!」
はなこ「あ、あとあの人…死んだんですか…?」
震える声で問う。
かさね「……死んでないよ、逃げただけだと思う!」
はなこ「そ、そう…ですよね…!」
はなこ(七浦さんは…未来の事を…)
はなこ(いや、いいや。)
はなこ(今は…一緒にいれればいいや)
閲覧ありがとうございます!
ついに本題の二人が未来に行きました。何かを知っていそうなかさねと、不安げにするはなこ、さあどうなっていくんでしょうね?
ではまた次回で!
__あとさらっと未来人殺そうとすんなや七浦かさねさん__
第3話 赤面と白髪女、そして2人の少女
はなこ「…カフェ着きましたけど、なんでそんな笑顔なんです…?」
かさねは満面の笑みではなこを見つめる。
かさね「いやーなんかよく見たらお顔整ってるなーって!」
はなこ「っは!?」
そっちが言うなよな、と照れながら水を飲むはなこ。
はなこ「七浦さんの方が可愛い…ですよ」
かさね「そう!?ありがとー!!あ、メニュー何にするー?」
はなこ(さらっと話変えるじゃん…)
二人は一緒にメニューを開いて見てみる。
…メニューの縁が蛍光色に輝いている。
かさね「さ、さすが未来…珍しいというか…歪な物しかないね…」
はなこ「…あ、これ一番普通そうですよ。」
はなこが指を指したのは何の変哲もない…ようなパンケーキ。
かさね「なにこれ!パンケーキ!?めっちゃ普通!これにしよ!!」
はなこ(さすが陽キャ…映える物はすぐ頼むのか…)
かさね「美味しそー…これSNSには載せたくない!てかバズるとか興味無いしなあ…」
はなこ「…!」
かさね「あれ?どうやって頼むんだろ?店員さんとか居なさそうだし呼び出しボタンとかないし…」
はなこ「……あ、!メニューの下に頼むボタンついてる…」
かさね「ほんとだ!これ押したらいいのかな?」
はなこ「じゃないですか?押してみましょ」
ポチっと押してみる。
特に何も起こってはないが、ボタンには注文済みの文字が。
かさね「頼めた、のかな?」
はなこ「多分頼めたでしょう、まあ何か話しながら待ちましょう。」
かさね「だね!何話すー?」
はなこ「…うーん…時空の狭間に行ける道具探す方法とか…」
かさね「今は現実逃避のじーかーん!恋バナとかしよ!」
前に乗り出て笑うかさね。
はなこ(恋バナ…話す事ないな…)
はなこ「恋バナと言っても、私は話すことが無いんですけど…」
かさね「えーじゃー……さっきの事とか…話そうか…?」
さっきの事。かさねが銃を一発打った時の事。
はなこ「あれは…もういいですよ…それよりさっきの青髪の子の事を話して欲しいです。」
かさね「青髪…あー…良いよ…」
かさねはいつもは見ない暗い表情をしながら話し始める。
はなこは裏があるのか、なんて疑えなかった。
だって、今は縋る人がかさねしか居ないからだ。
かさね「さっきの子は…まあ多分未来の子だからミライちゃんとでも呼ぼっか?」
はなこ「うんうん…」
かさねが続きを話そうとすると、何か言いたげだった口を閉じてしまう。
はなこ「…?どうしました?」
かさね「…やっぱこの話今度でいい?お腹空いて集中出来ない!」
はなこ「あ…別に良いですよ。時間はたっぷりありますし、」
配膳ロボ「ご注文の料理をお届けに参りました。受け取ってください。」
かさね「…あ!届いたみたいだよ!私たち以外に居ないっぽいし、早くてよかった!食べよ食べよ!」
猫の顔した配膳ロボからパンケーキを取る。
良い香りがする。甘くて香ばしい香り。
はなこ「すごい良い匂い…」
はなこが何度も鼻をくんくん、と動かす。
かさねはそれを見てふふっ、と微笑む。
かさね「あはっ!鼻動いてる!子犬みたーい!可愛い!」
はなこ「あっそんな!?すみません…む、無意識で…」
かさね「いいのいいの!可愛いし!さ、食べよ!」
はなこ(か、!可愛い…って…なんでそんなさらっと言えるかな〜…)
ぱくっ、とかさねが1口食べる。
それに続いてはなこも少し食べてみる。
かさね「お、美味しい!!!なにこれ説明できないけど美味しい!!」
はなこ「…ですね…初めてこんな美味しいパンケーキ食べましたよ…」
かさね「未来ってなんでもあるねー!食べ終わったらもっと探索しよ!」
はなこ「これの他には何があるんでしょう…」
再びメニューを輝いた目で見てみるはなこ。
かさね「…まだ食べる気〜?私そんな食べらんないよー!」
わざとらしく笑うかさね。
そんなかさねにはなこはため息をつく。
はなこ「た、食べませんよ…そんな食べたら太りますから…」
かさね「えー!八川さんそんな細いのに太るとか気にするんだ!?」
はなこ「痩せてませんよ…なんでそんな褒めるんですかもう…」
かさね「あ、照れてるー?」
はなこ「照れてません!!はい食べますよ!」
はなこ(本当変な人…)
──────────数分後──────────
かさね「ふう…!美味しかったー!!」
かさねとはなこはパンケーキひと皿をぺろりと平らげた。
疲労でお腹が空いていたのだ。これぐらい食べるのは当たり前だ。
お腹をポンポンと叩くかさねと一緒にはなこはレジに行く。
はなこ「えと…お金…」
かさね「P〇yP〇yじゃなくて…ミライペイ?っての使うらしいけど」
はなこ「な、なんですかそれ…!?」
謎の決済方法に目を開いてしまう。
はなこ「あ、あの店員さーん…?」
はなこが呼び掛けてもシーンとした空間が続く。
かさね「うーん店員さん居ないのかな?ま、メモでも置いて次行こ!」
かさねがバッグからペンと紙を取り出し、字を書き始める。
『ここでパンケーキを食べましたが、店員さんが居ないようなので、もしこのメモを見つけたら下の電話番号に電話をかけてください。』
さらさらと電話番号を書く。
はなこ(未来でも電話あるのかな)
はなこ「字…前から思ってましたけど上手だし綺麗ですね…いいな…」
かさね「そんな事ないよー!?昔親から言われてたからなー」
はなこ「字が綺麗な人って、心も綺麗って…お母さん言ってたなぁ…」
かさね「えっそんな事ないってぇ!やめてえ!」
はなこ「…七浦さん、照れ屋なんですね?」
手で覆った顔から目がはなこを覗く。
かさね「だってえ…容姿と頭脳以外で褒められたりした事少ないから…で、でも嬉しいけどなあ…」
はなこ「じゃあそれとおんなじぐらい褒めてあげましょうか?」
かさね「はっ!?恥ずかしいから!!」
予想もしなかった、と真っ赤な顔がさらけ出される。
はなこ(……可愛い…)
はなこ(!?、なんで今自分…!?)
自分で自分が考えた事に驚く。
自分が七浦さんの事を可愛いと思ったのか?!
そんなことを考えてしまう自分が恥ずかしくなってしまった。
かさね「…よし!ここに置いたらいいよね?じゃあ次どっか行こ!!」
かさねが逃げるようにレジの上にポン、と紙を置く。
二人は再びどこかにぶらぶらと気楽に歩いていく。
はなこ「次…って言ってもどこ行くんですか?」
かさね「あ、確かに…じゃああそこの…」
???「…カサネ?」
かさね「…は?」
またまた知らない誰かと出会った。
足に付くぐらいの綺麗な白髪。雪女のように綺麗な見た目。
シラナミ「ワタシはシラナミデス。カサネ、ドウシテここに居る。」
はなこ「七浦さん誰ですかこの人!?!?目がないし身長すげえ高いし肌がすっごい真っ白ですよおおおお?!?!」
かさね「怖いねえ!?あ、あっち行こ!あーっち!」
二人は謎の人物に恐怖をして大慌てする。
シラナミ「マテヨ。ワタシ君たちの事ワルクシナイ」
はなこ「分かってますよお!?でも怖いんですってばあ!!」
かさね「ど、どうしよー」
シラナミ「カサネ、違う、ソユコトジャナイ、アノ…」
かさね「違うも何も訳分かんないし逃げるよ八川さん!!!!」
はなこ「はいぃぃ!?!!」
かさねが無意識に焦りすぎてはなこと手を繋ぐ。
そして謎の高身長女、シラナミを置いてどこかに走り去った。
シラナミ「…カサネは…大丈夫ナノカ…?」
カタコトで喋るシラナミさんが新キャラです。
ほぼ雪女的なやつだと思ってもらって大丈夫です!
第4話 明日
はなこ「っ…はぁ…はぁ……マジでさっきのシラナミ?って言う人誰なんですか…七浦さんの事知ってるっぽかったですけど…」
かさね「知らないよあんな人!?雪女みたいな人今まで会った事…」
はなこ「…?」
かさねが あ、 とはなこを見つめる。
かさね「八川さんの方が雪女っぽい!」
はなこ「は、はあ…?」
はなこは疑問を抱きながらも自分の姿を見返す。
白髪おさげツインテール、綺麗な青目に白いカーディガン。
はなこ「ァ…」
かさね「ほら!八川さん雪女っぽいでしょ?」
はなこ「それが分かってどうするんですか…」
くすくす、と微笑みを交わす。
ぽた…ぽた…
はなこ「あれ?雨ですかね…?」
かさね「雨降るのか未来でも」
はなこ「あ!!傘持ってきてないです!」
かさね「わ、私も忘れたあ!!」
どうしよどうしよと、二人で雨に濡れていると…
シラナミ「ダイジョブカ」
はなこ「シラナミ…さん…?」
雪女みたいな人、シラナミが傘を差し出してくれた。
かさね「あ、ありがとうございます!」
はなこ「でもシラナミさんが濡れるのでは…?」
シラナミ「ワタシはダイジョブや( -`ω-)b」
グッドをするも、相変わらず雨がピチャピチャとシラナミに当たる。
はなこ「…大丈夫じゃないですよね。」
シラナミ「寒いヨおおおおお」
かさね「雪女っぽいのに!?」
シラナミ「雪女じゃないワイ!!」
はなこ「普通にごめんなさい」
シラナミ「エエデエエデ」
シラナミ「ンデ、おみゃーらコレカラどするん」
かさね「…あ」
かさね達は現代に戻る道具を探さなければいけないが、
この雨の中では困難だ。だからもう出来る事がない。
はなこ「なんか泊めてくれるところとかッ…」
かさね「なんか知らなーい?シラナミ〜…」
シラナミ「呼び捨てスナ。まあいいけど。」
はなこ「いいんかい…」
シラナミ「ウーン…うちんち来るカ?」
かさね「え!家持ってるんだ意外!」
シラナミ「ひどくないカ??」
はなこ「お邪魔させてもらって良いんですか!?」
シラナミ「モチや。普通に家ヒマダシ。」
かさね「無職?」
シラナミ「オイフザケンナ!!!」
3人はそのままギッチギチの相合傘をしながらシラナミの家に行った。ちなみに3人ともびしょ濡れだった。
傘の意味はとっくに無かった……
───────────────────
はなこ「ここですか?シラナミさんの家って…」
シラナミ「セヤデ」
目の前に広がるのは何かの研究所…と普通の一軒家。
かさね「どっちがシラナミの家なの?」
シラナミ「どっちもヤデ」
はなこ「はぁぁぁ…???!この研究所と普通の家が!?」
2つの建物は全く違う雰囲気なのに、自然に連結されている。
シラナミ「研究所は研究用で家は普通に生活用」
かさね「なんの研究してるのー?」
シラナミ「フフフ…それはネ…」
シラナミが不気味な笑みを浮かべる…
何が来るんだと緊張する2人。
シラナミが口を開く。
シラナミ「シンプルに過去へ戻る方法」
はなこ「……過去へ戻る方法?!!?!?!」
かさね「へぇ、な、なんで過去に戻りたいの?」
シラナミ「いやアンタタチみたいな未来に来ちゃった人達を返す為」
はなこ「普通に良い方なんですねえ……?!」
かさね「…えっ!じゃあ研究が成功したら、私達過去へ戻れるの!?」
シラナミ「ンマァ、そういう事じゃない?」
かさね&はなこ「それ早く言ってよ!?!?!!?」
良かった。案外早く過去に戻れそうだ。と、安堵する。
かさね「その研究いつ終わりそう?」
シラナミ「他にもここに来ちゃった人達イルカラ終わるまで仲良くしてちょーヨ」
はなこ「やーっと希望見え始めたぁぁぁ…!!!」
と、その時。
?「かーさねちゃん」
かさね「っ…!!」
シラナミ「おーっと…?」
はなこ「さっ、さっきの…っ…?!」
3人とも一気に不安に包まれる。
そして、その青髪の少女が話し始める。
?「1、未来に行くためには2人きりで行く。」
はなこ「……な、なんですか…?」
?「2、見たことがない味のジュースを手に取る。」
はなこ「…………ぇ?」
何か聞いたことがある。見たことが無い味のジュース。
?「3、未来につけばメニューの縁が光るカフェへ行きます。」
かさね「っ…お前…っ!!!」
はなこ「待っ…七浦…さ…ん…」
はなこの心臓の音がだんだん大きくなる。
何が起こっているの?この子はかさねの何なの?
何も分からない、だからこそ怖い。
?「4、雪女の研究所へ行く。」
シラナミ「…っ…」
?「5、そうしましたら、もう過去には戻れないでしょう。」
かさね「………お前っ!!!!!明日香!!!!!!」
はなこ「……あ、…すか…?」
明日香「ねえ、かさねちゃん。また連れて来たの?」
やっと最新話出た!!!!!
多分5話はすぐ出そうな気がする
じゃあまた会いましょう
第5話 進む未来、焦る私
やる気がすごいです。新キャラ出ます。苗字は知り合いと決めました。
場が凍りついた。
何も言えないはなこはシラナミに家へと連れて行かれた。
明日香「で?あの子はなに?」
かさね「…………」
明日香「ダメだよ掟を破ったら」
明日香「かさねちゃんはあの子と」
かさね「ネタバレも掟でしょう?未来の事は言っちゃいけない約束」
明日香「………ここに来るのも分かるけどさ…次は…知らない人なんて…」
かさね「しょうがないのよ。明日香なら分かるでしょ。」
かさね「こうなったのも貴方のせいなんだから。」
明日香「……………っ…分かってるよ……」
────────────────────────
はなこ「……さ、さっきの…何…」
シラナミ「いずれ分かる…と思う…」
シラナミははなこを落ち着かせるためにタピオカを出した。
はなこ「…女子全員がタピオカ好きだと思わないでくれません??」
シラナミ「おっと、今まで会った人ほぼ全員好きだったノニ」
微笑んだはなこは、ふと気付いた。
はなこ「………え待って?未来にタピオカあるの???????」
シラナミ「おぉ、あるゾ?」
はなこ「うぇぇえ??!?!?七浦さんに言わないとおお!!!」
シラナミ「いや知ってるからダイジョブだって」
はなこ「さすがタピオカマスター」
シラナミ「ワタシはタピオカ単品派」
はなこ「ミルクティー飲んでくださいよ」
それから数分、タピオカについて謎の議論が行われた。
はなこ「…七浦さん達の事呼び戻してきますね…」
はなこ「私、あの二人仲良くさせてみせます!」
シラナミ「………頑張れよ。」
本棚を見る。
1冊の本を手に取る
シラナミが本を開く。
雪女とは。
過去のような体温が低い妖怪ではない。
あまり人との交流を好まない。
だがツッコミやボケいずれ片方には特化している。
男女ともに恋愛的にも友情的にも好かれる。
特徴は白い髪の毛。青い目。
過去で生まれ、いずれ未来に来たる存在。
何かを救いたいという願望が強い。
シラナミ「………さすがに…な…」
──────────────────────
明日香「……待っ…てよ、私知らない…」
明日香「と、友達が出来なかったから今こうなってるの?」
かさね「いいえ」
明日香「じゃああの子は何のために!」
かさね「ネタバレ禁止。存在してしまった時空のさらに未来は、言った通りになってしまう。私はそれを望んでないよ。」
明日香「………変わったね…」
かさね「明日香のせいで。」
明日香「…ほんと…」
明日香「__病を存在させる実験は…良くなかったよ……__」
走る音が聞こえる。聞き慣れた声が聞こえてくる。
はなこ「七浦さん!!」
かさね「八川さん!?いやなんでここに…」
はなこ「あ、あなたは…明日香さん?」
明日香「…そうだけど…」
明らかに明日香ははなこを警戒している。
はなこ「あのー、シラナミと少し話して未来を進化させる計画立てたんですよ!」
かさね「何それ!教えて教えて!!」
明日香「普通に気になる」
はなこがメモ帳を取り出して、計画を淡々と話し始める。
はなこ「えっと…計画は学校を作ろう、というものです。」
かさね「こっちでも勉強出来るって事ね!!」
明日香「がっこう?あたまわるいからわかんなーい」
はなこ「絶対授業中居眠りするタイプだ」
明日香「バレたぁぁ」
かさね「んで、どうやって学校作りするの?」
はなこ「それは…」
シラナミ「ワタシの力だ!!!」
かさね「あー!!研究所とかで作るの!?」
明日香「学校ぐらいの範囲ならバーチャルで作れるね。」
はなこ「そうらしいです!作るのは1学年だけなので処理落ちとかも無さそうなんです!」
かさね「じゃあ作っちゃう!?」
シラナミ「今暇だから全然イケルデ」
かさね「あーでも保健室も作ろ?」
明日香「確かにね。」
はなこ「怪我とかする可能性あるからそれも作りましょう!」
シラナミ「…そうだね、ジャア早速作るゾー!」
4人「「「「おー!!!」」」」
そして4人の学校作りが始まった。
学校の場所決め、椅子とか机の配置、生徒の振り分け、席決め、先生決め、保健室の場所決め。
かさね「シラナミは私達の担任じゃない?」
シラナミ「モチノロン」
はなこ「明日香さんも一緒のクラスですね!!」
明日香「そうね。」
それから何日もかけて学校を作った。
ついに初、未来の学校が出来た。
4人「「「「できた!!!」」」」
明日香「や、やったー!!!!」
4人ともほぼ汗だく。これから、他の生徒とも絆を深める楽しい学校生活を始めることになった。
はなこ「じゃあさっそく授業しましょ!」
はなこの掛け声と共に、初めてのチャイムが鳴る。
キーンコーンカーンコーン
シラナミ「きりーつ、れーい」
生徒「お願いします!」
シラナミ「ちゃくせーき、じゃあ、この学校初めての授業を始めます!」
?「ねえねえ、かさねちゃんだっけ?」
オレンジショート髪の女の子がかさねに話しかける。
千早「私、浅野千早!(あさの ちはや)同じクラス!よろしくねー」
かさね「千早ちゃん?よろしくねー!」
かさねには新しい友達ができた。
それから怒られない程度に2人は話をし続ける。
はなこの方を一切見ずに。
はなこ「__………いいなぁ…__」
はなこがかさねの方を見ながら小さく呟く。
はなこ(…あー違う違う!!!2人は友達なの!!私は関係ない!!…何思ってんの私!!!)
かさね「……?」
ホームルームの時間。
シラナミ「サヨーナラー早く帰れヨー!」
生徒「先生が授業伸ばしたんでしょ!!!」
シラナミ「シラナイナー」
生徒「さよーならせんせー」
生徒がほぼ帰った頃。
はなこ「…ふう、最悪…授業10分伸びた……」
はなこ「七浦さん、帰ろ………」
バタッ
はなこ「……え?」
鈍い音と共にかさねが床に倒れた。
苦しそうだ。
はなこ「な…え、…ななうらさ………は…?」
シラナミ「保健室に連れて行け。」
はなこ「わっ…分かっ…た…」
はなこは意識がないかさねを保健室まで運んだ。先生はいない。
はなこ「七浦さん……早く目を覚まして……、」
不穏な雰囲気が大好きです。6話も多分すぐ出る
第6話 救いたい
少しの時間が随分長く感じた。
かさねが倒れ、保健室で二人きり。
かさね「…ん………」
はなこ「ぁっ…七浦さん!!だ、大丈夫ですか…!?」
かさねが目を覚ます。苦しくは無さそうだ。
かさね「ごめんね、急に倒れてぇ……」
はなこ「良いんです…でも、なんで倒れたのかなって…」
かさね「…学校作りのせいとかの貧血じゃないかなあ?」
はなこ「あ、確かに…!!ちょっと休んだ方が良かったですね…」
かさね「いーよいーよ、はい、帰ろ!」
はなこは立ち上がって帰ろうとするかさねの手を掴んで引き止める。
はなこ「待っ…で、でも…七浦さんは大丈夫なの…?」
かさね「…へーきへーき!よくある事だし?」
はなこ「じゃあもっと良くないです!!」
かさね「今までめっちゃ言われたそれ!w」
笑うかさねを見るのは久しぶりじゃないはずなのに、自分に向けられた笑顔が少し悲しげに見えた。
はなこ「………」
かさね「八川さん?」
はなこ「っあ、いやなんでもないです」
かさね「なんか思ってるでしょー?私に話してよ」
はなこ「…………その、私……」
今までにないほどに緊張する。
心臓の音が煩わしい。でも、何か違う感情。
はなこ「未来に来てから七浦さんと2人きりだったんで、七浦さんが他の人と仲良くしてるの………見てると……そ…の…、」
かさね「なあに?」
かさねの可愛い笑顔。
はなこ「その…なんか、嫌だなぁって……思っ…て…」
かさね「………え?」
はなこ(ぜっっっったい引かれた!!!!最悪!!!!!!)
かさね「な、なーに言ってるの!?///」
顔が赤い。初めて見た顔。
きっとこれは、嫌な感情じゃないのかもしれない。
はなこは決心した。
はなこ「なんか…嫉妬…?しちゃって…!嫌なら離れてください…」
かさね「い、嫌じゃないよ!!!う、…嬉しいよ!!!」
はなこ「……へ?」
かさね「未来に来てからすごい元気もらってるし、八川さんが居なかったら学校なんて出来てなかったから、だから、!」
かさね「私、八川さんの事好きだよ…?」
ガタ、とその時ドアが開く。
シラナミ「おーいそろそろ帰レー」
かさね「はーい!じゃあ帰ろ!」
はなこ「え、あ、は…い!」
何も言えない。恥ずかしい。
でも、とてつもなく嬉しい。
はなこはそんな事を考えながら上靴を出す。
かさね「帰ったら何するー?今日の晩御飯なんだろね!」
はなこ「そ…そう…ですね…」
かさね「そういえばそろそろ過去に戻る実験終わるんだっ…け?」
はなこ「あ、そうですよ!やっと帰れますね…!!」
はなこ「でも未来も楽しかったですねー!!また来たいかなあ?w」
かさね「もうこんな惨事嫌だよー!w」
シラナミ「おおオマエラ今から帰るのか」
はなこ「あ、はい!あと、研究いつ終わりますか?早く帰りたいんです!親とかも夏休みの事とかもあるので!」
シラナミ「アー、明日には出来そうだヨ」
はなこ「やった!やりましたね七浦さーん!」
かさね「めっちゃ笑顔じゃん!明日まで頑張ろう」
特に何事も無く後日を迎える。
2人はやっと現在に帰れるのだ。
今まで通りの生活を取り戻せる、2人の絆も深まる。
一石二鳥だ。
はなこ「なーなうらさん!!」
かさね「おっと、起きるの早いねぇ」
はなこ「そりゃやっと帰れるので!」
かさね「でもこっちの生活も楽しかった」
はなこ「はい!すごい楽しかったですー!」
シラナミ「おいはなこ、準備が出来たぞ。」
はなこ「はーい、帰ったら何しようかなぁ」
かさね「また普通に遊ぼうよ」
はなこ「じゃあ、帰りましょう!七浦さん!!!!!」
かさねに手を伸ばす。
かさねは、手を取らない。
かさね「私、一緒に行けないよ。」
はなこ「な、な…に言ってるんですか…?」
かさね「嘘じゃない。」
はなこ「だ、だって2人でここまで頑張ったのに、」
かさね「物理的には無理ではないんだけど、一緒にいれなくなるから」
はなこ「なんで…?なんでなんですか?なん、で…?」
かさね「……あー、」
かさね「私病気なんだよね。」
はなこ「…………は?」
初めて聞いた。初めて見た。
こんな真剣な話。真剣な顔。
くだらないことで笑い合って、何気ない日々を送っていたのに。
その中でのかさねの不穏な発言を思い出した。
───────────────────
「あーでも保健室も作ろ?」
これは昨日の倒れた時用の事だったのかもしれない。
「あは!ごめんね!ちょっと一緒に夏休み遊ばない?」
わざわざこの言葉を遠くまで連れて行ってから言ったのは、周りに聞かれないようにしていたからかもしれない。
「…学校作りのせいとかの貧血じゃないかなあ?」
これは病気という事を誤魔化していたんだ。
───────────────────
はなこ「な、治るんですよね?だから今は行けないんですよね?」
かさね「多分……治らない。」
はなこ「戻ってから治してもらったり…」
かさね「それが出来ないから八川さんとここに居るの!!」
はなこ「…え?」
かさね「私は未来人なの!!ここが生まれた場所なの!!!」
かさね「八川さんが居る過去に戻ったら私、病気が進行して死んじゃうから…!!!」
かさね「だから……ここに居るのに……」
かさねが珍しく少し泣いている。
はなこ「じゃ…あ、なんで過去に居たんですか、そのままいれば良かったじゃないですか、」
かさね「明日香が言ってたこと思い出してよ。」
今まで普通に聞いていた言葉が重く響いてくる。
「学校ぐらいの範囲ならバーチャルで作れるね。」
知っていたのは、かさねに連れてこられてしばらくしていたからかもしれない。
「かさねちゃん!!なんで…モゴッ」
なんでここに居るの?と聞きたかったのかもしれない。
はなこ「待って…よ…意味分からないです…」
かさね「あと私、過去と未来を行き来しすぎて病気の進行が未来でも進んじゃうようになっちゃったんだ。」
はなこ「待ってやめてください、じゃあ七浦さんはすぐに…」
かさね「うん、私3日以内には死ぬらしいよ。」
かさね「だから、私が死ぬまでよろしくね。雪女さん。」
はなこ「……え?、」
かさね「雪女。特徴は…青い目と白い髪の毛…」
はなこ「いやだから私は雪女じゃ…」
雪女みたい、かさねの何気ない言葉を思い出す。
かさね「会った時から思ってた、雪女みたいだなって」
かさね「救いたいっていう願い、交流を好まない、いずれ未来に来る。」
はなこの特徴と同じだ。
はなこ「だから……な…に…」
笑って言ってたことが、こんなに重要な事だったなんて。
かさね「雪女はね、未来に来たら帰れない。」
シラナミ「だから本の説明とはなこが似てた…んだ……」
はなこ「帰れ…ないって……嘘だ…じゃあ…え…」
かさね「死ぬまで一緒…的な?…お、重いか!w」
少し場を和まそうと焦っているのが分かる。
はなこ「じゃあ私っ、七浦さんの病気を治すから!!待っててよ!!」
かさね「八川さん…ありがとう。待ってる。」
はなこは早速研究所へ向かった。
自信満々な笑顔で。
シラナミ「………どうするんだ…」
かさね「__だから…治らないんだってば…__」
次多分最終話
最後まで2人を見ていて
最終話 今は
2人の最期を最後まで見届けてね。
待ってる。病気を治してくれるのを。
でも、はなこはずっと疑問を抱いていた。
どうして人を未来に連れて来ていたのか。
明日香と仲が悪そうだったのは無理やり連れて来ていたから?
かさね「八川さん?」
ふと気付くとかさねが顔を覗き込んでいた。
はなこ「っ…///いやなんでもないです。」
『私、八川さんの事好きだよ?』
あの言葉を思い出すと、いつであれど心臓がドキドキする。
……あれは、友情的にだったのかな?
はなこ「七浦さん…一昨日の…その……」
かさね「一昨日の?あー…えと…あれ?」
はなこ「その、それ…どういう意味だったのかなって……」
かさね「…なーんだと思う?」
イタズラな笑み。やっぱりドキドキする。
はなこ(私、七浦さんが好きなんだなぁ…)
はなこ「うれ…しいのは………恋愛的……か…な、…」
かさね「答えはねー」
胸が苦しくなってくる。これで違ったらどうしたらいいのだろう、と。
かさね「私が死ぬ時。」
はなこ「…あ…」
あ!と、それではなこが思い出す。
はなこ「そ、そうだ!私が七浦さんの病気を治すって話!」
かさね「あーね!八川さんに出来るかなあ…?」
はなこ「…で、出来る!出来ます!!」
かさね「楽しみ。」
そして、病院ができた。
なにか手助けがしたくて、でもはなこはそれぐらいしか思いつかなかった。
はなこ(私が子供じゃなければもっと助けられてるのかなあ)
悲しみで心がいっぱいになった。
もっと何かが出来たかもしれないのに。
かさねが死ぬまで残り3日。
はなこ「シ、シラナミさん!なんか…効く薬とかないですか?」
シラナミ「かさねの病気は初めてだったカラ、効く薬は分からない。無理に飲ませて悪化しても困るからネ。」
はなこ「じゃあ…私が作ります。」
シラナミは「危ない、はなこには出来ない。」そんな言葉を飲み込んだ。
シラナミ「ウン、じゃあこっちの部屋で一緒に研究しよう。」
はなこ「……正直、私に七浦さんが救えるかどうかは分からないんです。」
シラナミ「何でもそうヨ。」
かさねの今までの笑顔を思い出す。
こんな笑顔、もう見れないかも、と涙があふれる。
視界が悪くなる。
はなこ「でも…もっと私が大人だったら絶対救えるのかなって…」
震える声で言う。
シラナミ「大人でも出来ないことは出来ない。ワタシだってそう。救えたら今頃2人は楽しく過ごしてる。」
はなこ「そう…ですよね…」
シラナミ「ソウヨ。未来の事は誰にも分からない。もし今《未来》の時代になってもこんな未来があるかどうか知らない。」
はなこ「薬…少し医学は勉強してたので作り方は分かりますけど…何と何を合わせたら…」
シラナミ「時間が無くても、材料はいくらだってある。時間内に作ればいい。」
はなこ「教えてください。先生。」
シラナミ「んじゃ、理科の授業始めるか。」
はなこ「お願いします!」
薬は簡単には作れない。そりゃ何回も失敗をした。
何時間も、ご飯さえも忘れて研究し続けた。
その間に千早がご飯を差し入れてくれた。
制限時間は残り1日になった。
これでかさねの病気が治っても、はなこは帰れないけど。
はなこ「これ…で良いんですよ、ね…?」
1つだけ、ちゃんとした薬ができた。
シラナミ「…アァ、ちゃんと薬が機能するかは本当に2分の1なんだが、試す価値はある。アンタの恋人を守るためナラネー」
はなこ「っは!?付き合ってませんって!?!!?!///」
シラナミ「へへ、じゃあ頑張ってこいよ。はなこ。」
はなこ「っ…はい。」
はなこは大急ぎでかさねの元へ向かう。
息が切れても、転けても、雨が降っても。
病院へ着く。かさねの病室へ向かう。
ガラッ
ドアを強く開ける。
かさね「………」
はなこ「…七浦さん…?…寝て…る…?」
生きてるのか死んでるのか、本当に心配だ。
早く答えを教えて欲しい。死ぬ時に教えると言っていたのに。
はなこ(教えてよ、起きてよ。)
かさね「うーん、ぅゲホッ…あ、八川さーん!!」
表情はいつも通り、でも泣いたであろう顔。目のクマ。
はなこ「その…薬が…出来たんです。」
かさね「…!!!!良かった…死ぬまで会えないのかと。」
かさね「会えて良かったぁ…」
はなこ「シラナミさんと一緒に作ったんです。そのせいで時間を使いすぎたんですけど…」
かさね「ありがとう、私なんかのために。」
はなこ「いいんです、私だってもう帰れないので。」
かさね「……ごめん、ごめんなさい…私が未来に連れて来たせいで…」
はなこ「私はいずれ未来に来るって本に書いてたので大丈夫です。」
かさね「……じゃ、じゃあ…その…薬…」
はなこ「は、はい!どうぞ…」
かさね「…ふふ、見た事ない色してる。ペットボトルみたい。」
はなこ「ちょ、ちょっと意識しました!」
かさね「ありがとう、じゃあいっただきまーす!」
かさねが口に薬を入れ、水を飲む。
はなこ(だ、大丈夫…かな…?悪化したりしないよね…)
かさね「………うん!…治るかどうか分かんないけど、作ってくれてありがとう。」
はなこ「、はい!じゃあ明日まで待ってます。」
はなこが病室から出ようとした。
だが、
かさね「待って…あの…」
はなこ「…どうしました?」
かさね「その…ここに…居てほしいなって………寂しい…から。」
はなこ「っ〜〜〜〜〜!!!/////もちろんです!!!!」
かさね「ありがとお…」
数十分。少しの会話と多くの沈黙が続いた。
残り18時間。
はなこが時間を見る。
はなこ「あっあの……私…」
かさね「なあに!」
はなこ「私…七浦さんと出会ってからずっと楽しくて…その…」
かさね「答え合わせを言うまでその言葉、待って?」
人差し指がはなこの口元に触れる。
体温を感じる。
はなこ「わっ分かりました!、///」
それからは二人で思い出話をした。
あの先生怖かったよね、あの時すっごい笑ったよね、
話しきれないほど、楽しい思い出だった。
気付けばもう時間が無い。
残り5分。
そろそろ来る、最後。そして、答え合わせ。
かさね「もうお別れだね、……じゃあ、答えを言うね。」
はなこ「っはい…」
心臓の音が煩わしい。うるさい。怖い。
聞きたい、でも違ったらどうしよう。
はなこは不安な事しか頭によぎらなかった。
かさね「私、八川さんの事好きだったよ!!」
はなこ「好きだった…?か、過去形ですか…?」
頭の中が真っ白になった。やっぱり気持ち悪かったかな。と。
はなこ(ど、どうしよう、最期まで…楽しませたかったのに…っ!)
かさね「今は……はなこのこと愛してる!」
下の名前で呼ばれた。最初で最後だった。
はなこ「……ぁ……わ…私もかさねのこと…す、すごい愛してる……!!!!!」
涙があふれる。かさねの最後の表情は見れなかった。
でも、笑顔だった。はなこもかさねも2人とも。
はなこ「ありがとう…ありがとう……!!かさね…七浦さん……大好きです…!!!!」
はなこ「何千光年先でも一緒にいてください…」
かさね「もちろん!」
はなこ「っ…またね!!」
かさね「またね」
ピーーーーーーーーーー
答えとともに、終わりが来た。
見てくれてありがとうございました!!!
やっと処女作が完結した…
思いどおりの結末にできてよかった。
じゃあまたどこかでー!