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竹取桃語―芥川こころの赴くままに・エピソード1
芥川遼太郎之介
「芥川こころの赴くままに」シリーズの一篇、芥川こころちゃん体験談です。
実際の一回目と二回目のご対面で味わった出来事を束ねて、竹取物語の語り口と白桃のイメージをもとに、ひとつの「初見の物語」として御伽話風に綴った短編になります。
今は令和、竹取の翁、よろずのことに疲れ果て、心荒みて力尽きむ心地す。癒し求めて、パラレルの世へ続くといふシティ・ヘ・バンブーの竹林を彷徨(さまよ)ふ。光る竹灯籠に辿り着けば、照らす先、宝漫倶楽部なる舘在り。門・竹垣の隙より中覗ひて見れば、あまた仕へる女房より、ひときは心に迫りたるこそ在りけれ。無垢なるけはひ(気配)、桃色チークのいと愛らしきなるは、父性擽ぐる赤ちゃんの面持ちなりて、見惚れること限りなし。衛士に請ひて連れて参らせば、突如赤子の姿となりぬ。パラレルの世の摩訶不思議なり。抱きて連れて帰りて、産湯(混浴)、食い初め(飲食と飲酒)、お宮参りにて御朱印を授かる。白く、ふくよかなるは白桃の如し。名をば、白桃のこころ姫とつけつ。おほかた成長の儀、執り行へば、此度(こたび)は、暫(しば)しも経ぬうち、よきほどなる人になりぬる。指先にいと雅なる装飾あり。まことに可愛らしきものにて候。何と名づくるものにて候や?これなるはネイルと申すものにて、わらわの心にかなひたる業にて候。のどやかに、ゆるやかなるさまにて、かく答へしのち、ただ、ネイルのみ残して、肌、露わにして床(とこ=ベッド)に入る。我、慈しむことに没入し、愛でることに陶酔す。うるはしく実りたるふた房の果実。両手(もろて)に取りたれば、いと柔し。つややかにて、すべすべなる白牌、ほころびよりあふる蜜、無味無臭。まことにもて、尊く清らか。えもいはれぬ極上の味はひなり。至福に満たされる時、久しからず。転(うたた)寝の夢の如し。我が独占より姫、リリースとなり、我も憂き世に還俗す。夢から覚めて思ふ。なよ竹のかぐや姫、竹取物語にて、漢どもの求愛に無理難題を課す。白桃のこころ姫、我が憂き世にて、日々求愛する漢どもを悦ばせる。さは避けられぬと覚ゆるも、さは思ふべからずと戒むる。惜別と諦観の句→映え日記(にき)に、みたよ😊、推し(押し)活、憂き世哉(かな)...しがなき仕へ人、パラレルの世には容易に赴くを得ず。月の満ち欠け三周半、みたよ😊百推し(100押し)数ゆるまで、堪えて憂き世に忍ぶべし。持続可能の訪問ペース、理性保ちて守るなり。乞ひ願はくは、のぞみ叶へ給へ。次もまた彼女に逢へますやふに。かぐや姫の月の世界へ去ってしまいませぬやふに。
作者より。
竹取桃語は、こころちゃんとの初めての出会いの記憶を、実際の一回目と二回目のご対面から少しずつすくい上げて、ひとつの御伽話に編み直した一篇です。
赤ちゃんのように無垢で、白桃のようにやわらかなほっぺに触れたときの驚きと安堵を、竹取物語ふうの語り口でそっと包み直してみました。
現世の体験談でありながら、どこか中有のような場所で福の神様に出会った気持ちを、少しでも一緒に味わっていただけたならうれしく思います。