公開中
クリスマスの砂糖菓子 前編
「……雪だ」
高校の校舎を出たところで、ちょうど雪が降り始めた。私──|姫清穂乃花《ひめきよほのか》が雪に手を伸ばせば、雪は手袋の上で踊るように舞ってから溶けた。
「なぁ、穂乃花」
その声に振り返ると、そこには私の幼馴染・|大塚祐介《おおつかゆうすけ》(私は祐って呼んでる)がいた。
「その、今日この後、駅前のデパートに行かないか?勉強会しようぜ」
「勉強会?」
全く自慢じゃないけれど、頭がそこまで良くない私から祐を勉強会に誘ったことはある。でも、定期テストで毎回のように上位の祐から勉強会のお誘いが来るとは。明日は雪が積もるかもしれない。
「オッケー。今日のいつくらい?」
「そうだな……五時くらいに入り口の広場集合でどうだ?」
………五時……。今日は冬休み前日だから、五時には日が暮れかけていると思うけど。でも、冬休みの課題の範囲に頭を抱えた私は、このお誘いは断れない。
「分かった。今日の五時に広場集合ね」
祐に手を振って、腕時計を見る。今は、三時二十七分。
「穂乃花~?見~た~よ~?」
後ろから声を掛けられて振り向くと、親友の|森村花音《もりむらかのん》がいた。
「見た、って……さっきの?」
「そうだよ!だってさぁ~、穂乃花がデートに誘われたんだよ!?しかもあの大塚君に!しかもしかも、クリスマスに!!絶対に大塚君、穂乃花に告白するつもりでしょ!!」
正直信じられないことに、祐は頭脳明晰、運動神経抜群、そしてイケメン(これはちょっとよく分からない)なので、それはもうモッテモテ。
だからまぁ、花音や他の女子達からしたら、そう見られるのかもしれない。私が祐にデートに誘われてるって。
でも、他にもびっくりなことがあった。
「……今日ってクリスマスだったんだ」
以上、初投稿でした。
なんか短いですが、キリはいいのでここまでにします。
誤字・脱字、変なところがあったら教えて下さい。
次回以降、投稿頑張ります!