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*別視点 祐介・花音
「クリスマスの砂糖菓子」の祐介視点と花音視点です。
祐介視点は穂乃花に告白したところからの祐介目線のお話。
花音視点は、麗斗と行ったケーキ屋の店内で穂乃花と祐介を見たときのお話です。
side 祐介
正直、少し夢みたいな話だと思う。
穂乃花に告白して、オッケーを貰って。
ケーキ屋でケーキを注文しながら、穂乃花にばれないように小さく溜息をつく。
溜息は、告白したことを後悔するものじゃない。むしろ、付き合えても振られても、告白したことは後悔しなかったと思う。
この溜息は、二つのことに関係している。
ひとつは、穂乃花は俺が好きというより、恋人という関係を知らないから俺と付き合おうとしてくれたんじゃないかと思うことだ。まぁ、俺も恋人という関係はよく知らないけどさ。
そしてもう一つ。穂乃花に格好つけようとしてクリスマスケーキを奢ることになったけど、穂乃花に渡したプレゼントとラッピングの代金を思うと、手持ちの金で足りない気がする。足りなかったら、色々と恥ずかしいことになると思う。
しかも、プレゼントも穂乃花がもう買ってたらしいし……。まぁ、この心配が杞憂に終わることが殆どだけど。
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side 花音
麗斗と一緒と入ったケーキ屋で、穂乃花と大塚君を見つけた。
「あ、麗斗。あそこに私の友達と……その彼氏がいる~。あっち行こうよ」
「ん?あれ、って……大塚と、姫清だっけ。あの二人、クリスマスデートするようなカップルだったんだな」
「……麗斗。あの二人、大塚君の方が今日告ったらしいよ?」
「……マジか。大塚、姫清に惚れ込んでいたけどな」
……わ、あの大塚君がプレゼント送ってる。……おわ、穂乃花はもうそれを買ってたって?……仲良いなぁ、お幸せに。
「……声掛ける?」
「……あれを見続けるよりは、声掛けた方が良い」
ラブラブなところ申し訳ないけど、穂乃花。怒んないでね?
「あ!やっほ~、穂乃花、大塚君」
私はいつもの『脳天気ちゃん』なトーンで、ついさっき見つけた風に声を掛けた。