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拝啓、赤い天使様へ。
誤字脱字等はお見逃しください!
捏造こみこみです。それでもいいという方はどうぞ!
「あ、とんちやっほ〜!」
「おあ、大先生か。ちゃんと仕事しとるか?お前」
「してますよ〜」
いつもと変わらないような会話をする自分達の仕事とは、上から人間を見守ること、資料の作成や最高神の護衛などさまざまな仕事がある。
「今日も平和、平和、平和やな…」
秒針が時を刻む音がする。
かち、かち、かち、と一定のリズムを保つそれは自分達にとっては必要な物であることは変わりなくて。気づけば知らない人が人間界には溢れかえっている。
「大天使任されたけど、俺なんかでよかったんかな…」
大天使の名を授かった俺はまだまだ実力が足りないと思う。少し背伸びをしたらみんなが憧れるような大天使にもっと近づけるだろうか?
「とんちすごい難しい顔さっきっからしとるけど大丈夫?」
「ちょっと考え事しとってん。特に問題はないで」
「ならええねんけど。」
大先生からもらったこのマフラーも、生まれた時から持っていた翼も、もう今ではどうでもよく思えてしまう時もある。
誇るべきであろう翼は、醜く汚れてしまうのだから。
「おもろい人間どっかにおらんかな…」
なんて独り言を呟き泉を見下ろした。
「あの人間おもろい服装しおるなぁ。
はえ〜軍人さんなんね、戦争とかするんやろか…」
見つけた人間は、金髪で赤眼の人間だった。だが、彼には今までに見てきた人間よりも、どこか引き込まれてしまうような魅力がある。
「ちょっとおもろそうやから降りて会いに行ってみようかな」
…なにを言っているんだ自分は。降りてしまえば天使の翼を汚すのとほとんど同じことだ。
200年も綺麗に保ち続けたこの翼を、汚すことなどそう容易くはない。
「バカやなぁ…」
そんなことを一度でも思ってしまった自分は
汚れかけているのかもしれない。
そんなことを考えしまう自分が嫌になってくる。なぜそんなことしか考えられないのだろうかと。
「でも、降りてみたいもんは降りてみたいよなぁ…」
一度だけでいいから彼と話してみたいと思った自分は天界から人間界へと降りることを決意する。
「もしもコレが間違った選択だとしても、
奇跡がまた私を導いてくださることを。」
「よし、行ってみるかぁ!」
勇気を出して一歩足を踏み出してみる。
「とんち!!」
「大先生?」
「どこ行くつもりなん!?人間界ちゃうやろな!?シッマに言わんくてよかったん!?」
焦った表情で大先生は俺を見つめてくる。
彼がいうシッマとは、最高神に仕えている三大神が1人である者であり、よく最高神に伝えてほしいことを彼に伝えてもらうように頼むことがある。
そいつはよく不真面目に見えるのだが根は真面目だ。不真面目を装った真面目。
「あぁ。ちょっとあの人間が気になっただけやねん。」
「ちょっと気になったじゃ済まんくなるかもしれんよ?それでも行くん?」
「ああ。」
「…そっ、か。じゃあ、シッマには僕から言っとくよ。最高神には言わないでもらっておく。」
「ありがとう大先生。じゃあ行ってくるわ。」
「行ってらっしゃい。ちゃんと帰ってきたらただいまって言うんやで!!」
「おうよ!!」
と大きく返事をした自分は泉の中へと飛び込む。
「うおっ、風つよっ!?」
思ったよりも人間界の風は強く、身につけている赤いマフラーが左右へとよく動く。
「はえ〜…おもろいなぁ」
自分はそう思った。
こんなに心地よい風を感じた事は今までになかった。めちゃくちゃ気持ちいい〜っ
「あ、いたあの人間!でもどう近づけばええんやろ…」
うーんと唸っているばかりで案は一向に思い浮かばない。一体どうしたらええんやろか…と
森の切り株に座って考えていると、
「え、」
「あ、」
「てんっ、え、天使…」
「あー!!見なかったことにしてや!!」
「いや無理なんだが…。の前にお前は本当に天使なんだな?」
「そうやで。俺はトントンや。よろしゅうな」
「私はグルッペンと言う者だ!トントンか。
よしトントン、お前俺の軍に来てみないか?」
いつか興味を持った彼はやはり軍人だったようで。話を聞けば「総統」なんだとか。
だから自分の国をもち、その国は今は無敗のようで。
「俺、頼りないで?」
「そんなもの関係ないゾ!私がお前を気に入ったから今こうして誘っているのだ。」
「…後から後悔しても知らんからな」
「絶対後悔しないさ。」
こいつのためならば俺は、この翼が折れてしまってもいいと思った。
こいつがもしも危ない目に遭った時、こいつがもしも俺をいらないと思った時。俺はこの翼を差し出す覚悟はできた。
「ええで。お前のためにこの翼を精一杯広げさせてもらいますわ。」
「ふっ、行くぞ」
「仰せのままに。」
俺が忠誠を誓ったそいつを、百年先もこの思いは消えないままで、いま自分が出せる全力をいつでも使えるように。
「あ、四葉のクローバーやん。」
と言ってしゃがんで四葉のクローバーを取ったのはいいものの、それをどうするんだ?という疑問が浮かび上がる。
「それどうするん?」
「んーお前にあげる!!」
「え、でも」
「でもちゃう。私からの贈り物だゾ!」
「はぁ…」
普段は貰ってもあまり嬉しくないものだが、なぜか今はものすごく嬉しく感じた。
自分は、割れ物を扱うように、ぎゅっとクローバーを握りしめた。
どうしても嬉しくて上がった口角が下がらない。見られてしまったらどうしようか。
「バレバレだぞ。トントン」
と、誰よりも天使のような笑顔で、|主役《か れ》は微笑んだんだ。
誤字脱字は見逃してくださいっ