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幼馴染のツンデレくん ep.9 まずは友達から
熱川莉乃ちゃんの恋愛エピソード、意外とすぐ終わるらしいです(他人事)
ある日の昼休み、私が美結とご飯を食べようとしたら
私も一緒に行っていい?って熱川さんに聞かれたから、断れずに…
私、美結、熱川さんの3人という謎のメンバーで昼ご飯を食べることになった。
「へぇ、熱川さんって黒瀬のこと好きなんだ。なんか見た目と好きになるタイプの
イメージがあんまり繋がらないかも?」
「転校する前にもそんな感じの人が好きになって、その時も似たようなこと
言われた気がするー!これがあたしのタイプなのに!」
「それはごめん。」
気まずくなるのを想像してたけど…意外と美結と熱川さんって相性いいのかも?
「んで、ここからが大事な話。あ、桂ちゃんもちゃんと聞いといてよ?」
「もちろん!」
「早いかもしれないんだけどさ、あたし、黒瀬くんに告白すること考えてて。
どう告白したらいいと思う?」
「「どう、って…」」
多分私と美結が考えたことは同じだと思う。
まず、私たちは彼氏いない歴=年齢だ。
だから、告白するとかされるとか、わかるわけがない!
「ごめん、私たち告白とは無縁だから、わかんない…!」
「えーでも、少女漫画とか読んでたら大体ってのはあるくない?」
「確かに…」
美結が困ってるような反応をした。
でも…大和のことでこれ以上言っていい気がしない。
確か大和、告白されることを嫌がってるっぽい?ケースが多かった気がする…
「熱川さん、私たちに聞いてもそれは熱川さんの告白じゃないよ。
だから、私たちには相談せずに、自分で考えた方がきっといいよ!」
話をやめる方向で納得してもらえそうな言葉を考えた。
「確かに!ごめんね、2人とも。あたしはあたしの告白をしないとね!
桂ちゃん、いいこと言ってくれるじゃん!」
「そうかなぁ…?w」
そこで熱川さんの恋愛の話は終わり、別の話題に変わった。
まさか、もう告白するみたいになってるとは思わなかった…!
帰り道、今日は私と美結の2人で帰った。
「胡桃はさ、熱川のこと内心どう思ってる?」
「え?んー…正直言うと、ちょっと苦手かも。
明るすぎてたまに置いていかれそうになっちゃうから…
恋愛を手伝ってるのも、実は頼まれたからってだけなんだよね、あはは…」
なんで私、引き受けちゃったんだろうな。
「それは仕方ないかー。
ちなみに今更って感じなんだけどさ、胡桃って黒瀬のこと好きなの?」
「…まあ、幼馴染というか推しというか…恋愛ではないんじゃない?」
「そうかぁ…じゃあ推しが付き合うのを見れるのは幸せってこと?」
「それが、何だかモヤモヤするんだよね、推しの幸せは自分の幸せ同然なのに。
何でか応援できないんだよね…」
「それ、黒瀬のこと恋愛的に好きってことじゃない?」
「…え?」
それはない気が…?
「だって、それ、独占欲みたいなもんじゃん。」
「いや、同担拒否だったら恋愛じゃないし…」
「今決めないで、一度真剣に考えてみて。恋だよ、きっと。」
「いやいやそんなわけ…まあ、考えるだけ考えてみるよ?」
「よし、じゃあこの話は終わり!」
多分同担拒否になってるようなもんだと思うけど…
「__黒瀬はきっと胡桃のこと気になってるんだろうけど…胡桃ってほんと鈍感なんだから。__」
「美結、何か言った?ごめん、聞こえてなくて…w」
美結が小声で何かを呟いたけど、聞こえなかった。
「え?私何か言った?多分独り言w」
「それならいっか!」
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〈Side 熱川〉
美結ちゃんと桂ちゃんに相談してから2週間くらいが経った。
今日、あたしは黒瀬くんに告白をする。
場所は美結ちゃんと桂ちゃんに自分で考えろ!ってアドバイスを受けて…
放課後、あたしと黒瀬くんが最初に出会った教室の今の席にした。
正直、この気持ちは実る気がしない。
だって、明らかに黒瀬くんは胡桃ちゃんのことが好きそうだもん。
あたし、そういうの勘が鋭いから分かっちゃうんだ。
でも、告白すれば何かが変わるかもしれないって思って、
あたしのこの気持ちが変わらないうちに気持ちを伝えてみようと思った。
「緊張するなぁ…!」
ドアが開いて、黒瀬くんが入ってきた。
「黒瀬くん、こっち来て欲しい。」
「おう。」
黒瀬くんがいつもの席についた。
「何か見せたいものでも?」
頑張れ、あたし。
わざとくらい、大きく息を吸った。
「単刀直入に言うとね、あたし、黒瀬くんが好き。」
息を吸った分の声量は出なかった。何なら、ちょっと小さい。
黒瀬くんの反応は…ほぼ、いつものポーカーフェイスのままだ。
「ごめん、俺、その気持ちには応えられない。」
黒瀬くんは、まっすぐな瞳で私を見て、そう答えた。
「…だよね、だって黒瀬くん…あの子のこと、好きだもんね…?」
「…気づいてたのか。」
「まあ、この場では誰とまでは言わないけど?」
「…ごめん。」
「いいよ、あたしが勝手に告白して振られただけだし。
…あのさ、もう1つ、いい?」
「まあ、内容による。」
「あたしと、友達になってください!」
「友達ならいいよ、なろう。」
「ほんと!?」
「俺こそ、本当は普通に喋れるのに…
人見知りとかで熱川さんの言葉に単語でしか返せなかった。ごめん。」
「あはは、そうだったのね…!」
「あ、俺、この後用事あるんだ。急がなきゃ…」
「え、そうだったの!?引き留めてごめん!」
「いいや、いい。じゃあ、また明日。」
まさか黒瀬くんから『また明日』とか言われるなんて!
「っ!また明日!」
テンポが悪くならないように、あたしはすぐに返事を返した。
黒瀬くんが教室を去ってあたしは一人、教室に取り残された。
…あたしの恋、ダメだった。
友達になれてよかったのに、なんでだろう、涙が出てくる。
「う、うぅっ…」
悔しい、そして、納得の結果で安心した。
「ご、ごめんね、桂ちゃ…
黒瀬が桂ちゃんのこと好きなの分かってて協力させちゃって…
本当に、ごめんなさい…!」
まだ桂ちゃんは黒瀬くんのことを見ていないだろうけど…
そうだ、桂ちゃんたちとも普通の友達になろう。
…あたしは本当に、性格が悪い。
涙を拭いながらカバンを持って席を立ち、教室を出た。
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