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ララバイ、おやすみのあとで
▶シチュエーション
優柔不断な#受けの名前#が、好意を向けてくる二人(優しい#攻め1の名前#と荒い#攻め2の名前#)の間で、以前に三人で読んだ本(恋愛小説)の影響により、告白に対する態度を曖昧にした結果、図書室で逃げ場なく迫られ、どちらかを選ぶよう心理的に追い詰められてしまうシチュエーション
#受けの名前#……敬語キャラ(+優柔不断)
優しい#攻め1の名前#……一人称:僕 / #受けの名前#君(または、君)
荒い#攻め2の名前#……一人称:俺 / #受けの名前#(または、お前)
図書室の窓から差し込む午後の陽光が、埃の粒を白く光らせながら、#受けの名前#の机に落ちている。その静謐な光景とは裏腹に、#受けの名前#の耳元には、二人分の熱い吐息が逃げ場のない包囲網として完成していた。
「……#受けの名前#君。耳、熱いよ」
#攻め1の名前#の長い指先が、#受けの名前#の髪を掬い上げるようにして耳の裏を掠める。図書室の冷たい空気で冷やされていたはずの指先が、今の自分には焼けるような熱量を持って感じられた。
「#攻め1の名前#、ずるいなぁ。俺も混ぜろよ」
#攻め2の名前#が反対側から#受けの名前#の首筋に鼻先を近づける。スパイシーな香りが肺の奥まで入り込み、#受けの名前#は反射的に肩を竦めた。二人の間に挟まれた小さな空間は、周囲の静寂から切り離された異界のようだった。
「……やめて、ください……」
消え入るような声で#受けの名前#が呟く。それは拒絶というにはあまりに弱々しく、むしろ二人を煽るような響きを含んでしまっていた。
「やめる?なんで?君が『また今度、考える』なんて思わせぶりなことを言うから、僕たちは答え合わせがしたくて堪らないんだよ」
#攻め1の名前#の声には、いつもの穏やかさの中に、一歩踏み込むことを決めた男の鋭さが混じり、更に#攻め2の名前#の言葉が畳み掛けるようにして重なっていく。
「そうそう、お前が顔を真っ赤にしている間にも……な」
逃げなきゃいけない。立ち上がって、この場を去るべきだ。頭では分かっているのに、両側から向けられる体温と、机の下で重ねられた#攻め2の名前#の手、そして#攻め1の名前#の射抜くような視線に、身体が石のように固まって動かない。
「……#受けの名前#」
#攻め2の名前#がさらに顔を寄せ、#受けの名前#の視界を自分の存在だけで塗りつぶそうとする。
「……今、この瞬間、お前の頭の中にいるのは誰なんだ?」
「それは……」
「俺?それとも、#攻め1の名前#?」
#攻め2の名前#が耳元で低く笑う。
#受けの名前#は、本に視線を落としたまま、ぎゅっと目を開いた。活字はもう、ただの黒いシミにしか見えない。自分の内側から溢れ出す熱と、外側から押し寄せる二人分の甘い毒。それが混ざり合い、境界線が溶けていく。
「……分からない……です……」
その、掠れた、諦めに似た呟き。
#受けの名前#がゆっくりと本の上に顔を伏せると、#攻め1の名前#と#攻め2の名前#が顔を見合わせ、満足げに口角を上げ、#攻め1の名前#の唇が動く。
「前に読んだ本みたいに、やってみれば分かるかもね」
#受けの名前#の赤く染まった首筋を晒し、二人の男の気配に身を委ねるその姿は、どこかで読んだ『恋愛物語』の完成を、何よりも雄弁に物語っていた。図書室を抜ける風は、少しずつ、夜の気配を帯び始めていた。