公開中
アウダスの彼方へ 第三部 ズウェズダ探索編
とある町のとある人物
アウダスの彼方へ 本伝 第三部 ズウェズダ探索編
---------王朝人との再開---------
第一部 出発
レオンの観測から数十年後。
新たなる冒険が始まる。
行く先は、古アウダス王朝も旅立った先。
ズウェズダ。
旅立つ船は…
ズウェズダ・アウダス。
船長は、
アリウス・ウェンシュタイン。
そう、
アレクシウス・ウェンシュタインの息子。
今日は出発の日。
職員たちは、慌ただしく用意する。
広場には、数万人の人々。
船長アリウスのスピーチ。
「僕の祖父は、仮説を立てました。」
「父は、未知の空間を旅しました。」
「だから、僕も未知に向かって行きます!」
大きな拍手。
アリウスが船に乗り込む。
それに続いて、数百人のクルーが船に乗り込む。
そして、船は空に飛んだ。
広場は、歓声を上げる。
やがて船は空に消えた。
第二章 ズウェズダへの旅路へ続く
第二章 ズウェズダへの旅路
船は、三十光年のズウェズダへの旅路を数時間で着く予定だった。
亜空間航行という古アウダス王朝と同じ技術を使って。
出発から二時間ほどたったころ、
「警告!前方に古アウダス王朝遺跡!」
艦内に警告音が響き渡る。
「何事だ!」
アリウスは艦橋へ行き、部下に聞いた。
「正面に超巨大なリング状の建造物が!」
建造物の中心に、映像が映し出される。
その映像には、一人の女性が写っていた。
「私はイリーナ。3.5次元理論を研究していた科学者。」
そう。あの論文を書いた、イリーナだった。
「もう、ズウェズダに人はいません。」
艦橋は沈黙した。
第三章 宇宙の波へ続く
第三章 宇宙の波
「宇宙の波が来たのです。」
「その波は、無音で惑星を消します。」
「その波を、「真空崩壊波」と我々は呼んでいます。」
「きっと、いつかフェデウにも来るでしょう。」
「我々はこのゲートを使い遠くの銀河へ移住しました。」
機械の警告音がまた艦内に響く。
「警告!警告!真空崩壊波、ゲートの奥から接近!」
アリウスは叫んだ!
「全速力で後退!」
「いや、間に合いません!」
その時、ゲートに青い光が薄い膜を作る。
イリーナが叫んだ!
「このゲートは、我々が移住した銀河へつながっています!」
アリウスは一瞬ためらい、決めた。
「ゲートへ全速前進!」
皆、目をつぶった。
もしかしたらゲートが壊れていて、宇宙船ごと消滅するかもしれなかったからだ。
次に目を開けると、全員が驚いた。
飛び交う宇宙船たち。
ネオンでいっぱいの惑星。
超巨大ホログラム。
案内アンドロイド宇宙船が飛んでくる。
「識別番号をお教えください。」
アリウスは即答する。
「新アウダス帝国の宇宙船です。」
第四章 アウダス星間連邦へ続く
第四章 アウダス星間連邦
「こちらをご覧ください。」
そこには、地図があった。
地図の通りに行くと、歴史館があった。
入り口前に広場の中心に石があり、こう彫られていた。
”故郷とは、想いや感情を伝えるすべての場所である。”
かつてと変わらない言葉。
紋章は…
八個の星。
古アウダス王朝の頃より、真ん中に一つ増えている。
増えた星の意味は、新銀河の希望の星だそうだ。
中は、フェデウ時代から、内戦、ズウェズダ、星間連邦。
フェデウから持ち出された最初の王旗。
アウダス七世が使った剣。
イリーナの論文の原本。
アレクシウスが持ち帰った父の研究ノートの複製。
すべてが記録として残っていた。
記録として。
実際のことを記憶している人は少ない。
それほど、何世代も歴史は続いている。
「まもなく到着します。」
機械の無機質な声。
第五章 真空崩壊波へ続く
第五章 真空崩壊波
そして、イリーナの孫が来た。
「もうすぐ、この銀河にも真空崩壊波が来ます。」
クルーは驚いた。
しかし、アリウスが言った。
「今度は逃げるだけでは終わらせない。」
イリーナの孫は少し躊躇い、言うことを決めた。
「一つ、情報があります。」
「ここへ、行ってみてください。」
大きな宇宙地図を取り出す。
それの一点に、白い点があった。
---------そこは、通称ポイントゼロ。
何もわからない。
送った探査隊は一つも帰ってきていない。
一つも。
アリエルは決める。
「行きましょう。」
クルーたちが動揺する。
それでも、アリエルは続ける。
「私の父がそうだったように。」
クルーたちは静かになった。
第六章 ポイント・ゼロへ続く
第六章 ポイント・ゼロ
その時、星間連邦のアラートが鳴る。
赤いランプが禍々しく光る。
全てのホログラムが黄色い警告に変わる。
スピーカーの音。
「銀河外周に真空崩壊波が到達!」
イリーナの孫が叫ぶ!
「行ってください!」
船は空に再び旅立つ。
惑星フェデウ。
惑星ズウェズダ。
星間連邦。
思いが、線となる。
船は、星間連邦の技術で速度が上がっていた。
ズウェズダ・アウダスは光を超える速度でポイント・ゼロへ進む。
途中、星間連邦の探査隊の船が何隻も壊れて破片とともに宙を舞っていた。
そして、ポイント・ゼロに着く。
第七章 銀河の正体へ続く
第七章 銀河の正体
そこにあったものは…
大きな球状の建設物だった。
それも、星間連邦のものでもない。
未知の技術で、常に自己生成をして大きくなっている。
そして、一つの無線が入る。
「あなた達のような方が来るのを待っていました。」
「ここのドックへ入ってください。」
無線と同時に座標が送られる。
アリウスは迷わず決断した。
「この座標へ行け!」
「全速前進!」
ドックに入り、船から出たクルーたちとアリウス。
すると、一つの機械が通路の奥からやってくる。
「第十八文明、確認しました。」
第十八文明という言葉にクルーが動揺する。
「私はオリジンAIです」
「この銀河は、実験場です。」
「文明がどこまで進化するのか、それを観測するための。」
第八章 実験結果へ続く
第八章 実験結果
アリウスは質問する。
「我々が十八番目ということは、一番目から十七番目はどこへ?」
オリジンAIは答える。
「選択しました。」
「実験結果を表示します。」
一番文明から十七番文明の「選択」が表示される。
すべて、滅亡か存続の選択をしている。
「どういう意味だ!」
アリウスは叫ぶ。
すると、機械の声が聞こえる。
「彼らは、ただ選択しただけです。」
「文明の実験の最大の選択を。」
アリウスは聞く。
「じゃあ、真空崩壊波も実験の一部か?」
「いいえ、次の宇宙へ資源を受け渡すのです。」
「すべての宇宙の物質は有限です。」
「我々の技術でも物質を無から生み出すことはできない。」
「だから、真空崩壊波で次の宇宙へ物質を受け継ぐ。」
第九章 選択へ続く
第九章 選択
「あなたたち第十八文明も選択してください。」
「選べる道は、二つです。」
「一つは今この宇宙を消し、次の宇宙へ物質を受け継ぐ、滅亡の選択。」
「もう一つは今消さずに残す、存続の選択。」
「存続を選択しても、いつか宇宙は熱的死を迎える。」
「それは、静かな死。」
「どちらを選んでも、いつか宇宙は消え、次の宇宙へ物質を受け継ぐ。」
「あなたたちは、どちらを選びますか。」
「滅亡と存続の二択から。」
間も無くアリウスは選択した。
「私たちは、滅亡を選びます。」
クルーは動揺する。
「まだ生きれるならば、生きたい!」
その言葉を遮るようにアリウスは答える。
「でも、ただ消えるわけではありません。」
最終章 アウダスの彼方へ
最終章 アウダスの彼方へ
「何も残さずに消えるわけではない。」
「想いを、受け継ぎます。」
オリジンAIは認識する。
「第十八文明の選択を認識しました。」
「第十八文明の成長は、想像以上でした。」
その時、ポイント・ゼロから強い光が一直線に伸びた。
まるで、フェデウから旅立つ宇宙船団のようだった。
その光は、星間連邦の上を通り、
ズウェズダの衛星の真横を通り、
故郷のフェデウの近くを通り、
宇宙の果てへとつながっていた。
そして、十九個目の宇宙がやがてできて、また選択するだろう。
きっと、同じ受け継ぐ選択を。
アウダスの彼方へ 完