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1−5 食事
今日は詰め込みまくったので文が読みづらいかもしれないです。
すみません!
まずい、とアクアは思った。
アリシアがどこでリングをもらったか、考えていない。
よく分かっていなさそうな笑顔を貼り付けながら、必死で考える。
確かに質の良さそうな宝石ではあるが、ルーナが普段遣いしていたのでそこまで価値が高いと思わなかった。伏し目がちで悲しそうな表情をして、言葉を選ぶような仕草をして時間を稼ぐ。
(えぇと、アリシアは村長の親戚よね。それなら......)
「わたしの祖母が昔、お屋敷に仕えていたことがあったみたいで。亡くなる前に、もらったの」
形見だと言えば、いつも付けていても不審に思われないはずだ。
「そうかい。それは大変だったねぇ」
店主がそれ以上探ってこなかったので、アクアは胸をなで下ろす。祖母の形見、という言葉がルーナと重なって、チクリと胸が痛んだ。
お金を袋に入れ、店主にお礼を言って店を出る。この店に来ることはもうないだろう。
(お腹が空いたわ)
アクアは太陽を見る。このぐらいの時間なら、朝食と昼食を兼ねて食べればよいだろう。来た道を戻りながら何を食べようか考える。
今までの食事と近いものがいいな、と思って歩いていると、肉のいい匂いがしてきた。ミートパイだろうか。
アクアの頭の中で今日のメインメニューはミートパイに決定した。あとはスープとパンが食べられれば良いだろう。
「すみません、ミートパイを一ついいかしら?」
「あいよ。大銅貨三枚」
革袋に手を突っ込んでから、小銀貨と大銀貨しかないことを思い出す。思わず謝りたくなるが、なるべくドライな感じを出してアクアは言った。
「あいにく小銀貨しかないの。これでいいかしら」
「ったく。めんどくせーな。ほら」
言葉遣いの悪さに顔をしかめそうになりつつも、表情は崩さない。男の悪態は無視だ。出来立てのミートパイを受け取って、アクアはさっさと歩き出した。
目を凝らしながらポタージュのようなものが無いか探してみる。
しばらく歩くと、くり抜いたパンの中に温かそうなポタージュが入ったものを売っている店があった。これなら2つ同時に食べられる、と思ったアクアはその店へ向かう。大銅貨4枚で買えた。
(椅子に座って机の上で食べたいわ)
アクアはまた目を凝らした。やっと「集会所」という看板を見つけて、フードコートのような場所に座った。
テーブルクロスが無い剥き出しの木のテーブル。こんなところに食事を置くなんて最悪だと思いながら、アクアはミートパイとポタージュのパンを並べる。
アクアはまず、紙に包まれたミートパイに手を伸ばした。いい匂いだ。カトラリー無しで食べるのに引け目を感じながらかぶりついた途端、思わず顔をしかめた。
脂っこい。
アクアが今まで食べてきたミートパイとは比べ物にならない。肉は筋張っているし、臭みが強い。それをハーブで誤魔化しているようで、生地はラードが多いせいで重い。
「......」
アクアは無言でミートパイを置き、ポタージュのパンを手に取った。見慣れた白いパンではない。黒パンだ。
そっとポタージュを飲んだ途端、むせかけた。
(塩を入れすぎよ)
しょっぱい。甘みはほぼ無くて豆の味がする。もしかしたらクリームではなく大豆でとろみをつけたのかもしれない、と思うとがっかりした。器のパンをちぎって食べてみると、硬くてアクアにはとても食べづらかった。
最悪だと思いながら、アクアは我慢して食べる。お腹が空いたら何もできない。
(平民は皆こんな物を食べているのかしら)
そうは思いつつも、アクアも平民だ。孤児でルーナの筆頭側仕えだったから貴族に近い生活ができただけで、身分は平民より低いかもしれない。
宿屋を探してうろうろしていたら、真上にあった太陽は西に傾いていた。庶民向けの宿は少し離れたところにあったみたいで、アクアはため息をつく。
「すみません、ここに泊めてもらえますか」
「はぁい。ちょっと待ってね」
話し方を意識するのも疲れた。受付のような場所に座っていると、奥から恰幅の良い女性が出てきた。
「あら、可愛い子じゃない。泊まってくの? 今日だけ?」
「あ......しばらく泊まりたいのだけれど、どうしようかしら......」
「まだ決まってないの? 旅人?」
「そんな感じ、です」
曖昧に答えると、女将は「こんなに若いのにどうして」と色々と聞いてきた。アクアはアリシアと名乗り、アリシアとしての経歴を話す。継母に虐められていたと言うと、女将は辛そうな顔をした。
「それは大変だったねぇ。じゃあ、後払いでいいから、安い部屋を用意しておくね」
女将が準備をしに出ていったので、壁にかかった絵をぽーっと眺めていた。親切な人だなとアクアは思った。見た目は気が強そうだけれど、いい人なのかもしれない。宝石屋の店主と違って。
(安いのはありがたいけれど、部屋はきっと、狭いわよね)
そんなことを考えていると、女将は思っていたより早く戻ってきた。
「ほら、ついておいで」
女将が用意してくれた部屋は、狭い一人部屋だった。それでも、寝れるところがあるだけで一安心だ。
女将にお礼を言ったアクアは、ぽすんとベッドに寝転がった。
本当はこのまま寝るとこまで書きたかったけど文字数オーバーしちゃうから(´;ω;`)
読んでくれてありがとうございました!
続きもお楽しみに。次回はたぶん月曜日に投稿します!