名前変換設定
この小説には名前変換が設定されています。以下の単語を変換することができます。空白の場合は変換されません。入力した単語はブラウザに保存され次回から選択できるようになります
公開中
POKE or CHICKEN?
「どうですか?その唐揚げ、とても人気で朝イチに作って届けてるんですよ」
そう、赤いトサカが特徴的で白い羽毛に包まれたニワトリが笑った。
小さく脂ぎった唐揚げを掴む手がわなわなと震えて狙いが定まらなくなり、唐揚げの入った容器から取り零しそうになる。
「ねぇ、美味しいですか?」
感想を言おうにも唇は固く結ばれて動くことがない。
やがて、目の前のニワトリは少し気落ちしたように「美味しくないんですね」と笑って、言葉を続けた。
「貴方が食べてる、それ。誰のお肉だと思います?」
《《ニワトリ》》。私が選んだ、《《ニワトリ》》。
固く結ばれた唇を恐る恐る開いて、小さく脂ぎった唐揚げを口の中へ放り込む。
口の中に、小さな罪の味と……胸が踊るような肉の美味さが広がった。
「美味しいですか?《《ニワトリ》》の味は、美味しいですか?」
<< 前へ
1 / 38
次へ >>
目次
- 1......幼き探検家の冒険譚
- 2......枯れた華を愛で続ける
- 3......夢うつつ
- 4......僕は死んでしまったのだろうか?
- 5......泡沫の告白
- 6......跡
- 7......栄光のその先に
- 8......星降る夜に
- 9......ストーカーXの献身
- 10......高嶺の花の堕落を願う
- 11......哲学的ゾンビ
- 12......□□□□○□□□□□
- 13......偽の聖人君子
- 14......対義語の世
- 15......太陽に妬かれた“来訪者”
- 16......たった一つの小さな国の中で
- 17......ある四兄弟の育児日記
- 18......@echo off :LOOP echo loop goto :LOOP exi
- 19......可哀想の偏見
- 20......8月6日の空の下で
- 21......ラムネ瓶に映る夏
- 22......777
- 23......HAPPY HELP
- 24......一本!
- 25......箱庭の常識
- 26......夜の花が見えるトンネルの奥で
- 27......蛆が舞う花
- 28......神掌に踊るのは
- 29......夜は想いに更ける
- 30......血晶の宝石
- 31......恋愛三年説
- 32......優しさの本質
- 33......ミステリー小説犯人捜しRTA
- 34......お客様レビュー
- 35......脆弱の消耗品
- 36......趣味嗜好コンテスト
- 37......POKE or CHICKEN?
- 38......未完成