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第8話 誕生日
朝6:00よりちょびっと前。私はベッドの上で目を覚ました。
今日は…5/5。そっか。今日って私の誕生日かぁ。
まだ登校時間まで時間あるしー、とりま朝ごはんか。
冷凍してあったおにぎりを数個電子レンジにかける。
…昔はママがやってくれたんだけど。
今は家事とかバイトとか、あ、もちろん勇者パーティ活動?も、いろんなことぜーんぶ、私がやってる。…ま、もー18歳だし。そっか、大人か。18歳って大人になったんだよね?で、お酒とかはNG?…あーね。
解凍を待ってる間にXとかイン◯タとか確認する。いつも通りの、変わりのない朝。誕生日くらいゆっくりしたかったなぁ。
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…ぴんぽーん。
…あ、もうこんな時間?早ー。
靴を履いて、玄関の扉を開ける。
「おはよー、あかり!今日も一緒学校行こうか」
薄紫色のツーブロック。羅衣、現役勇者。
「り」
誕生日…覚えられてなさそう。ま、そりゃそーだよね。まず、はっきりと「この日だよー」とか言ったこと無いし。
少し胸が痛い。誰にも言えない痛みを抱えながら、私は2人並んで登校した。
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学校に着。席について、スマホを開ける。誰からも話しかけられない。友達とか、そーいうのあんましいないから。ギャルだったらさ、もっと「うちらズッ友ー」とかあるんだろーけどさ、私は…
私は、本当は「無理してギャルの《《ふり》》してるただのインキャ」だから。
…あーあ。なんかもーさ、スマホ見る気も失せたじゃーん。マジ最悪ー。
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羅衣と一緒に家路を進む。
結局学校で、特に変わったことは何も起きなかった。誰にも「おめでとう」の一言すらもらえなかった。
…私は、空気だ。
誰にも気づかれず、自然と離れて行ってしまう。循環して、循環して。いるのが当たり前だーって扱われて。
「…あかり?どうかした?気分悪いのか?」
…いつも羅衣は私のことを心配してくれる。空気なのに、真っ正面から私のことを見てくれる。雑魚で馬鹿だけど…純粋でいい奴。
「…家までついて行ってやるよ」
「えー、そこまでしなくてだいじょーぶだってー」
「いぃや、意地でも行ってやる」
…この無理やりな感じ。一瞬でもサプライズを期待した私を、心の中で殴り倒した。
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「わざわざ夕ご飯までマジありがとねー、羅衣ー」
リビングいっぱいに広がるケチャップの匂い。オムライスかな。普通に、好きだから嬉しい。
「…てか、あんた料理出来たんだー」
「あぁ!??料理ぐらいなんてこと無い、いくらでも作ってやるよ!」
「…ほんとそーいうとこ、素直じゃないよねー」
「…」
…何をする気も起きない。でもなんか、家に人がいるだけで、安心してきた。
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「ほらよ、できたぞ」
「あ、ありがとね、私の好きなもの覚えてくれてて」
「…べ、別にそんなのじゃないし…、ただ僕が今この瞬間食べたかっただけだし!!」
料理が目の前に置かれると、食欲だけは湧いてきた。「何もする気が起きない」ってさっきは思ってたけど。
「…あれ?これ…」
テーブルにおかれたオムライス。その上に書かれていたのは…
〈happy birsday〉
「…!」
顔をあげると、向かい側に座っていた羅衣が顔を赤くして横を向いた。
「L◯NEのアカウント…誕生日書いてたから…」
「…ほんと、素直じゃないやつ…」
英語のスペルが間違ってる、ってことは敢えて言わなかった。彼なりのサプライズを、邪魔したく無かった。
お誕生日イラスト!どん!(?)↓
https://firealpaca.com/get/5vE46Nho
今ちょっとスランプ…。ちびキャラばっか描いてたせいだ…っ!