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タイム、ステップ?ジャンプ! #4 時争神社を探して
「ねえねえ、じあらそい神社って知ってる?」
平成で早速できたサラサラの黒髪をひとつ結びにしている友達……、石川みさきちゃんにふと思い立って聞いてみた。
「愛羅、急にどうしたの…?というか、どういう字かくの?」
「えっとね、時間の時に、争うって書いて」
その時その女の子は俯いて口に手を当て、何か考え事をしているみたい。
そしてその子は「……知らないんだけど……、行ったことあるかもしれなくて」
いやそれ知ってるって意味じゃない?そう突っ込みたくなったけど、数秒経ってからその子の言っていることの重要さに気付いた。
「いやいやいやいやどこで!?どんなふうに!どんな感じで!」
みさきちゃんはあわあわしながら私の肩をぽんと押し返す。
「そうじゃなくてねっ、その神社、聞いたことあるだけ!」
「なんだ……。」
ぬか喜びしちゃったわ。まあいいか、どうせ何も収穫できないんだし……。
「そうだみさきちゃん、ウチ、実はちょぉぉぉぉっ~とだけ身寄りがなくてさぁ……」
ちょっと身寄りがないって日本語おかしくない!?そう思ったけどみさきちゃんは気にしてないみたいだ。
みさきちゃんはそれどころか、「え、じゃあ私んち泊まってく?」というめっちゃ優しいお言葉をかけてくださったのです…!
「みさきちゃんいいの!?いいの!?」「いいよいいよ~…!」
え、ガチ!?ありがとう!マジ神!
あ、あとお礼に……。
そういってウチお気に入りのワイヤレスイヤホンをみさきちゃんに渡した。
「これ、こんなものしかあげられないけどさ、貰って!」
みさきちゃんはぱああっと顔を輝かせた。
「これ、昔大事な友達からもらったのと全く同じなの…!今は行方不明だけど……。」
その言葉に少し違和感を覚えたけど、ある重大なことに気付いた。
「ウチってもしかして令和だと行方不明よね!?」
「れい…?」
いや、「ごめん、なんでもない!」
こんな不良っぽさあるウチのことだから家出で終わるんかなぁ。
ちょっと寂しくなる。
でも、ここにはみさきちゃんがいる!それだけで心がポカポカした。
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袴を着ている学生たちが無限に行き交う、この町。
僕、松井秀夫は、大正に…、僕が死ぬほどあこがれた大正に、来た!
でもなんでだろう。`全く嬉しくない!`
だって――帰ろうとしても、帰れないのだから!!!
「あんなにあこがれてたのに、いざとなったら……」
ひとりごとをブツブツつぶやいてしまう。いつもは中二病のためにやることだが、ここでは自然に口からこぼれ落ちた。
とりあえず、大正の学ランを着ているので特に何も言われないそうだ。不幸中の幸い、か…?
神社で出会ったあの小さい女の子も、うまくやってるかな。
色々な不安で頭の中がぐちゃぐちゃになる。
「とりあえず、じあらそ……、じゃない、|時争神社《ときそうじんじゃ》に戻るべきだろうか。あの子もいるし…。」
少し体がむずがゆくなる。しかしその理由はすぐにわかった。
袴を着た女学生たちが、こっちに一点集中で目を向けているのだ。
僕が辺りを見回すとすぐに目をそらし、その女学生の子たちは顔を真っ赤にして目をそらす。
…?
最初の数秒は戸惑ったものの、履いている無駄に高い下駄やごつごつした素材の学ランに視線が向けられていたことで、すぐにその理由が分かった。
学ランを着ている人自体は大正にいたが、その学ランを着れる……、いわゆる進学ができる裕福な人は超スーパーエリートの服装、現代で言う東大みたいなものかな。
つまりはあこがれの的、ということだ。
まあ、悪い気はしないけどな……。
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そこからは案外楽勝だった。
エリートだから何しても見逃される。タダ食いもできる。盗みを働いても多少は見逃してくれた。
はっはっは、俺の時代が、来たのだ!
……と一瞬思ったが、それは文字通り『一瞬』のこと。
自分のしていることの重大さに気付き、恥ずかしくなり…。
ああ、これ以上は言えない!恥ずかしい!
このことをもっと…、例えば、帰ることのために使おう…!
いきなり女学生に声をかけてみた。
「ねえ、時争神社って知ってるかい。」
女学生は顔を赤らめたが、すぐにピシッと背筋を伸ばして猫なで声で返した。
「あ、有名ですよね…。都市伝説で…。」
都市伝説…?
「都市伝説に巻き込まれたのか、俺……?」
呆然とする。きさらぎ駅みたいなものか?
というかなんなんだ?
その詳細を聞いた。それはとても衝撃的だった。
そして怖くなり、礼を言って再び歩き出した。
「このままにしちゃ、いられない……。まずはこの……を……。」