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第九話 強くなる理由
**第九話 強くなる理由**
敗北した。
完全な敗北だった。
魔王軍幹部。
赤い鎧の男。
六人全員で挑んでも、
届かなかった。
**その後**
勇者パーティーはしばらく旅を止めた。
🦍「悔しいなぁ」
丘の上。
ドズルは仰向けになって空を見ていた。
いつも明るい。
そんなドズルでも、
今回は堪えていた。
🍆「そうだね」
隣でぼんさんも頷く。
🍆「久しぶりだったなぁ」
🍆「あんなに何もできなかったの」
静かな声だった。
**一方**
森。
ヒュン!
ヒュン!
ヒュン!
🍌「......」
おんりーは一人で矢を放ち続けていた。
狙う。
射る。
外れる。
もう一度。
射る。
外れる。
🍌「チッ」
珍しく苛立っていた。
あの時。
自分の矢は届かなかった。
幹部にすら。
届かなかった。
**神殿跡**
⛄️「もう一回!」
青い光。
神聖魔法。
失敗。
⛄️「うー」
もう一回。
失敗。
⛄️「うぅー!」
おらふくんも同じだった。
守れなかった。
支えられなかった。
それが悔しかった。
**そして**
🐰「......」
きなこは一人だった。
川辺。
勇者の剣を眺める。
勇者。
世界を救う存在。
そう言われている。
でも。
あの日。
何もできなかった。
もし。
あの幹部が本気だったら。
誰かが死んでいた。
そう考えるだけで怖かった。
🐰「勇者失格だな」
小さく呟く。
その時だった。
🍆「そんなことないよ」
🐰「!」
振り返る。
ぼんさんだった。
🍆「探したよ」
🐰「ごめん」
🍆「謝らなくていい」
隣に座る。
静かな時間。
川の音だけが聞こえていた。
そして。
🍆「怖かった?」
🐰「......」
図星だった。
🐰「うん」
正直に答える。
🐰「みんなが傷付くのが」
🐰「怖かった」
🍆「そう」
それだけ言う。
否定しない。
笑わない。
ただ聞いてくれる。
ぼんさんらしかった。
🐰「勇者なのにね」
🐰「情けない」
🍆「違うよ」
即答だった。
🐰「え?」
🍆「仲間が大事だから怖いんでしょ?」
🐰「......」
🍆「それは情けなくない」
🍆「優しいだけだよ」
きなこは何も言えなかった。
**その夜**
六人が集まる。
焚き火。
いつもの場所。
だが。
空気はいつもと違った。
誰もが悩んでいる。
誰もが考えている。
そして。
🐰「みんなはさ」
全員が顔を上げる。
🐰「なんで戦ってるの?」
静かな問いだった。
最初に答えたのはドズル。
🦍「僕?」
少し考える。
そして笑う。
🦍「困ってる人を助けたいからかな!」
単純だった。
でも。
ドズルらしい答えだった。
🍆「俺も似たようなものかな」
ぼんさんが続く。
🍆「泣いてる人がいるの嫌だから」
🍆「だから戦う」
それもまた。
ぼんさんらしかった。
🍌「俺は」
おんりーが口を開く。
🍌「仲間が死ぬのを見たくない」
短い言葉。
でも重かった。
誰も茶化さない。
⛄️「ぼくは!」
おらふくんが手を挙げる。
⛄️「みんなと旅を続けたい!」
一瞬静かになる。
🐷「アホだな」
⛄️「なんで!?」
でも。
少しだけ笑い声が漏れた。
**最後**
全員の視線がMENへ向く。
🐷「なんだ」
🦍「MENは?」
🐷「知らん」
🍌「答えろ」
🐷「......」
面倒そうにため息をつく。
そして。
🐷「気に食わんだけだ」
🐰「魔王軍が?」
🐷「ああ」
🐷「好き勝手壊して」
🐷「弱い奴を踏み潰す」
🐷「気に食わん」
それだけだった。
でも。
それで十分だった。
最後に。
全員がきなこを見る。
🐰「ぼくは」
少し考える。
長く考える。
そして。
🐰「みんなと帰りたい」
静寂。
🐰「世界を救うとか」
🐰「勇者とか」
🐰「もちろん大事だけど」
仲間を見る。
ドズル。
ぼんさん。
おんりー。
おらふくん。
MEN。
🐰「最後まで六人でいたい」
本音だった。
しばらくして。
🦍「じゃあ頑張ろう!」
🐰「雑だなぁ」
🦍「でも分かった!」
🍆「俺も」
🍌「十分だ」
⛄️「頑張ろう!」
🐷「面倒だな」
いつもの会話。
いつもの空気。
だけど。
少し違った。
敗北したからこそ。
六人は知った。
何のために戦うのか。
何のために強くなるのか。
魔王を倒すため。
世界を救うため。
そして。
大切な仲間と、
最後まで歩くために。
その夜。
勇者パーティーはもう一度立ち上がった。