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いちごキャンディ
【錆side】
「いいか?俺はコイツを拾って、|ここ《交番》に連れてきただけだ」
「今のところはそうなのです」
「はいはい・・・で?」
「両親も家も分からないらしいから、知り合いも聞いたが居ないと言われた」
「合ってるのです!そしたらお兄さんがお兄さんのお家連れてってくれるって!」
「へぇ・・・」
一気にお巡りの目が冷たくなる。なぜこのハツカネズミは誤解を次々作るんだ・・・
「知り合いがいれば連れて行くと言ったら俺が知り合い認定されただけだ」
「むー・・・でも実際お兄さんしか知り合いはいないのですよ」
「そうなんですね?うーん、お名前は?」
「暁なのです」
「暁ちゃんね〜、良く言えました!いちごキャンディあげちゃうよ」
「・・・」
お巡りは満面の笑みで飴を取り出して暁に渡そうとしている。どっから出したんだ。
が、一向に受け取る気配がない。おかしい。
コイツは俺にホイホイ持ってかれるような警戒心の低い獣人のはずだが。
なんかお巡りに対しての敵対心強くないか?飴を差し出した犬の手に、
今にも噛みつきそうな視線を向けている。ぶりっ子には懐かない感じか。
薄々気付いていたが、さてはこのお巡り、裏の顔と表の顔の差が激しいな。
「お前のことは苦手だってよ。残念だったなお巡りさん」
「・・・はは」
なんかお巡りが可哀想になってきた。
多分腹黒い部分をガキに見抜かれて焦っているな。死んだ目を隠しきれていない。
「お巡りさん、お兄さん虐めるからヤな奴なの」
「庇ってくれてどーも」
お巡りより俺の方が懐かれてるんだな。ちょっと、嬉しくないこともない。
お巡りが可哀想なのでどうにかしてあげようか。いいこと思いついた。
声を顰めて暁の耳元で囁く。
「暁、実は俺、甘いもの好きだからさ、代わりに飴受け取ってくれよ」
暁はコクコクと頷き、しょうがないなという顔でお巡りの手から飴を取った。
はい、と自慢げに俺に渡してくる。手ちっっっさ。可愛い。