編集者:mark1old
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目次
SOME! Chapter1 #1
[規制済み] Tuesday / Sunny
今日は皆が来た記念すべき日。
確か…もう何年前だっけ。忘れた。カレンダーがないのは罪だ。
今日もいつも通り|CENSORED《センサード》やらオギーの健康診断をして終わったよ。
オギーもだいぶ落ち着いてきたからよかった。
おやすみなさい。
---
ゾーイ氏はしがない生物学者だ。
アニメなんかにでてきそうな人体実験だとか、主人公を支える凄い博士ではない。ただの一般人である。
ただ、圧倒的に人とは異なる特徴をあわせ持つ。髪色が違う。それだけである。
言葉で表すならば、南国の海のように爽やかな水色と黄緑のグラデーションで、そこに白いメッシュがいくつか。ちなみに地毛である。
そんなゾーイは今日も研究に明け暮れ目をさらに悪くしていった。
「ちょっとゾーイ!そんなに近くで見たらまた目悪くするよ!?」
そんな彼女を叱責するのはいつも側にいるカールという少年である。
18歳の好青年で、なんと忍びに精通。そう、NINJAなのである。
Z「子供はいいですよね~。元気だからさ~」
C「話聞いてる?とにかく背筋スッとするんだよ!ほら、こう!」
Z「ちょっと待って、今微生物見えた。」
C「フン!」
ガッといい音がしてゾーイはカールに背中を勢いよくぶっ叩かれた。その衝撃で姿勢がよくなった。
Z「オボェ…んな強くなくても…」
C「だっていっつもこんくらいしなきゃ姿勢よくなんないんだもーん」
Z「ァ"…ミドリムシ…もう満足…」
C「早いね~?」
Z「植物に水あげなきゃだしさ。ほれ、ダンドリ。」
ゾーイ氏は顕微鏡から顔をやっと離し、カールに如雨露を渡した。カールはそれを快く受け取り「どっちが早いか競争ー!」といいながら走っていった。
Z「これ!丁寧にしな~!…元気だなぁ」
ここはひっそりと田舎に建っている植物園だ。無論偉いのに許可は貰って建設されている。ここに勤めているのはゾーイのみ。カールはゾーイに幼い頃拾われてこうして共にいるというワケだ。
だからこそ植物達の世話と研究を両立しなくてはならない。
そうして、カールがはしゃぎながら水を撒いてるのを尻目にご丁寧に植物らの世話をしていると、ゾーイは何やら植えた見覚えのない植物を見つけた。
Z「んだこれ…?おーい、カールー」
「んー、何~~!?」
上の方から覗いてくるカールに、ゾーイはこれに覚えはあるかと聞いた。たがしかし、返答はNOだ。
Z「変だなぁ、別種の花粉が知らんうちに混じりあって生まれた新種か?」
「なんか、トケイソウみたいだね~」
Z「言われてみりゃ確かに…でも植えてなくね?」
「記憶にないだけじゃな~い?」
Z「可笑しいな…まぁ温室内じゃないし、納得はできるな」
あまりにも地面に粗末に植えられているので、植木鉢に移し替えようと思った矢先、ゾーイは写してはいけなさそうな気がしてきた。
彼女の勘はまぁまぁな確率で当たる。…学生時代、先生に指名されそうと思ったら的中していたのは伏せておこう。
「あー!?なんかこっちにもあるよー!ゾーイ!」
Z「おーう、放っとけ~。後で切削するから~」
「はぁ~い」
トケイソウは生命力が強く、増えやすいのはゾーイは知っている。それに毒もあるから後で処理しておこうと思った。
…ただ、これが後に厄介となるのは予想しえなかった。
カールは伝え忘れていた。否、知らなかったのだろう。そのトケイソウが通常とは異なる特徴を持っていたことを。
---
[規制済み] Saturday / Sunny
今日もいつも通り研究した。…正直に言うとサボって微生物の観察をしていた。
トケイソウが増殖していた。そういえばトケイソウの花言葉は「乙女のしとやかさ」とかだったな。…私はそういうのに無縁だけども。
カールの髪を世話して今日を終わらせようと思う。
それじゃあおやすみなさい。
見つけたトケイソウは、全部で五つ。
北と、東と西。そして南東と南西に。
SOME!Chapter1 #2
朝、否。真夜中と表現すべきであろう時間帯。未だ午前3時の頃合いだ。
ゾーイはトケイソウの処理をすっかり忘れていたのを突然思いだし飛び起きたのだった。
そしてカールが見つけた特徴的な白色のトケイソウを見て、生物学者であるゾーイは興味を覚え、ソイツだけとっておいた。
…それも焼却処分しておけばよかったものを。
─時は過ぎ午前6時後半頃。
ゾーイはそれまでずっと起きていた。その特徴的なトケイソウの観察が故に。
そして、ゾーイは気がついてしまった。
既にお天道様が昇っていてもいい時間帯。駄菓子菓子、空や周囲の暗さは一向に晴れず、真夜中のまま。特に空は雲で覆われているワケでもないし、空気は汚いので星が見えるわけではない。
流石に異常を覚えたゾーイは寝室に戻りカールを無理やり叩き起こし、寝起きで機嫌の悪いカールを気にせず腕を引っ張って外の様子を見せた。
C「ウェ…?今って…何時…?」
Z「A.M.6:50」
C「…天気は…?」
Z「Sunny」
C「…」
状況を把握したのだろうか。先ほどまで重たく半開きであったカールの眼は嘘のようにきっぱり開いた。その表情から察するに、信じられないと言いたげである。
C「とにかく、外がどうなってるか確認しようよ!確かに硝子戸だけれども僕でも靄がかかってよくわらないし」
Z「そうするくァ~、あ待ってその前にあのt」
C「優先度が違~う!!!」
こんな異常状態でも味方がいるとわかった瞬間とても冷静になってしまうのがゾーイの短所である。
というわけでいつものマイペースで外にのほほんと出ていった、が…
やはりとんでもない事態に陥っていた。
周囲は真っ暗な空に大部分が崩壊した色のないビル街。そんな場に緑等1ミリたりともなかった筈がそのど真ん中にこのどれだけ空気読むのが苦手か計り知れない建物がドカーンと現れている…と書きおこしておこう。
Z「…ねぇカール」
C「ん?なに?」
Z「トケイソウは全部で五つだよね。方角はどうだったか覚えてる?」
C「あー…確か、北、東と西、南東と南西だった気がする」
Z「よし書きおこそう」
C「えっ、何するの?」
ともかくゾーイらは室内に戻り、植物園を○と見立て、トケイソウが見つかったのは園外であったのでその○の周りに・という記号でトケイソウを書き入れていった。
Z「うっし、カール。なんか思い付く?」
C「ん~…あ、ちょっと線で繋いでみてよ!」
Z「おー、こうか。…結…界???」
線で繋ぐと見事に五芒星が浮かび上がってくる。…それも植物園を大体覆っているから結界に見えてくる。
そこでゾーイは考えた。
トケイソウの花言葉は神聖的なものだ。そこに結界がくるとすれば…いわゆる神隠しか?と。
そう何かを考えているとふいに何か偉く硝子が割れた音、ガシャーン!!!と聞こえた。
C「っ!危
次にはカールの声を残して、ゾーイの意識はなくなっていた。
SOME!Chapter1 #3
ゾーイの目が覚めたときには何もかも変わっていた。
先ほどまで自身がいた筈の植物園のしの字すらなくなっている空間に一人。
衝撃で体や頭を打ったのだろうか。ゾーイは意識がかなり朦朧としていることに気がついた。
体が起こせぬようなので視線のみで周囲を確認した。するとぼやけてはいるが鉄の匂いと赤い何かが確認できた。そこでゾーイは踏ん張って腕を動かし自分の頭を触ってみると…液体が流れている。…血だ。うん。
こうして彼女が冷静でいられるのもゾーイの偉大なるマイペース精神のおかげである。
迷うことなく根本である傷の状態を触感で観察をする。
…どうやら爆風だとかで吹き飛んだ硝子が深く突き刺さっているようだ。そして完全に突き刺さる前に皮膚を掠ったのだろうか。それも鋭い破片が掠ったのだから深い切り傷が両端にあるようだ。今も尚血が流れ続けている。
硝子の破片ときたら他の部分にも突き刺さっているかもしれない。ヤマアラシの針みたいなことになっていたら大変だ。
と、やっと危機感を覚えたのだろうか。ゾーイは朦朧としていた意識を震わせ立ち上がり、体の無事を確認するも…
想像以上に重傷であった。
普通なら失血死するところがこうものうのうと生きているのが不思議なくらいである。
特に左の大腿部とかいう歩く、走る、跳ぶ等の動作に関わる超重要な部位が重傷だ。
さらには上記に示したいわゆるヤマアラシ状態だ。
とにかく壊死は免れたいので出血が酷くなるかもしれないが、ゾーイは意を決して針を抜き、そして中で折れたであろう残りをほじくり出した。
激痛と共に、中の肉と血管を隔ていわゆる栓であった針を抜いたのだから、血管が切れた。
しかしそのまま残しておいて動く度に体重がのり肉が抉れ、さらに重傷化するよりかはマシだろう。
(あ~、これ私死ぬのか…?いや、死なないかぁ)
激痛を感じなくなり、感覚がなくなってきたのを期に、足を引きずりながらもゾーイは周囲の散策を始めた。
思い出せば親父は人間の癖に人外みたいな人だったなとゾーイは思い、遺伝による生命力の強さかと一人合点していた。
そうしてゾーイは何刻も生き残り、遂には血も止まってきた頃合に場面に直面してしまった。
何やら争いをしているらしいが…どう見てもそのお二人が人間ではない。
一方は顔無し。そしてそのもう一方を今この瞬間背中から生えている触手で右肩から腹にかけて一刀両断にした。
そのもう一方は血が出たもののその血の色は赤色であるが、かすり傷であるかのように気にしていない様子だ。口から血も吐いているし、切り口からは内臓の様子がよくわかる。心臓も両断されているのにだ。
そしてその切られた者はゾーイに気がついたのかこちらをキッと睨みそして…
--- 「おいそこのアマァ!手伝いやがれェ!」 ---
SOME!Chapter1 #4
--- 「おいそこのアマァ!手伝いやがれェ!」 ---
突然の大声に「えっエ、エ!?」と流石に偉大なるマイペース精神を持ち合わせるゾーイも錯乱した。
「さっさとそこの瓶を俺にぶん投げろォ!!!」
正義感は強く困っている人は衝動的に助けてしまう性分であるゾーイはこの時左足に重傷を負っているにも関わらずフツーに駆け出し落ちている瓶に手を伸ばした。
しかし大声で言ったからには相手だってその行動が何を意味するかは理解している。
相手は中立から敵となったゾーイを殺すべくあの指示した者を簡単に両断した触手を伸ばしてくる。
駄菓子菓子、両断されているにも関わらず軽やかな動きで指示した者はその触手を恨みをぶちまけるかのように拳を振り下ろし行く手をふさいだ。
その頃には器用に瓶を取り上げぶん投げたゾーイ。ナイスチームプレーである(?)
「よくやったァ!!!アマァ!!!」
そうして指示者は受け取った瓶の中身を切り口に勢いよくかけた。するとみるみる傷口はなかったかのようにくっついて元通りになったのだ。
この時点で既に人間でないと確信したゾーイであったが、種族差別をする身ではないので助けられてよかった。ホワホワ、と感じるのみである。
しかしながらゾーイは解っていなかった。
自身の体の危機を。失血状態を。
冒頭のように、また意識がとお
---
--- ─い、ォい!オイ!!! ---
--- ─、だを雑に─しすぎです。 ---
「んなこたァ知らねぇよバカたれェ!!!」
Z「ゲホァッボ」
「!起きたかアマ!」
状況の確認。どうやらまた気を失っていたらしい。とゾーイは自責の念を感じていた。
「F、何故普段一般人は叩きのめしているのにこの雌には|贔屓《やさしく》しているのですか?」
F「黙れェ…クソガキィ…!!!」
凄い睨みようだ。このF、という人物は。
対するは黒髪で長く三つ編みをしているが…体型からしてガタイが良すぎるので男だろう人物である。
「F、貴方とは同僚且つ幼馴染みです。そして僕は成人済みなのでその理論でいくとa」
F「うるせェ黙れェエエエ!!!」
この騒音で意識がハッキリとなったゾーイは勢いよく起き上がった。すると左足に少し違和感を感じた。
…どうやら開いた傷は縫い付けられているようだ。考えられるとしたらこの二人だ。
Z「ァ…なんか足が…」
F「俺がやったぜェ?どうだ、歩けそうかァ?ア、アマ。この隣のはモノだよモノォ」
M「M|-《の》10。モノと申します。以後、お見知りおきを。」
Z「うぉおお…どぉもぉ…」
Fとやらは見かけに反して手先が器用そうだな…と感じたゾーイであった。
この後きちんと立てました。
SOME!Chapter1 #5
テストで更新遅れました。申し訳ない…
なんやかんやあって現在このマイペース三人集は何故か共に行動することになってしまった。
理由を簡単に説明すればこうなる。
FとM、この二人は先ほどFが争っていたあの人外男、ロンという人物についていた口輪のような装置を外す任務を任されていたらしい。
口輪はいわゆる制御装置でそれが暴走してこのような有り様になってしまったよう。
いや、どんだけ強ければこんな街崩壊すんだよ。とツッコミをいれたくなったゾーイであったが、人外だからフツーか。と一人合点してしまった。
F「というワケだアマ。テメェ頭良さそうな服着てるから、なんかいー感じに打開策出せるだろ。」
M「何部外者巻き込むのですかフィn…あ」
Z「お名前フィンさんなんだ…」
F「馬鹿かテメェも名前晒すぞ。」
M「フェアでないのでどうぞ。」
F「…隣の黒っちィのはモノだよモノォ」
Z「ハハァモノさん……」
M「以後、お見知りおきを。」
勢いで本名を大公開してしまったモノである。
彼らの服装にご注目してみるとご丁寧に制服と予測でき、そして且つ左袖上部には「FBI」の文字が刻まれている。色もモノトーンでかなりゴツイ、イカツイ雰囲気を放っている。
Z「てことは国とか、お偉いさんとこから依頼でなさり…?」
F「鋭いな。流石アマだ。」
M「洞察力に期待しますよ。先ほどの言葉は取り消しにさせていただきます」
Z「手のひらクルックルやな…んまそれはさておき…」
---
─時は#3に戻りて。C Side.
カールは気絶していた。
しかしながら、忍の里で鍛えた身もありゾーイ程怪我もなく受け身もとった故、かすり傷である。
暫くの刻後、カールは身を凄い勢いで起こした。そりゃ自分のマッマともとれる人物を見事に巻き込んだからな。
C(エッちょっ…状況が…てかココドコ!!?!)
ゾーイと同じようにまったく異なる植物園のしの字すらない空間にいた。ただ、似たような言葉では表せる。ここは、病院であると。
C(とにかくさっさと見つけて合流しなきゃだ!ゾーイトロいからすぐ危ない目に会う!!!)
18歳の癖してこんなにも行動力があるとても偉い好青年カール氏(怪我が軽少であったのもあり得る)は直ぐに立ち上がってとにかく…ん?待て、何故持っていなかった筈の彼の愛刀がここにある。
C(おっ、ラッキー!カールさんはこれさえあれば何も怖くないんですよネッ)
…すぐに調子にのってしまうのが、彼の欠点であった。