公開中
パラレルワールドに家出中っ!(4)
ウミユリカ
もしかしたら、お母さんや植 夏帆以外にも何かおかしなことがおきているのかもしれない。
「かなたちゃん、どうしたの?大丈夫?」
お母さんがさっきからずっと黙っている私に対して心配していることがわかる。
「、、、ごめん。出かけてくる!」
私は居ても立っても居られなくなり、家を飛び出した。
しばらくして、また結野村駅の前にまで着いた。
お母さんはおかしいけど、結野村駅の外見や結野村区の建物は何も変わっていない。
というか、植 夏帆と仲良しのいうのはお母さんの勘違いなんじゃないか?
お母さんはたまたま今日機嫌が良く、私と植 夏帆が仲良しだと勘違いしている。
ただそれだけのことなのかもしれない。
私が悩んでいると、不意に後ろから声がした。
「かなたちゃん?」
私はその声に寒気がした。
植 夏帆の声だ。でも、私をいじめている時の笑っているような、哀れんでいるような声じゃない、優しい声。それに、かなたちゃん?いつもは私のことを小川(おがわ)かなたとフルネームで呼ぶのに?
私は戸惑いながら後ろを振り返る。
派手なピンクのシュシュに、高い位置でくくったポニーテール。
色素の薄い茶色の髪。
かなり大きくぱっちりとした目。
背の高い女の子がそこにいた。
間違いない。植 夏帆だ。
どうしよう。逃げなきゃ。でも、さっきかなたちゃんって、、、
私が考え込んでいると、植 夏帆が怒ったような鋭い目つきになる。
私は思わず身構える。
「やっぱりかなたちゃんだ!今日、あたしと遊ぶ約束してたのに、なんでこなかったの!!」
私の頭の中に大きなはてなマークが浮かぶ。
植 夏帆は本気で怒っているというより、友達同士のじゃれあいくらいの明るさで、冗談っぽく怒っていた。
「、、、約束?」
「そうだよ!忘れちゃったの?今日は結野村公園でシール交換しようって話だったじゃん!」
そんな約束、当然してない。それに今日はちょうど学校の帰りに植 夏帆と鉢合わせして、散々暴言を吐かれて帰ってきたところなのに。
、、、一度話を合わせてみよう。それで何かわかるかもしれない。
私はその約束を思い出したかのように、
「あっ!ごめん!!忘れちゃってた!ほんとにごめんね!!えと、、、かほチャン。」
と言った。
すると植 夏帆はフッと笑った。
「別にそんなに謝んなくていいよー!そーだ!じゃあ明日またシール交換しよ!明日暇って言ってたでしょ?」
まあ確かに明日は暇だけど、、、今は話を合わせるしかない。
「い、いいよ!」
私は苦笑いしながら、用事があるからと言って足早に家へ帰って行った。
家ではお母さんが、急に飛び出していくなんてどうしたの?と怒鳴ってくるのではなく心配していた。
1時間ほど経って、夜ご飯の時間になった。
お母さんはめったに手料理なんて作らないのに、私の好きなハンバーグを作ってくれていた。
お父さんも帰ってきた。いつもは帰ってくるなり仕事の愚痴やらお母さんともめたりやらでうるさいのに、今日はお母さんと楽しそうに話していた。全てがおかしかった。
ハンバーグを食べながら気づいた。ここはパラレルワールドなんじゃないか?
"パラレル電車"に私は本当に乗っていて、私が乗ってきた結野村駅から、パラレルワールドの結野村駅に運んでくれたのかもしれない。
それしかありえない。
ここはお母さんもお父さんも仲が良くて、優しく、植 夏帆とは友達。ほかにも何か私にとって私がもといた世界よりいい現状になってるのかもしれない。
ふと考える。それなら、"この世界"の私はどこにいふのだろう?
パラレルワールドはもう一つの世界。ならもちろんもう一人の私もいるはずだ。
私は"この世界"の私でいていいのだろうか?
そんなことを考えていると、いつのまにかハンバーグは食べ終わっていた。
食器を片付け、お風呂に入り、明日はおそらく学校だから明日の時間割をみて明日の用意をする。
私の部屋も、学校の時間割も何も変わっていない。ただこの世界ともといた世界では人間関係が大きく変わっているようだ。
こんな小説にでてくるようなこと、本当にあるんだ。そう思いながら布団に入る。
明日もこの世界の私でいられますように。
そう願いながら私は眠りについた。
4日後くらいにまでは完結させたいです!