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パラレルワールドに家出中っ!(5)
ウミユリカ
朝、目が覚めた。
明かりのついていない照明が真っ先に目に入る。
毎日みている自分の部屋の天井を、じっくりみつめた。
ここは、パラレルワールドなのだろうか。それとも現実なのだろうか。もしかしたら寝ている間にもとの世界に戻ってきているかもしれない。
自分の部屋のドアを開ければわかる。現実だと、お母さんが起きるのが遅いと怒鳴る。パラレルワールドなら、優しくおはようと言ってくれるのかな?
ドキドキしながらベッドから降り、ドアを開ける。
私の部屋はリビングの隣にある。
お母さんは大体朝はリビングにいるので、いつもならそこで理不尽に怒鳴られる。
果たして。
ドアを開けた先には、いつものリビングがみえる。でも、お母さんがいない。トイレだろうか? と横をみると、ダイニングがみえた。
キッチンに、お母さんがいた。何か作っている。
お母さんは私の存在に気づいたのか、こちらを見て
「おはよう!朝ごはん、目玉焼き作ってるからね!」と明るく言ってきた。
間違いない。ここはパラレルワールドだ。
普段は朝ごはんなんて作らないし、おはようも言われない。真っ先に怒鳴れるから。
パラレルワールドのままだったのが嬉しくて、思わず大きく
「おはよう!!」
と言った。
朝ごはんを食べ、朝の用意も済ませて、私は学校に行くため学校で指定されたリュックを背負う。
ポケットがいっぱいついてる、黒色のやたら大きいリュックだ。
「いってきます!」
私は元気よく玄関のドアを開けた。
ドアの開くギィィィっという音もいつもより明るく聞こえる。
よく晴れた空がみえた。
「いってらっしゃい。」
リビングからお母さんが優しく言う。
いってきますといってもいつも返事が返ってこなかったので、いってらっしゃいと言ってもらえることがたまらなく嬉しかった。
登校中、考えた。
"この世界"の私はどこにいったのか。
それかもしかしたら、私が"この世界の私"になっているのかもしれない。というか、私は今"この世界"にいるわけだから、もといた世界で私は行方不明扱いされているのかもしれない。
家出について調べている時に見つけた記事に、親は子供が行方不明になったら捜索願というものを出せるらしい。もといた世界のお父さんやお母さんは、捜索願をだしたのだろうか?私がいなくなって、担任の先生や植 夏帆は少しでも心配してくれたのだろうか?
むしろ、私はみんなからいなくなってくれてラッキーと思われているのかもしれない。
もとの世界になんて二度と帰りたくない。
そんなことを考えているうちに、私の通う市立結野村中学校に着いた。
この世界の私は、学校生活を楽しめているのだろうか?ドキドキしながら校門をくぐる。時計がみえた。時刻は7時50分。かなりはやくきてしまった。とりあえず、この世界の私も1年4組みたいだし、4組の教室でみんなを気楽に待とう。
なんだかワクワクしてきた。
学校の教室に行くのが楽しみなんて、人生で初めてじゃないか?
パラレルワールドにこられて本当によかった。