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三怪目
ファンレターありがとうございます
「ん⋯明るい。」
設定したアラームが山中を鳴り響く。
外はまだ薄暗く、東の方では日が眠そうに起きてきていた。
俺はしばらくぼんやりとそれを見た後、ネット掲示板を開いた。
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69:イッチ
おはよう皆、これから山を彷徨ってやろうと思う
70:名無し
お、おう
71:名無し
朝から元気だねー
72:名無し
深夜テンションなだけじゃない?
73:名無し
彷徨ってやろうってw
亡霊やないんやからw普通に捜索とかでええやんw
74:イッチ
ん?なんかスレ民増えてる?
75:名無し
そりゃあ面白そうなスレ名だしな
76:名無し
スレ名「先輩、愛してるんで帰ってきてください」だもんな
オカルト板なのに⋯
77:名無し
最初、クズ男が立てたのかと思ったぜ
78:名無し
イッチ色々おかしいよーw
79:イッチ
いやぁ、スレって初めて立てるしなんて書けばいいかわかんなくって
80:名無し
初スレなのか、これ
81:名無し
初スレの重さじゃない⋯
82:名無し
本当になんなのこのイッチ⋯
83:イッチ
まぁまぁ、作り話かもしれないよ?
84:名無し
ふむ、それもそうだな。
そういえばイッチ、その山の伝承とやらを聞いてないが、どういうものなんだ?
85:名無し
あ、確かに。聞いてない
86:名無し
気になる
87:イッチ
おっけ、まとめるからちょっと時間もらうね
88:名無し
うっし俺ちょっと別のスレから《《特定班》》呼んでくるわ
89:名無し
あ、なるほどそれでこの話振ったのか
90:名無し
これで真偽がわかるかもねー
91:イッチ
まとめたから載せるね〜
昔、その山には村落があった。で、そこには村人に嫌われている一人の少年がいた。
理由としては生まれた時から足が片方しかないから。村人はおろか家族にさえ忌み嫌われた少年。
ただ、心根は優しかったとされてるよ。⋯彼が村の奥の蔵に閉じ込められるまではね。
厳重に閉じられた蔵は暗く、外からは村人の罵る声や嘲笑う声が聞こえる。
食事も水もろくに届けられず、蔵にトイレも風呂もない。
これでまともでいれる人はほぼいないだろうね。彼も例外ではなかった。
それでも少年は村人たちを恨みはしなかったそうだよ。
そんな生活が5年も続いて少年はその時代で成人した年になった。
村人たちは少年が成人したその年に蔵に入り、弱り抵抗できない少年を鍬や鎌などで殺した。
そこからだよ。村人が次々に変死し始めたのは。家族から始まり、蔵に閉じ込めた者。
村長、その妻に娘。村人たちはすぐにその少年の祟りだと考えた。
村人たちは外から神主やお坊さんなどを呼んで少年の祟りを終わらせようとした。
けど、無理だった。どうやらかなり力が強くなってたみたいでね。祟り神と成り果てていたんだって。
村人はその少年を神として祀り、祠を立てた。そして少年の命日に村から娘を捧げることで村の安寧を保ったんだって。
以上。
92:名無し
うわぁ。
93:名無し
なんだろう。この胸糞の悪さ
94:名無し
少年も不憫だけど、娘を捧げるって要は生贄でしょ?何人犠牲になったんだか
95:名無し
まぁ、何にしてもこれで情報出たな。うっし特定班。場所特定しろ
96:イッチ
え!?
97:特定班
その伝承と、イッチが言ってた日の出の時間で大体絞られた。
〇〇県の★★町の△△山ってところかな
98:イッチ
はやっ!?
99:特定班
まぁ、大体は日の出から割り出せてたし、イッチの戦犯だよ
100:名無し
駄目だよイッチ。ネットに情報流しすぎたら
101:名無し
最近の子はネットリテラシー低いからなぁ
102:名無し
じゃあ真実味を帯びてきたなぁ。
あ。ここまぁまぁ近いから車出しといてあげるね。
103:イッチ
え、えぇ⋯?
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「こんな少ない情報でも割り出せるんだなぁ⋯」
ふぅっとため息を吐く。山を歩き回り続けているが未だ成果はない。
俺は先輩のことを思い出していた。
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「ねぇ、どうして毎日部室に来るの?」
パラ⋯パラ⋯と資料のめくる音が止まり、先輩の視線が俺に移ったのを感じた。
俺はぼんやりと眺めていたスマホの電源を切り、先輩に向き直る。
先輩は俺の顔を見たあと、サッと視線を反らした。
「来ちゃ駄目ですか?」
真っ直ぐ先輩と向き合う。先輩と目線は合わない。しかし俺の言葉にブンブンと首を振った。
可愛い。
「でも⋯あなたはクラスで人気があるでしょ?この前あなたのクラスを通ったの。友達が多いのね」
「まぁ、人は好きなので。」
「⋯だからこそ、あなたが毎日ここに来る理由がわからない。こんな部活より、友達を優先したら?」
「俺がこの部室に来たいから来てるんです。」
「それは⋯どうして?」
どうして。そういえば先輩とこんなに長く話したのは初めてだ。なんてズレたことを思う。
先輩がチラッとこちらの様子を伺うようにこちらを見てくる。愛おしい。
「先輩が、いるからですかね」
きっとこの世で一番嬉しそうな顔をしているであろう俺の顔を見た先輩は、顔を真っ赤にしてパラパラパラッとすごい勢いで資料をめくり始めた。
あとがき
しばらくこっちを書こうと思います。乗り気になってきたので