公開中
五怪目
先輩は一向に見つからない。俺は少しの手がかりさえ見逃さないように辺りを見渡しつつ、気を紛らわせるために掲示板に書き込みをする。
---
146:イッチ
じゃあ次の話ね。
部室で悪魔召喚を試みたんだ。
詳細は省くけど、結構本格的でね。ひたすら謎の言葉を唱え続けるんだよ。
それが二時間ほど続いたら、急に魔法陣の回りの火が大きく揺らぎ始めたんだ
147:名無し
学校で何してんだよ
148:名無し
やっぱ先輩病んでない?
149:特定班
それに二時間も付き合うイッチも異常だよ?
150:名無し
学校で火を灯すな
火事になったらどうするんだ
151:名無し
火事原因が悪魔召喚って怖すぎるやろ
152:イッチ
火がどんどん大きくなって、そこに何もないはずなのに大きな影が壁を覆った。
大きな角がある人間みたいな形。翼はなかったけどね。
で、その影をみた先輩が突然高笑いを始めた。
153:名無し
悪魔というより鬼なのでは?
154:名無し
先輩が悪役すぎる
155:イッチ
しばらく「高笑いする先輩も可愛いな」って見てたんだけど、
先輩が「ねぇ、私を連れ去って」ってその影に向かって可愛くおねだりするもんだから。
書かれてた魔法陣と火に水かけたよね。
以上
156:名無し
イッチが異常者すぎる
結構ぬるっと終わったな
157:名無し
何このイッチ、怖いんだけど
158:名無し
悪魔に嫉妬するな
159:特定班
先輩もイッチもブレないね
160:イッチ
それじゃあ次の話するね
先輩と深夜学校に忍びこんで一人かくれんぼした時の話なんだけど
一人かくれんぼっていうのは大雑把に言うと呪い人形とかくれんぼするものなんだけど
まぁ風呂なんてないから学校のプールで代用して、俺達はロッカーに隠れた。
161:特定班
本当に仲良いね?君たち
162:名無し
プール使うなよww
だいぶ豪華な一人かくれんぼだな
163:名無し
狭いロッカーに二人で入るやつじゃん!好きなラブコメ展開キターーー!!
164:名無し
学校にバレたら怒られそう
165:イッチ
21時から始まって異変があったのが3時ごろだったから⋯6時間ほどかな?
先輩に「心臓の音、すごい早いけど⋯怖いの?」って聞かれて
「怖いんで手を握っててもらっててもいいですか?」って言って手を繋いでたりしたからあっという間だったよ。
ちなみに心音が速かったのは先輩が至近距離にいたからかな。まぁそんなこんなで快適に過ごしてたんだけど
突然、ロッカーの外から「ズルズル⋯」って何かが這うような音が聞こえ始めた。
166:名無し
イッチって実は大物なのかも知れないよね
167:名無し
高確率で出るな、イッチはそういうのに好かれやすいのか?
168:イッチ
それで、
あ
169:特定班
イッチ⋯?
170:名無し
どうした?
---
「ここは⋯ここが、神社かな?」
山の中。唐突に視界が開け、目の前には寂れた鳥居が佇んでいた。鳥居をくぐり中に入る。
先輩はどこにいるのか、とりあえずスマホで全体の写真を撮りつつ敷地内をうろつく。
先輩に会いたい。先輩は無事なのか、怖い思いしてないか、困ったことになってないか―――
「⋯野田、くん?」
背後から声がした。忘れるわけない、聞き間違えるわけがない。この声は―――!
「先輩⋯」
振り返ると、先輩が驚いた様子で佇んでいた。