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letter 第十話
「スピーチぃ??」
最初の壁は校長だった。なかなかなことを言うなと思った彼だった。そもそも市が真面目に取り合ってくれると思わなかった。
「それは私たちも一緒です。なので、校長先生の力が必要なんです」
「うーむ…」
蓄えた髭を撫でながら考え込む。このアクションをする時は悩んでいる時だ。
「お願いします。僕らには時間がないんです」
レイニーが言った。校長はその言葉を聞くと静かに頷き、こう言った。
「…レイニーくん。君はあまり自我を出すような子じゃなかった。そんな君がそんなにもというなら——仕方がない。力になろう」
レイニーは驚いた。自分の力で、もう二人の心を動かしたのだ。
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「近藤さん。中学校の校長先生から、お電話がかかってきています」
「おーう、送ってくれー」
市役所職員である近藤は受話器を手に取った。相手は校長だ。
「はい、代浮市役所の近藤でございます。…ええ。え?スピーチ??」
近藤は困惑した。中学生にスピーチをさせろと?そんなこと市長に提案すれば諸々に驚くほど時間がかかる。
「ええ。そうなんですか。……そのことに関してはまた後日対面で、はい、はい。失礼します」
これはまた面倒な仕事が増える。冗談じゃない。彼のため息は空調の音に掻き消されていった。