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十度目の困惑
また今日もオンライン説明会か。
そろそろ飽きてきた。いや、もうずっと前から飽きている。
「はぁ…」
そろそろ内定決めないとやばいよな。もう周りの奴らはほとんど…
いや、いやいや、駄目だ。弱気になるな。
僕だって色々と頑張ってきた。今日の説明会もしっかりと爪痕を残そう。
「よろしくお願いします!」
僕は元気よく挨拶をした。しかし帰ってきたのは弱々しい声。
「あ…はいぃ。よろしくお願いします…」
頭の中に?マークが発生した。この人が、代表?
代表らしい男は辿々しい様子で説明を始めた。
「今日は他に二人くるはずだったんですが…時間になっても来ないのでもう始めちゃいますね…」
へへへ、とこっちが虚しくなる様な笑いをこぼす。なんだこれ。
その後の説明もこっちが応援したくなるほどオタオタとしており、非常に頭に入ってこなかった。
「えっと…じゃぁ、今から共有しますね。…あれ、あれ?できない…ちょっと、あ、すみませン…」
が、がんばれー。
僕は心の中で応援しながら見守った。ペットか赤ちゃんが飯を食っているところを眺める親の気分だ。
そんなこんなで説明会は終了した。終始話すことがネガティブ寄りで、本当に人を雇いたいと思っているのか、甚だ疑問になるレベルであった。大人でもこんな感じの人いるんだな。なんか安心したわ。