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アイギス設計図
縁のあの事件があってから数日。
彼女は、病院のベッドで意識を失ってしまっていた。
心拍を表すモニターだけが静かに動く。
大怪我をしたのにも関わらず無理をしてしまったため、落下時に一番衝撃が重かった左腕を切り落とさないといけなくなったそうだ。
菜々「なんで、なんで…?なんで縁ちゃんがこんな目に遭わないといけないの!!」
静かな病室に、菜々の声が響き渡る。
悠「……縁の左腕のことは残念だけど、俺たちの計画のために、設計図を奪い取ってきてくれたんだ。縁の目が覚める前までに、ちゃんと調べておこう。」
紗季「そうね、縁ちゃんは最善を尽くした。でも、左腕をなくしたとしても、私達はずっと味方であり続けよう。」
萌奈「縁ちゃん…。」
みんな、口々にそれぞれの想いを口にする。
『こんな無茶してほしくなかった』
『自分たちに相談してほしかった』
様々な想いが、真っ白な病室の中を駆け巡る。
龍太「……よし、舞雪さんのところに行こう。縁がボロボロになってまで取ってきてくれた設計図だ。役立てよう。」
悠「…そうだな。」
龍太の提案で、みんなは病室を後にした。
縁「……ん……。」
ベッドの中で、微かに動いた縁に気が付かずに_。
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〜治安特別防衛省本部〜
舞雪「これが、取り出した特に重要な部分のデータです。一つ。『アイギスの動きを停止させる機能は、首部分の後ろに設置する』一つ。『アイギスは、物理攻撃に対して非常に強くつくられてはいるが、蹴りなどが苦手。足の部分はそこまで硬くない。』一つ。『アイギスの眼球に、いざというときのための非常用自爆ボタンを設置』。」
舞雪さんが、設計図から読み取った情報を三つ伝える。
みんなが息を呑む。
千歳「あ〜…。かなり重要なことを書いてたみたいだねぇ。」
龍太「そうだな。でも、アイギスについて詳しく書かれてて助かったぜ。これで計画も進む。」
菜々「縁ちゃんのために、絶対これを活用する…!」
弱点。
攻撃耐性。
自爆ボタン。
この三つがわかった。
悠「大丈夫、この状態でこれだけわかっているなら充分だ。まずは、大まかな作戦を立てよう。まず、アイギスの姿をこんな感じだと仮定して__。」
紗季「こんな姿じゃない?」
萌奈「首の後ろにスイッチがあるってことは、コードとか見えてそうだよねぇ。」
みんなでアイギスの姿形を予想する。
かなり上手い…んじゃないかな。
縁に聞けば外見なんてすぐわかるんだろうけど、本人が目の前にいないから…。
テレビで昔報道されていたとはいえ、もう昔のことだしよく覚えていない。
だからこうやって考えるしかないのだ。
悠「じゃあ、こんな感じで頑張ろうな!縁が起きてきてくれることを願ってさ…。」
一旦締めくくり、それぞれで家に帰る。
帰っている途中、悠は、陽暮先輩に遭遇した。
陽暮「おーい悠!今な、みんなで俺の家の庭に集まってサッカーの練習してるんだ!お前も入るか?」
悠「(今かよ…。ちょうどいいところだったのに。)」
と、心の中で少し愚痴りながら、言葉を返そうとする。
だけど、その思いはすぐに打ち砕かれた。
アンデッドだ。
カマキリ型の、怪物。
そいつは、陽暮先輩の首元にカマを振り下ろす。
『なんとか空から打ち倒そう』
そう思って、空を飛ぼうとした。
すると、
ふわり。
悠「あれ…?」
自分の体が浮いていない。陽暮先輩の方を見ると、なんと、カマキリの方が浮いていたのだ。
どうやら俺の浮空幻夢の力で、アンデッドの方を浮かせられたらしい。
また一歩、成長を感じた。
悠「どうしましたか?」
俺は、衝撃で固まっている陽暮先輩に声をかける。
やっぱりヤバかったか。これは。
すると、陽暮先輩が顔を上げた。
陽暮「おいお前!!前に隠し事してないって言ってただろ!!隠し事バチバチにあったじゃねぇか!!」
すごい速さで先輩に追いかけられる。
ギリギリのところで撒いて、家に駆け込んだ。
これで一安心、か…。