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ピーキーブー ⑦笑ったら負け
部活が終わった。
三人はいつもの帰り道を歩いていた。
今日は特に急ぐ理由もなく、いつものようにゆっくり歩いている。
🐷「なあ」
🐵「ん?」
🐿️「何」
ブーが急に二人の前へ出た。
🐷「家着くまで笑ったら負けな」
🐵「急やなwww」
🐿️「もう笑っとるやん」
🐵「あ」
🐷「まだ開始前やからセーフ!」
🐵「危な」
🐿️「ルール適当すぎるやろ」
🐷「じゃあ今からな」
🐵「よし」
🐿️「ほんまにやるん?」
🐷「いくで。スタート!」
その瞬間、三人の顔から笑顔が消えた。
さっきまで普通に喋っていたのに、急に静かになる。
キーはブーを見る。
ブーはピーを見る。
ピーは前だけを見て歩いている。
しばらく誰も喋らなかった。
🐷「…………」
🐵「…………」
🐿️「…………」
十秒。
二十秒。
意外と続く。
キーは少しだけブーの方を見た。
目が合った。
🐷「……ふっ」
🐵「今笑った!!!」
🐷「笑ってへん!」
🐿️「笑っとった」
🐷「息や! 今のは息!」
🐵「どんな息やねんwww」
ピーがすぐにキーを指さした。
🐿️「はいキーもアウト」
🐵「あっ」
🐷「はやwww」
🐿️「ブーも今笑った」
🐷「あっ」
開始一分も経たないうちに、二人が脱落した。
🐵「待って。ピーだけ残っとるやん」
🐷「ほんまや」
ピーは何事もなかったように歩いている。
🐿️「普通にしとったら笑わんやろ」
キーとブーは顔を見合わせた。
🐵「……ブー」
🐷「……キー」
🐵「こうなったら」
🐷「うん」
🐵「ピーも道連れや」
🐷「ええやん」
🐿️「やめろ」
二人はピーを追い越した。
そして少し前を、異様に大股で歩き始める。
🐵「…………」
🐷「…………」
ピーは二人の後ろ姿を見る。
🐿️「何その歩き方」
反応はした。
しかし笑ってはいない。
🐵「強ない?」
🐷「強い」
🐿️「普通に歩いてくれへん?」
キーは次の作戦に移った。
ブーと目を合わせる。
二人同時に振り返り、全力で変な顔をする。
🐵「……」
🐷「……」
🐿️「…………」
ピーはじっと二人を見る。
🐿️「何しとん」
🐵「笑えや!」
🐿️「それ言ったら終わりやろ」
🐷「手強いな」
キーはもう一度変な顔をしようとした。
しかし、自分の隣にいるブーの顔が目に入った。
🐵「……っwww」
🐷「え!?」
🐵「ブーの顔www」
🐷「キーも同じような顔しとったやん!」
🐿️「自分で仕掛けて自分で笑っとるやん」
🐵「無理やってwww」
🐷「まだピー笑ってへん!」
🐵「くそぉ……!」
二人は再び作戦会議を始めた。
🐵「どうする?」
🐷「不意打ち」
🐵「なるほど」
🐿️「全部聞こえとるで」
🐵「聞くな」
🐿️「そっちが目の前で喋っとるんやろ」
ブーがピーの横を歩きながら、何でもない顔をする。
🐷「今日はいい天気ですね」
🐿️「なんで急に敬語なん」
🐷「いい天気ですね」
🐿️「二回言わんでええ」
キーも反対側に並ぶ。
🐵「好きな食べ物は何ですか?」
🐿️「何のインタビューやねん」
🐷「ご趣味は?」
🐿️「お見合い始めんな」
二人の質問攻めにも、ピーは耐え続けた。
🐵「全然笑わんやん」
🐷「どうなっとん」
🐿️「うちの勝ちやな」
その時だった。
ブーが歩道の小さな段差に足を引っかけた。
🐷「うわっ!」
ブーの体が一瞬だけ前に傾く。
すぐに持ち直したものの、その動きがあまりにも突然だった。
🐵「ぶっwww」
そして。
🐿️「……っwww」
キーが勢いよくピーを指さした。
🐵「笑ったーーーー!!!」
🐿️「今のは反則やろwww」
🐷「え!? うち何もしてへん!」
🐵「それが一番おもろかったwww」
🐷「なんでなんで!?」
🐿️「普通につまずいたからやwww」
結局、三人とも笑ってしまった。
最初に勝負を提案したブーは、納得いかなさそうに首をかしげている。
🐷「じゃあ誰が勝ちなん?」
🐵「ピー?」
🐿️「最後まで残っとったしな」
🐷「でも最後笑ったやん」
🐵「じゃあ全員負け?」
🐿️「そうなるんちゃう」
三人は少し考えた。
🐵「……引き分けやな」
🐷「じゃあもう一回やろ!」
🐿️「嫌や」
🐵「よし! 第二回、笑ったら負け選手権!」
🐿️「勝手に始めんな!」
ブーが二人を見る。
🐷「…………ふっ」
🐵「ブー負けーーー!!」
🐷「待って! まだ始まってない!」
🐿️「キーが開始言うたやろwww」
🐵「ピーも笑った!」
🐿️「あっ」
🐷「じゃあ全員負け!」
🐵「第二回終了!」
🐿️「十秒も経ってへんやん!」
また三人で笑った。
しばらくして、ようやく笑いがおさまる。
🐵「これ無理やな」
🐷「無理やな」
🐿️「気付くん遅いわ」
🐵「だって三人で帰っとったら絶対誰かなんか言うやん」
🐷「それな」
🐿️「だいたいお前ら二人やけどな」
🐵「じゃあ次は喋ったら負けにする?」
🐷「ええやん!」
🐿️「絶対もっと早く終わる」
🐵「やってみんと分からんやろ」
🐿️「分かる」
🐷「第一回、喋ったら負け選手権!」
🐵「スタート!」
🐿️「……」
🐷「……」
🐵「……」
三人は黙って歩いた。
五秒後。
🐷「なあ」
🐿️「はやっ!!」
🐵「wwwwww」
結局、三人が静かに帰れる日はまだまだ遠そうだった。
実はこれ、笑いながら作ってるんですよww
楽しんでください、本当に。
じゃ、ばいのりちゃー