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空の上の約束「雪だるまとクローバー」
毎週水曜日だけにりみに会うことになって3ヶ月が経った。12月初旬だ。正体も未だわかっていない。手掛かりも変わらない。
水曜日がやってきた。ちらちらと雪が舞う。
樹葉にとっては、クリスマスよりも楽しみなことだった。りみのところへと歩いていく。そうすると、なんとりみは雪だるまを作っていた。頭には、りみがたくさん持っている四葉のクローバーがちょこんと乗っている。
「あ、樹葉。おはよう。見てこれ〜可愛いでしょっ?」
りみは楽しそうだった。
「うん!すっごくかわいいね!」
樹葉は、あることに気がついた。普段、りみがいる時にはない、四葉のクローバーのキーホルダーがあったのだ。樹葉は気になってそっちの方を見ていると、
「あ、これ!可愛いでしょ?」
りみはキーホルダーを見て言った。樹葉は、この間分かったことがあった。どうやら、りみがくる前日にだけキーホルダーは置いてあるのだと。でもなぜ今日も置いてあるんだ?
「…樹葉、知ってたのね。あ、悪くは思わないよ。…これがないと、来れないの。」
やっぱり。樹葉はそう思った。それにしても、来れないとはどういうことなんだろう…。
そのまま樹葉は学校へ行った。
樹葉は学校が終わり、家に帰った。すると、お母さんはアルバムを眺めている。少し涙ぐんでいる。しかも、樹葉の成長を思って嬉し泣きしている様子ではなく、悲しそうな顔、どこか寂しそうだった。写っているのは、樹葉ともう一人の女の子だ。
「この子…誰なの?(どうして泣いてるの…)」
お母さんは黙ったままだ。涙がひとつ、こぼれ落ちる。
「この子はね…、(ぐすん、)やっぱり言えない…。」
やっぱり言えない?なんでだ。樹葉は疑問に思うのだ。
「やっぱり言えないってどういうこと?」
お母さんは答えない。そんなに言えないことなんだろうか。
「この子は…、この子に会いたいよ……なんで…なんで………!」
よっぽどの秘密らしい。
1時間後、お母さんはアルバムを片付け、夜ご飯の支度を始めた。樹葉は、今のうち、とアルバムを部屋に持ち込み、写真を眺めた。誰だろう。
(私と同じぐらいの背…、あどけない笑顔…、他には…)
全く想像がつかなかった。すると、顔が整ってくる2歳ごろの写真が目に入った。その写真の中では、樹葉の隣に写っている女の子が四葉のクローバーのキーホルダーを持っていた。
(まさか…そんなこと、ね。)
樹葉は少し焦った。写真の女の子が持っているキーホルダーが、りみのキーホルダーとよく似ていたからだ。そして、その写真以降にその女の子が写っていることはなかったのだ…。
次回、「年明けに真実を」に続く
読んでくれてありがとー!まさか1日に2話投稿するとはw
そろそろりみの正体、みんなわかってきたかな?
第5話、「年明けに真実を」!なんだか正体が分かりそうだねー!
さぁさぁどうなる?お楽しみにー!