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空の上の約束「年明けに真実を」
あれから約二週間。樹葉には冬休みがやってきた。まだ、りみの正体はわからない。ただ、写真の女の子となにか関係があるのではないか、と見当をつけることはできた。四葉のクローバーのキーホルダー。
あっという間に年末だ。今年の大みそかは、火曜日。(現実とは違います)ということは、年明けすぐにりみに会うことができるというわけだ。
今年最後の水曜日。スキップをしながらりみのところへと向かった。
「もう、今年も終わりだね。・・・年明けには、正体がわかるかも。」
りみはどういうつもりなんだろうか。今言ったらだめなのだろうか。
「もうわかるんじゃない?」
そういってりみはキーホルダーを掲げた。
「これに、見覚えがあるんじゃないの。」
樹葉はギクッとした。でも、それもすべて悟られている。
「あ、やっぱり。仕方ないけど、ま、
いつかはわかることだし。」
無理やり笑顔を作った。りみも、樹葉も。
時間だ。もう二人は別れた。
樹葉は家に帰った。アルバムを探す。やっぱりキーホルダーと女の子が写っている。これは、りみなんじゃないのか。そう何度思ったことだろう。でも、なぜこの写真以降、りみらしき女の子は写っていないんだろうか。
年明け。朝、雪の散歩してくる、と理由付けして、樹葉は駆け出した。
「あけましておめでとうっ。」
二人同時に言った。その後すぐにりみが、
「写真の女の子、私だと思ってるんでしょ。」
そう聞いてきた。真剣な目をしていた。
樹葉が思っていること、考えていることはなぜかすべてりみに悟られているのにも関わらず、おどおどしていた。
「その女の子が私であることに違いはないよ、、、、、でもね。なんでその写真以降に私がいなくなったかはわからないでしょ。なんで今私はここにいるの?毎日同じ服装で、キーホルダーをもって。」
わからない、と樹葉はつぶやいた。
「それは樹葉のお母さんも知ってる。でも、聞かない方がいいわ。私から、いう。」
「うん、約束する。」
そうはいったものの、気になって仕方がない。お母さんも知ってる?りみを?どうして。ただ、あの写真がりみだということがわかった。それはいい情報である。
「じゃあね、今年もいい年になりますように。あと、これからは毎日会える。」
「うん、ありがと。りみ、大好き。」
思わず言ってしまった。すると、りみはまさかの、
「ありがとう。10年ぶりにそんなこと言われた。」
そのまま二人は別れたが、樹葉はずっと考えていた。10年ぶりの大好き?なんて謎なんだよ。
家に帰って、普段は明けない棚の扉を開けた。すると、二つベビーカーが出てきたのだった。
5話しゅーりょー!
次完結だよー
見てくれてありがと、大好き。