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第3話「コブル、進化の時」
あの日見た涙
意思を無視してすいりゅうれんだの練習を強制してきた家族と縁を切り、リボリーヌともに行くことを選んだコブルはリボリーヌの家であんこくきょうだの練習をしていた。
「ここはアブリボンのポケモン研究所だ。私がもっと己を強くできるように特訓の場所として作ったんだ。さあ、コブル来いよ!お前の全力のあんこくきょうだ、私が受け止めてやる!」
そう意気込むリボリーヌだったが、コブルは心配だった。いくらフェアリータイプだからあく技が半減だとはいえ、防御種族値の低いリボリーヌが威力の高い確定急所技であるあんこくきょうだを耐えられるのかと。
コブルは、そんなこと気にするなと自分に言い聞かせながらあんこくきょうだを繰り出した。すると…
**リボリーヌは吹っ飛んだ。**
やっぱ耐えられてないじゃねえか、とコブルは思った。だが、リボリーヌは戦闘不能にはならず起き上がった。
「気合で耐えたから何とかなったぞ。お前のあんこくきょうだ、結構効いたぞ。こりゃ進化の時は近いかもしれないな。」
とリボリーヌは喘ぎながら言った。
こうして、コブルの特訓が始まった。
そして、特訓が始まって数か月が経ったころ…
**ついにコブルはウーラオス(いちげきのかた)へと進化を遂げたのである。**
「おめでとう、コブル!お前は私の求めていた強いポケモンになってくれたよ。でも私はあと5体強いポケモンを求める!これからもよろしくな!コブル」
コブルは思った。結局俺の夢を後押ししていたのもすべて自分の夢をかなえるためだった。俺はずっとこいつの手のひらの上で転がされていたんだな、と。
数日後、リボリーヌとコブルはミアレシティを訪れていた。理由はもちろん「強いポケモン」を探すためだった。
そして二匹は一人で特訓している一匹のルチャブルを見つけた。
「やあお前名前は何というんだ。あと特訓なら私が付き合うぞ。」
リボリーヌはルチャブルに近づいて言った。
「俺に名前などない。家族もどこにいるかわからない。俺はただ強さを求めているだけだ。」
ルチャブルの「強さを求めている」という言葉が、リボリーヌを突き刺した。
「私も強さを求めていたんだ。だが、ポケモンとしての強さは種族値という概念がある限り無理ということに気づいたんだ。だから私はポケモントレーナーになった。私はトレーナーとしてお前の夢を後押ししたい。私の後ろにいるウーラオスも同じだ。」
と、リボリーヌはコブルを指さした。
「俺の求める強さは単純な火力だけだ。それに対して周りが求める強さは火力、耐久、素早さ全てを兼ね備えた総合的な力だ。周りと意見が分かれて、何が強さなのかわからなくなっちまった。」
ルチャブルの悩みを聞き入っていたリボリーヌは話が終わるとすぐに口を開いた。
「この問題に関して、簡潔に言うと答えなんてない。ルチャブル、お前の思う強さがそのまま正解だ。耐久力がないなら、攻撃される前に攻撃して一撃でねじふればいい。ただそれだけの話だろ?私も耐久力はほぼ皆無だ。だが、攻撃力をもってして、うえから攻撃して相手を倒しているぞ。」
そしてルチャブルはリボリーヌについてくることに決めた。
「ところで、トレーナーはよくポケモンにニックネームをつけることがある。お前に名前がないならちょうどいい。そうだな、ルチャブルの種族名をいじってルルチャとかどうだ?なかなかかわいい名前じゃないか」
「俺、男だぞ⁉」
と、ルルチャは静かに言った。