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木漏れ日の差す木の下で
夏の話
太陽が眩しい。
私は歩きながら思った。
隣にいる蒼を見ると、蒼も眩しそうに目を細めていた。
やっぱり、蒼は可愛いなあ。
そしたら、目があった。
「市夏、どうかしたか?」
「え、何が?」
「こっちを見てたけど」
「別に何もないよ」
「そうか?」
納得がいかないという様子で蒼は前をまた向く。
しばらくしーんとしていたけど、蒼がまた、横を見てきた。
「なんか気まずい。何でもいいから何か話せ」
「なんでもいいって何を話すんだよ」
「何か。」
再び沈黙が。
「じゃあ、蒼。なんでもいいから話してよ」
「なんでおれが?」
「蒼がはじめ言ってきたから。」
三度目の沈黙が。
三度目の正直っていうのに、三度目の沈黙はくるのかな。
そんなことを思っていると、蒼が言った。
「しーん。」
いや、なんで今?
「なんで「しーん。」って今言うの?」
「なんか話せって市夏が言ったからだろ。」
また沈黙。
「しーん...」
今度は私が言う。
「いや、なんで?」
「蒼も言ったから。」
また沈黙が訪れた。
「しーん!」
「いや、なんで語尾に「!」なの?」
「なんか、アレンジしたくてさ(?)」
「へー。」
「なんだその反応。」
また沈黙...って、何回目の沈黙だよ!
「しーん...?」
次は私が言った。
少しアレンジ入れてみて。
「いや、余計に気まずいだろ」
「先始めたのは誰?」
「市夏」
「いや、蒼じゃんっっっ!」
「そこは、「私です」って言ってくれてもいいんじゃない?」
なんでそうなるの!?
そのとたん、ぱっと明るくなった。
さっきも明るかった空が、もっと明るくなっている。
空を見上げてみる。
すると、太陽が輝いていた。
もう、これ以上はないというほどに。
眩しくて、目を背けた。
すると、蒼もまったく同じことをしていた。
なぜか胸がドキドキしてきた。
なんだろう?
恥ずかしいのかな、幼馴染と同じタイミングで目を背けたのが。
「なあ市夏。」
「どした?」
「おれな、市夏と。」
「私と、何?」
「いや、なんでもない。」
そう言った蒼の顔は、少し赤かった。
なぜかそれを見ると、私も照れてきた。
照れくさくて、上を見上げた。
偶然にちょうど、あの桜の木の下に来ていた。
そこに、木漏れ日が差し込んできた。
空も、気分も、よりいっそう明るくなった。