公開中
『ダンジョン運営も楽じゃない!』
どうも!このアカウントの影の支配者(予定)兼、今日も一人で執筆中のアユトです!
今回は完全新作!
『ダンジョン清掃・保守管理課の朝は遅い(嘘)』をお届けします!(⑉>ᴗ<ノノ゙✩:+✧︎⋆パチパチ
華やかな冒険者の裏で、胃を痛めながらエンタメ空間(ダンジョン)を作り出している裏方さんたちのお仕事コメディです(笑)。
『俺って天才!』って悦に入ってる冒険者と、裏で泥臭く駆け回る整備員たちの温度差を楽しんでいってください!
Atono「……ねぇアユト、これタイトルに『(嘘)』って入ってるけど、朝早いの?」
アユト「ブラックだから超早出だし超サービス残業だよ!!」
それでは、裏方の苦労が詰まった第1話へどうぞ!(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾*•.¸¸♡
**『ダンジョン清掃・保守管理課の朝は遅い(嘘)』**
松明のほの暗い光が、濡れた石造りの壁を怪しく照らし出していた。
「――待て。みんな、足を止めろ」
パーティーのリーダーである剣士・レオンが、張り詰めた声で静止をかける。
彼が指さした先、石畳のわずかな凹凸を見つめ、仲間たちがゴクリと息をのんだ。
「ふっ……甘いな。この不自然な床の沈み込み……矢が飛び出す感圧式のトラップだな?」
「さすがレオンさん! 私、全然気づかなかった……!」
「フッ、ダンジョンの罠師め。俺たちの目を誤魔化せると思うなよ!」
レオンは腰の剣を軽く叩くと、華麗なステップで危険地帯を軽々と飛び越えてみせた。
続いて仲間たちも慎重に罠を回避し、奥の扉へと進んでいく。
「今日も無傷でダンジョン攻略達成だな!」という誇らしげな高笑いが、通路の奥へと消えていった。
**――30秒後。**
「……行ったか?」
「はい、角を曲がりました! 完全に気配消えました!」
静まり返った通路の壁が、突如として『ガラガラガラ』と音を立てて横にスライドした。
現れたのは、つなぎの作業着に安全ヘルメットをかぶった二人組。
手には万能レンチと魔法のスコップ。
そして胸元には『株式会社ダンジョン・マネジメント 現場維持管理課』のIDカードが光っている。
新人社員のルークは、頭を抱えて叫んだ。
「先輩! だから言ったじゃないですか! 『初級冒険者向け通路』にレベル3の感圧罠は分かりやすすぎるって! 普通にスルーされましたよ!?」
「うるさいわね! 最近の新人冒険者がネットの攻略wiki見すぎなのよ!」
ベテラン整備員のヴェロニカ先輩が、作業着の袖をまくり上げながら悪態をつく。
「いい、ルーク? 私たちの仕事は冒険者を殺すことじゃない。『うわっ危ねぇ!』っていうスリルと『俺って天才!』っていう快感を提供して、笑顔で帰すことなの! 今日のあのパーティー、あのままだと『今日のダンジョンぬるくね?』ってレビューサイトに☆1評価書くわよ!?」
「うぐっ……顧客満足度(CS)の低下は今月のボーナスに響く……!」
「分かったら急ぐわよ! あいつら、次は5分後に『岩ゴロゴロエリア』に到達する! ルーク、裏の搬入用エレベーターから200キロのダミー岩運んで! 手押しで!」
「200キロ!? 魔法で運んじゃダメなんですか!?」
「この階層は魔力感知型のモンスターがいるから魔法厳禁! 筋肉使いなさい、筋肉!」
「求人票に『アットホームな職場で体力に自信がない方も安心』って書いてあったのにぃぃぃ!!」
ルークは悲鳴を上げながら、裏通路へと猛ダッシュを開始した。
「ハァ……ハァ……! 重い、重すぎる……っ!」
ルークは搬入用の台車をがむしゃらに押し、裏通路を爆走していた。
上に乗っているのは、ポリウレタンと微量の軽量化魔法で作られた「特製ダミー岩(重量200キロ)」。
当たっても怪我はしないが、見た目はどう見ても命を奪いにくる大岩そのものだ。
「ルーク、遅い! あと三十秒であいつらがエリアに入るわよ!」
「無茶言わないでください! これ、坂道なんですよ!?」
傾斜三十度のキャットウォーク(作業用通路)を駆け上がり、岩転がしトラップの「発射口」へと滑り込む。
壁の覗き穴から下を見下ろすと、先ほどの冒険者パーティー(レオンたち)が、ドヤ顔を崩さないまま「岩ゴロゴロエリア」の入口に足を踏み入れるところだった。
「よし、間に合った……! レオンたちが特定のステップを踏んだら、手動でこのレバーを引いて岩を落とすわ!」
ヴェロニカがレバーに手をかけ、息を潜める。
しかし、覗き穴を覗いていたルークが血の気を引かせた。
「せ、先輩……大変です! あのパーティーの魔法使いの女の子、靴ひも結び直してます!」
「はあ!? なんで今!? じゃあ先頭の剣士だけ先に進んじゃうじゃない!」
「このままだと、剣士ひとりだけ岩に追われて、後ろの仲間が取り残されます! 連携プレイの見せ場が作れません!」
「チッ、これだから素人は……!」
ヴェロニカは素早くインカムのスイッチを入れた。
『こちら現場維持管理課! 5階層・Bルートの「発光キノコ」の光量を10%下げて! あいつらの視界をちょっと悪くして、歩調を合わせさせるわよ!』
『了解、調光しまーす』
ダンジョンの天井に生えたキノコが一瞬だけほの暗くなる。
「ん? ちょっと暗くなったな……みんな、離れるなよ」と、先頭のレオンが足を止めた。
その隙に、靴ひもを結び終えた魔法使いが合流する。
「よし、今よ! ルーク、レバー引いて!!」
「うおおおーっ!!」
ルークが渾身の力でレバーを引くと、ガコン!という重厚な音が響き、200キロのダミー岩が傾斜を転がり落ちていった。
『ゴロゴロゴロゴロ……!!』
「な、なんだこの音は!?」
下からレオンの焦った悲鳴が聞こえてくる。
「出たな、大岩トラップ! みんな、走れぇぇぇ!!」
「キャー! 追いつかれるー!」
絶叫しながら一列になって全力で逃げ出す冒険者たち。
彼らがぎりぎりのところで横穴へ飛び込むと、ダミー岩は『ズシーン!』と壁に激突し、派手な音を立てて砕け散った(破片は数分後に自動消滅する仕様だ)。
覗き穴からその光景を見ていたルークとヴェロニカは、はぁ……と深い溜息をついてその場にへたり込んだ。
「……逃げ切れましたね」
「ええ。ハラハラ感演出成功、怪我人ゼロ。満点のアクションシーンを提供してあげたわ」
直後、下の通路からレオンの声が響いてきた。
「ハァ……ハァ……間一髪だったな! だが……最高にシビれる冒険じゃないか!」
「さすがレオンさん! あの判断力、痺れました!」
「ふっ、これだからダンジョン攻略はやめられないぜ!」
ハイタッチを交わし、満足気な笑顔で奥へと進んでいく冒険者たち。
「……喜んでくれて何よりです」
ルークは疲れ果てた顔で微笑んだ。
「さ、余韻に浸ってるヒマはないわよルーク。次は8階層のボス、大蜘蛛(ビッグスパイダー)の糸の補充と、ついでに巣の掃除に行くわよ!」
「えっ、あの巨大な蜘蛛の巣をですか!? 手で払うんですか!?」
「当たり前でしょ! はい、コロコロ持って!」
「求人票の『快適な職場環境』ってこういう意味じゃなーーーい!!」
ルークの叫び声が、ダンジョンの裏通路に虚しくこだましたのだった。
(第1話・完)
最後まで読んでくれてありがとうございます!アユトです!
200キロのダミー岩を手押しで運ばされるルーク、不憫すぎて最高ですね(笑)。
冒険者に最高のスリルと「俺ってすごーい!」を提供するために、裏では調光したり岩運んだりコロコロかけたり……ダンジョン運営も楽じゃない!
アユト「いや〜、レビューサイトの★1評価を恐れるダンジョン運営、リアルで良くない!?」
Atono「めちゃくちゃ裏方の苦労が滲み出てて笑ったわ。で、アユトはいつコロコロ持って掃除行くの?」
アユト「行かないよ!? 原稿を書くという重労働(200キロの岩並み)をしてるんだから!!」
(楽しく書かせてもらってるからね!責任なんてあんまないからね!労働でもないよ!話の流れ的にね…)
Atono「はいはい、お疲れ様( ˙-˙ )」
……というわけで、
「裏方組がんばれ!」「☆5評価してあげたい!」と思ってくださった方は、ぜひ感想をいただけるとめちゃくちゃ励みになります!
次回もお楽しみに〜!✨(未定)