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先輩は僕を、逃してくれない。1
新シリーズ始動!です!
果たして見てくれている方はどれだけ居るのだろうか…
「んん〜、今日もいい目覚めだ…」
ぽつりと、僕はいつもの独り言を漏らす。
まさかこの一日で、人生が180°変わるなんて。
--- このときの僕は、知る由もない。 ---
気を取り直して、諸々終わらせてから下のリビングへ。
そこには、もう双子の妹たちが居た。
きょ、今日も可愛い…
ソファにダラダラと座っているのが(寝ているのが)楓。
動物並の運動神経を持つ妹だ。
そしてその横で、きっちりとした服装で朝ごはんを頬張っているのが紅葉。
性格でてるなぁ…
「あ、お兄ちゃんおはよう!」
「…………」
「おはよう!ふたりとも!」
紅葉が挨拶をしてくれないのはいつものことだ…はは…
「お兄ちゃん、もう時間だけど行かなくていいの?」
か、可愛いっっ‼
できればずっと家に居たいけど、入学式に遅れるのはまずいか…
「行ってきます〜」
「行ってらっしゃい!」
学校は比較的近くて、10分くらいで着ける。
校門を潜り、体育館に向かう。
すると張り紙がしてあって、
『生徒は一度クラスに入って荷物を置いてから体育館に向かうように』
と書いてあった。
クラス、クラス…
あ、自分はB組か。
ええと、B組って確か階段を上がってすぐ右だったような…?
考え事をしながら歩いていたからだろうか。
誰かにぶつかってしまった。
曲がり角だったため相手も見えず、正面から思いっきり…
「ぐっ‥」
「きゃっ⁉」
女の子の…声?
見ると、ロングで先輩らしき人が床に座り込んでいた。
「すっ、すみません‼ 前見てなくて‼」
「こちらこそ。急いでいたから…」
用事があるから、と言って、その先輩は走り去っていった。
多分体育館の方‥‥
って、僕も荷物置いて行かなきゃ!
---
「な、なんとか間に合った…」
一人、体育館で呟く。
担任発表が行われていて…
B組は山田先生という、活発そうな男の先生だった。
担任発表が行われた後は、部活動紹介。
楽しそうな部活が沢山あるなぁ…!
でも、僕は運動できないから運動部は無理だな。
残るは文化部だけど…
美術部はどうだろう?
いや、この前紅葉にイラストを描いたらドン引きされたな。
確か小声で「お兄ちゃん画力無いね。やめたほうがいいよそういうの。」
って言ってたから覚えてる。悲しい。
じゃあ何がいいかな‥?
ちょうどその時響いたのは、冷涼さを感じる綺麗な声。
十中八九、さっきの先輩だった。
⁉!!⁉⁉⁉
僕、すごい人にぶつかっちゃったんだじゃ⁉
入学早々、まずい流れだ…
一度そのことは忘れて、部活動紹介の方を見る。
あの先輩は文芸部で、部員は先輩1人だそうで…
よし。
ここには絶対、入らないようにしよう。
絶対いいこと無い。
僕文才ないし。
その後、先生から説明があったが、必ずどこかしらの部活には入らないといけないそうだ。
どうしよう…?
まぁ5月には部活に入ってればいいらしい。
4月中はゆっくり決めてな、と言って先生は朗らかに笑っていた。
---
翌日、昼休み。
早速授業授業で、少し疲れたな…とか思ってると…
「あ、ちょっとそこの君!この前ぶつかった君!」
………
僕?
「はい…?」
「ちょっと来て!」
「私にこの前ぶつかったでしょ?
あれのせいで、私遅れちゃったのよ‼」
「え、すみません‼ほんとに‼」
「だから、
お詫びとして文芸部に入ってくれない?」
……は?
「む、無理です無理です‼僕に文芸部なんて‼」
「お願いよ、部員がいないの!廃部になっちゃう!」
「でも、僕には…」
「忘れたの?あなたには罪があるのよ?」
先輩の声が、重みを帯びる。
正直言って怖い…
「うぅ…分かりましたよ…」
「良かった!じゃあ、放課後待ってるわね〜!」
にこっと笑った先輩の顔は、とても綺麗だった。
不思議な感情を感じるほどに。
1628文字!
スクロールありがとうございました!
次話もよろしくお願いします!