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先輩は僕を、逃してくれない。2
書き溜め型で…
更新遅くてすみません🙇🏻♀️
先輩に半ば無理矢理入部させられた文芸部。
初めての部活が、まさか廃部寸前の部だとは…
まさか神々も思うまい。
意を決して、重たい文芸部のドアを開ける。
「し、失礼しまーす…」
「あ、来たのね。じゃあ早速始めましょ。」
「な、何をですか?」
「何って…部活動よ部活動。何言ってるの。」
いや、その内容ですよ。
心のなかでこっそりと、つっこみを入れておいた。
「まずは私の作品、見てみて。」
「はぁ…」
押し付けられるような形で、旧型のパソコンを受け取る。
先輩が打ったであろう、文字たちを見ているうちに。
知らず知らずのうちに手が動く。
本当に、すごかった。
内容自体は恋愛。
だけどすごく詰まっていて、泣けてくるような話で。
このひと、文才どうなってるんだろう。
一瞬で、先輩の作品の虜になったのは明らかだった。
「ど、どうだった…?」
先輩が控えめに言ってくる。
「どうもなにも…すごいじゃないですか。こんな話が書けるなんて。」
率直に、今の感想を伝える。
「ほ、本当⁉ ほんとに⁉」
「え?はい、ほんとですけど‥?」
「よ、良かったーーーー‼‼」
今にも飛び跳ねそうな勢いに気圧される僕……
「実は、今まで誰にも見せたことがなくて…」
「君が初めてで、ちょっと心配だったの。」
じゃあ、なんであんなに自信満々だったんですか。
色々とつっこみたいところがある…
「あの、前から気になってたんですけど…」
「その、『君』っていうのやめません?」
「僕、名前ありますよ?」
「……『少年』の方が良かった?」
「違いますって‼‼」
マイペースなのか、天然なのか、面白がっているのか。
この先輩は、、本当によくわからない。
「分かったわ、名前は?」
「雨柳、桐斗です。」
「うーん…桐斗でいい?」
考えるの面倒くさくなったでしょ…
「いいですけど…僕はなんて呼べばいいですか?」
「何、呼び捨てしたいの?」
「違いますって‼‼」
からかうの好きだなこの先輩…
「分かったわ、春海でも桜でも好きに呼びなさい。」
「……じゃあ桜先輩……」
「…‥…」
だ、駄目だったのかな⁉
何故か黙りこくってしまった先輩を前に、焦る僕。
「は、早く部活始めましょ、、桐斗。」
「はい!桜先輩!」
今の沈黙は何だったんだろう。
いつもの先輩に戻ってくれて安心だ…
「それで、具体的に何するんですか?」
「短編小説の執筆よ。簡単でしょ?」
「………え⁉」
短編小説の、執筆⁉
「む、無理ですよ‼ 僕に小説なんて‼」
「できるわよ、意外と簡単だし。」
「桐斗ならできるでしょ?」
桜先輩に下から覗き込まれる形になる…
大きな瞳がこちらを除いてくると、男子はどうしても断れなくなるのか。
「わかり、ましたよ…」
「良かった!」
ふふっ、と微笑む桜先輩。
この人は本当に、美人だけどどこか掴めないひとだなぁ…
「じゃ、どうぞ。」
そう言って、桜先輩は…
ズシッと重さのある旧型パソコンを僕の前へ置く。
文章が打ち込めるようになってるけど…
「あ、言い忘れてた。」
「文芸部では、月に一回、部長が題材を決めて部員がそれに従って書くの。」
「今月のテーマは『自然』よ。頑張ってね。」
初耳‼‼
自然⁉
自然…自然…自然…?
思いつかなさすぎる。
なんなの、その適当なテーマ…
しかも、小説なんて書くの初めて‼‼
つまり書けるわけがない‼
どうしよう…
僕が悩んでいる間にも、先輩は真剣な顔をしてキーボードを叩いている。
ってかすごい速さ…
その真剣な顔に、僕の心臓がまた変な音を上げた――
1518文字。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
次話もお楽しみに~