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月曜日の約束と、ひみつのパンケーキ
れもん
週末が明けた月曜日の朝。
葵(あおい)はいつもより少し早めに家を出た。ランドセルの中には、昨日お母さんと行ったカフェのショップカードと、写真をプリントした紙が大事に入っている。
(陸(りく)くん、もう学校に来てるかな……)
教室のドアをガラガラと開けると、まだ人はまばらだった。だけど、葵の席のすぐ後ろ——陸の席には、もう青いランドセルが置いてあった。
陸は窓際で、友達と週末にあったサッカーの試合の話をして盛り上がっている。葵が自分の席に座ると、陸が「あ、葵! おはよう!」と元気よく声をかけてくれた。
「陸くん、おはよう!」
「ねえねえ、例のパンケーキのお店、どうだった? 妹が今朝も『お兄ちゃん聞いてきて!』ってうるさかったんだよ」
陸が葵の机の前にやってきて、身を乗り出す。
「すごく美味しかったよ! これ、お店にあったメニューのカードと、お母さんが撮ってくれた写真なんだけど……見る?」
葵がランドセルからカードを出すと、陸の目が輝いた。
「うわ、なにこれ! パンケーキの上にクリームが山盛りじゃん! 超うまそう!」
「ふふ、見た目だけじゃなくて、フワフワで口の中で溶けちゃうんだよ。イチゴのソースが甘酸っぱくてね……」
葵が夢中で説明していると、陸は真剣な顔で写真を見つめたあと、ふっと笑った。
「そっか。葵がそんなに嬉しそうな顔するなら、絶対に美味しいんだな」
「えっ……!?」
思いがけない言葉に、葵の顔が一気に熱くなった。陸は全然気にしていない様子で、「よし、今度の週末、妹と親にお願いして連れて行ってもらおう!」と嬉しそうに言っている。
そのとき、朝の会を告げるキーンコーンカーンコーンというチャイムが鳴り響いた。
「あ、席つかなきゃ。葵、教えてくれてありがとう!」
陸は自分の席に戻りながら、葵に小さくピースサインを作ってみせた。
葵は自分の胸にそっと手を当てた。ドクドクと、心臓の音がいつもより大きく聞こえる。
(陸くんの『また来週!』の約束、ちゃんと果たせたな……)
黒板を見ると、今朝の太陽の光がやさしく反射していた。今週も、きっと素敵な1週間になる——そんな予感がした。