公開中
浪花街・ゲット・バック Episode.5
「どうしたのお前急に、店寄って飲んでく?」
「ありがとよ。金借りてきてっから」
|萩原《はぎわら》|猪吹《いぶき》。ホストクラブ「Neon and Sepia」の人気キャスト。松田とは高校時代の友人。
「お代はいいよ。俺がツケとく。お前役所クビになったんだろ?」
「へへっ」
---
「えっ?じゃあ…この店も畳まなきゃいけないってことか?」
「そうだ。お前も職なしだ」
彼は苦虫を噛み潰したような顔をした。
「俺、ここのオーナーさんにどれだけ世話になったことか…こちらこそ、協力させてくれ」
彼は松田に手を差し伸べた。そのまま二人は強い握手をした。
---
店のバックヤードには幕内と、ある男が話していた。
「幕内さん、本当ですか?こんな早く畳んだら、ワシもあんたも相当アレですよ」
「だから困ってるんだ。|盃目《はいのめ》」
おおよそ身長は180cmをゆうに超え、大きめなスーツを着ていてもわかる筋肉。きっと並大抵の人間なら紙屑のように投げ捨てられるような見た目をしていた。
「なんとかならないかな?どうにかそれを止められるような…」
「なんとかしたいのはヤマヤマなんですがぁ…ヤクザにはできることが…とりあえず、道具だけ買っとけばええんじゃないですか?いいツテがあるんで」
自信ありげに親指を立てたのは|盃目《はいのめ》|菊雄《きくお》だ。彼は忠実で、正直で、幕内の右腕と呼んでも差し支えない男であった。
「まあ…そうするか…あんまり力で行くと怖いんだ…なんせ相手は政府だからな」