公開中
0003 天才なので、普通の人の心が分かりません
お待たせしました(皐月パートに時間がかかったので……)
あと、奏多だと「そうた」と読み間違えそうなので、奏恵(かなえ)にしました。
それ以外にも少しずつ修正を加えました。
2068年3月12日月曜日。
「先生、答辞の確認はしてくれましたか? データを送ったはずなんですけど」
「ん? あー、確認したした。問題なかったぞ。さすが自称天才だな」
「それなら良かったです」
私は立花先生のその返答にほっとした。
とりあえず推敲は軽くAIで済ませたんだけど、そもそも内容が適切かどうかが分からなかったしね。
卒業式に向けて私がやらなきゃいけないことは……とりあえずそれだけだと思う。あとはこれをスムーズに言えるように練習しておこう。
最近では卒業式の練習も増えてきて、授業も内容はほとんど終わっているため、気楽な時間へと変わっている。
私のクラスでは、「昔ながらの学級文集を作ろう!」という話になったから、それの作成を行っている。……メイがまだ学校に来ないまま。
「お前、最近考え事が多いな? 皐月のことか?」
先生に言い当てられて、思わず驚いた。
……どうしてわかったんだろう?
「良く分かりましたね?」
「まあ、先生ってのはそういう職業だからな」
「そうですか……」
なんというか、こういうところが立花先生だよなぁ。
「ま、俺の方も皐月のことは気にしているから安心してくれ」
「それは安心材料にはなりませんけど、まあ、私が行動するよりはいいと思うので、任せます」
「ああ……と言っても、皐月のことだしいずれ立ち直ると思うけどな」
「それでもその前段階はお願いします」
「ああ、引き受けた」
学校では相変わらず何事もなかった。
そしてその後、家に帰った私は、少しの不安を感じていた。
立花先生で、大丈夫かな……?
私よりはいいと思う。
けれど……
なんだか普通に不安だった。
やっぱりメイに連絡を取ってみようかな。
慰めとかだったらきっとメイに嫌われる。だからそうじゃないもの。
けれど術者関係の話からずれていたら、メイは私に気遣われすぎていると感じてしまいそう。
十数分考えた。
私は結局、思いついた一文だけを入力して……そのまま画面を閉じた。
しばらくしても、メイがまだ学校に来なかったら、このメッセージを送ろう。
そう心に決めて。
二日が経った。
メイはまだ学校に来ない。
メイがいなくてもしゃべる相手とかはいるけど、メイがいない学校生活は退屈だ。
あのメッセージをもう送るかどうか……
ただ、来週はメイにも来てほしい。
今は全然水曜日だけど……
「送っちゃおう」
私は放課後、メイにメッセージを送った。
それと同時に、術者を目指す覚悟を決めた。
次の日も。
メイは学校に来なかった。
あのメッセージじゃダメだったかな?
だけど、それ以外のいいメッセージは思いつかない。
……また、待たなくちゃいけないのか。
「かなちゃん」
私はかなちゃんに話しかけることにした。
「術者についてちょっと調べてみたの。共有しない?」
「いいよー」
かなちゃんは優しいから、快く了承してくれた。
「お、術学の話をしているんだったら僕も混ぜてよ」
「あ、|夕陽《ゆうひ》だ。いいよー」
朝の間だからか、隣のクラスの赤坂夕陽も話に入ってきた。
彼はCランク。Cランクはこの小学校にはあと2人いて、普通はCランク3人でも十分なのに、それに加えてBランク、Sランクまでいるんだから、この学年は「当たり」だと言われていることがある。
これも、立花先生の情報だ。
「私たちが行く術学は、第一術者養成学校でしょ?」
「うん、Cランク以上は基本そこに入るって聞いたよ」
「まあそれ以外に行く人もたまにいるらしいけど。あとは逆にランクが低かった人がどうせ妖術はあまり使えないからレベルの高い授業を受けたいって人がいたりもするらしい。そういう場合は選抜制らしいね」
「じゃあ私たちはラッキーなのかな」
「いや、そもそもCランク以上なんだからかなりラッキーだと思うよ」
「そうそう、SランクとBランクとかと同じ場所で学べるってそれだけで僕にとっては十分だ」
「私からしたらCランクは同じランクの人が多そうだからうらやましいけどね。……そういえばどのランクでも初めには式神をつくるんだよね?」
「そうらしい。現在の最高ランクは黄龍だっけ? 地震の際に活躍したっていう」
「そうそう。他にも青龍と白虎もいるらしい。確か両方ともSランクだったはず……もしかして咲良さんは朱雀か玄武を式神にできるんじゃない?」
「確かにあるかもしれないなぁ。確かSSランクの|紅夜叉《くれないやしゃ》北斗さんだっけ? 黄龍が式神なのは」
「そうそう。調べたらめっちゃかっこいいの! 憧れるよねぇ。……ま、Bランクだから私が四神を式神に出来るわけがないからなぁ。……もしかして咲良って、北斗さんとも喋れる可能性が高い!?」
「そうかもしれないね」
「いいなぁ~」
メッセージを送ってもメイが学校に現れなかったことで多少メイへの執着が取れたような気がしている。
だからかな?
今日の学校は、そこそこに楽しいや!
そりゃあメイにも来てほしいけど、最後は結局メイ次第だし。
それに、先生も行動してくれているはず。
それだったらこれもメイの選択だということで、これ以上私がくよくよするのはやめよう。
……これでメイが私の親友じゃなくなったとしても、私は納得できる……はずだから。
アドバイス、ファンレター、タイトル案待ってます!
今日中にもう一話投稿します。
次は皐月視点です。