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もう一度家族と呼んで 13巻(最終巻)
黒鳥
最終巻です
佐々木ひなちゃんの幸せだった暮らしが、孤児院から引き取られた年下の子花咲りさちゃんが来たことによって暮らしが前と変わってしまった。そんなひなちゃんの居場所ができます!
ある日私は学校へ行った。
「言ってくるね、ここ!」
ここは元気に
「にゃー」
と返事をしてくれた。
学校で提出物を出しているとカバンの中からは一枚のチラシがあった。それはお兄様たちの仕事のチラシだ。安楽死の案内。それをみていた私に佐藤りく君が声をかけてきた。
「なにそれ? 安楽死しようとしてるの? 話がある、放課後ちょっと残ってて」
私はコクリと頷いた。
ー放課後ー
私は約束通り教室に残った。
「なんで安楽死の案内のチラシなんか見てたの?」
「最近なんとなく、自分の居場所がない気がして…」
りく君は真面目な顔になり。
「なら、居場所を作ってあげるよ。俺の妻になってくれ。叔父の体調が最近よくない、叔父は俺の妻の顔が見たいと言っている。それを未練に他の世界へ行ってほしくはない。俺は前からひなのことが好きだ。」
初めてそんなことを言われた。
居場所があるならいい、私の場所があるならいい。それが本当なら…
「はい」
それから、私の家へりく君は来てお母様とお父様へ話していた。お兄さんたちとりさちゃんはそのことは知らなかった。
ある朝、私は起きると足元で寝ていたここが冷たくなっていた。
「ここ!」
私のペットの猫、ここが冷たくなって動かなかった。
「ここ! 冷たいよ!」
と私は毛布を被せた。隣の部屋のりさちゃんが私の部屋を開けた。
「朝からうるさいですよ、どうしたんですか? あぁ〜、ここちゃん違う世界にいっちゃったんだ。」
ここも冷たかったけど、りさちゃんの態度も冷たかった。
「お母様、お父様! ここが…」
ここを抱いてお母様とお父様のところへ行くとお母様とお父様は電話を一本かけた。
「ひなちゃん、今日は土曜日よ。明日お休みだから明日黒い洋服着てあげて」
火葬に行くのか…
「ここちゃんも最後まで薬を飲んで元気じゃった。見送ってあげような」
私は涙がポロポロ出てきた。
ー次の日ー
私とお母様とお父様三人でお父様の車にのり火葬場へ行った。みんな真っ黒な洋服を着ていた。
ここが私の手に返ってきた時にはここの体は無くなって、白い箱に入っていた。つまり骨だけになったということ。
お兄様4人はりさちゃんが散歩に行こうと言って昨日のお昼に約束をしていた。だから今、ここが死んだことも知らないんだろう。ちゃんとここを飼ったのは私だから責任は果たさないと。
「ここ、私ちゃんとここの飼い主になれてた?」
家へ帰ると…
「どういうことだ!」
そうさくお兄ちゃんが叫んだ。
「ここはもういないわ」
お母さんが答えた。
お兄ちゃんたちは気に食わないような顔をしていた。私が持っている白い箱のことに気づいたんだろう。
ー数年後ー
それから私は高校を卒業して大学生!
私はりく君の家へ行った。今までお兄様やお母さんお父さんりさちゃんへ毎朝スープを作っていた。それも今日で最後かな? 私の部屋のここの写真立てに手をかざした。
「ここ、私のところへ来てくれてありがとう。私ね、ここと過ごしたここを離れて幼馴染のりく君の家へ行くの。ここも一緒に行こっか!」
私とりく君は結婚して私はりく君の家へ行くことになった。
「お母様、お父様、今までありがとうございました。ここも一緒に行きます。」
「りく君によろしくね」
「仲良くするんじゃよ ここちゃんも喜んどる!」
お母様とお父様は私を見送ってくれた。
〜次の日の神楽家では〜
「おい、このスープはなんだ! いつものを出してくれよ!」
そうさくお兄ちゃんが言った。
「いつものがないと少し寂しいですね」
とれいお兄ちゃんが言った。
「ひながいなくなったのに、次の日からはこれかよ」
りつお兄ちゃんが言った。
「りさちゃんは悪くないですよ」
としゅうお兄ちゃんが言う。
お父様とお母様はスープが私が作っていることを知っていたらしい。だから「しかたないよ」といいたげに顔を見合わせた。 このスープは私がいつも朝作ってあげてたの。
ことみさん(メイドの1人)がお兄様たちの発言に我慢できなっかったかのように…
「失礼ながら申し上げますが、あなたたちはひなさんのことをわかっていません! いつものスープはお出しすることはできません。」
「お姉様と何か関係があるというの!?」
とりさちゃんが少しキツイ言い方をしてた。
「ひなさんは、いつもお兄様たちがよろこぶ姿を見て研究していたんです。研究してお兄様たちが喜ぶものを出そうと頑張っておられました。だから毎朝早く起きてみなさんの分作っておられました。」
4人のお兄様たちは青ざめた顔をして驚いていた。
私はここの写真へ
「ここ、苦しかったの? ごめんね気づいてあげられなくて。苦しかったよね。ごめんね」
その時私は誰の声かわからない声が聞こえた。
「ここね、すごく幸せだった。家族っていう人ができて。」
私は孤児院にいた頃のことを思い出して涙が出てきた。
「もう一回! 家族って言って!」
でも、返事はなかった。
誰の声だったんだろう、今でも不思議だった。あの時の声はここだったのかな?