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沈黙のMars#7
あれから小一時間経った。
ミネルヴァはずっとパソコンと向き合っている。
事情を聞いたあと、彼はずっとパソコンと睨み合い、キーボードを打っている。時々ブザー音が鳴り、画面に大きくバツが表示されている。おそらく弾かれているのだろう。ミネルヴァはそのたびに軽く舌打ちを漏らしながら、何も言わずにまたパソコンを睨む。
レイドはその様子を、目を細めて見つめていた。
この二人はどういった関係なのか?という疑問が頭をかすめる。
何にせよ、そのおかげで奴らの正体を暴けるかもしれない。
基地の場所さえ分かれば、あとは潜入すればいい。
しばらくして、ミネルヴァが「あっ。」と声を漏らした。
画面がさっきまでと違う。
「入れた。」
ミネルヴァはこちらを見て、フッ。と笑った。
「T.B. ヴァロン…。」
息を呑んで彼を見つめる。
「裏社会で1、2を争う大手だね。諜報、殺し、はたまた護衛まで。幅広く手掛けているみたいだ。」
「それで、どこにある?」
「南区の裏通り…。廃ビルが並んでるところだよ。」
それだけで十分だった。
「分かった。当たってみるよ。」
あたしは素直に礼を言って、彼に背を向けた。その時、大きな音が聞こえ、足を止める。
入口の鉄扉から聞こえてくるようだ。続いて足音も聞こえてくる。
慌てて向かってみると、そこには少年が立っていた。
手にはコンパクトガンを持ち、こちらを見据えている。
その後ろから、もう一人、少女が出てきた。
こちらはスタンガンを持っている。
「誰だ?」
ミネルヴァは立ち上がり、二人を睨む。
「何の用だ?」
「平崎礼弥といいます!お兄さん、お姉さん、はじめまして!」
礼弥と名乗った少年はニッコリと人懐っこい笑みを浮かべる。
「会って早々悪いのですが…、死んでもらえませんか?」
礼弥が銃を構える。
あたしは懐から拳銃を取り出し、手早く弾を込めた。
礼弥がその銃口を向けてくるよりも早く、撃つ。
弾はコンパクトガンに直撃し、礼弥が銃を取り落とす。
その隙をついてレイドが飛び出した。
「させない。」
後ろに控えていた少女は、スタンガンのスイッチを入れる。
レイドは慌てて止まろうとするも、その攻撃を完全にかわすことはできなかった。
脇腹に直撃し、大きな音を立てる。
レイドはゆっくりとその場に崩れ落ちた。
次にあたしが取るべき行動は一つ。
「ミネルヴァ!」
「ああ!」
動けないレイドを背負い、撤退する。
停めておいた黒のスポーツカーへ飛び乗った。
去っていく車を、二人は追うこともせずにその場で見ていた。
次回、『潜入捜査』です!